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神社⑤
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「貴子、リベンジって?」
「このままじゃ姫華が嘘吐きになっちゃうでしょ? だから今晩もう一回神社を探しに行こうよ。私も付き合うからさ」
貴子はそう言って満面の笑みを私に向けてくる。
「いやでも今行ったけど見つからなかったんだよ」
「でも三日前に姫華は行ったんでしょ? だったらもう一度行って証明しようよ」
貴子の言う事はわかる。私だって勇気を出して踏み出したのにこのままじゃ嘘吐き女になってしまう。だが今晩行った所で神社が見つかるとは限らないし、何より神社が見つからない事自体がおかしいのだ。
私は確かにこの森の中にある神社に行った。なのに今は見つからない。まるで始めからそこには何も無かったかのように。
しかし貴子はお構い無しに話を続けてくる。
「じゃあ証拠を残すためにハンディカムカメラ持って今晩、夜九時にここに集合にしようよ。じゃあそうゆう事で」
私は貴子の勢いに圧倒されて、半ば強引に約束を取り付けられ暫く途方に暮れていた。
仕方なく私は家に帰ると真っ先にシャワーを浴びる。草木をかき分けて進んだせいで汗と埃にまみれた身体を綺麗に流す。
シャワーを浴びて全身よく見ると首筋や手足、それに胸元まで蚊に刺されまくっていた。
私に寄ってくるのは虫ぐらいだとでも言うのだろうか? つい卑屈に考えてしまう。
その後私は暫くゆっくりと過ごした後、支度を整えハンディカムを手に家を出た。
夜九時前に森の前に着き、私は一人森を見つめながら佇んでいた。風に吹かれ木々が揺れる音が不気味に響く。まるで私に何かを語り掛けているかの様にも感じてしまう。
「お待たせ」
突然後ろから声を掛けられ私は思わず「きゃあ」と叫んでしまった。
声を掛けてきたのはもちろん貴子だ。
貴子は私の反応が面白かったのか暫くお腹を抱えて笑っていた。
「まさか姫華があんな可愛く驚くとは」
「あんなタイミングで貴子が不意に声を掛けるからでしょ」
貴子がしつこく笑ってくるので私は軽く文句を言ってやる。
森を目の前にして暫く二人で話し、再び森の中へ視線を向ける。
「さて、そろそろ行く?」
「そうね。でも昼間は無かったし大丈夫かな? まぁあったらあったでビビるけど」
私は少し躊躇していた。神社がある事は証明したい。けどあるなら何故昼間は辿り着けなかったのか? 何度考えても説明がつかない。
「まぁ行かなきゃ始まらないよ?」
貴子は笑顔で私を促す。こんな暗闇の森の中に行く事をこの子はなんとも思わないんだろうか?
「わかってるわよ。そういえば貴子は虫除けスプレーちゃんとしてきた? 私昼間に足とか胸元まで刺されちゃったよ」
「あ、そうなんだ。良かったじゃん。胸刺されて少しは大きく膨らんだんじゃない?」
……殺す……
率直な私の気持ちだ。
自分の胸が寂しいのは自覚しているが私と同じぐらいの身長のくせに十分過ぎる程ボリュームがある貴子に言われるとさすがに殺意が芽生える。
いっその事、この人気が無い夜の森で事故に見せかけて殺ってやろうか。
そんなくだらない事を考えながら私達は森の中へと踏み出して行った。
「このままじゃ姫華が嘘吐きになっちゃうでしょ? だから今晩もう一回神社を探しに行こうよ。私も付き合うからさ」
貴子はそう言って満面の笑みを私に向けてくる。
「いやでも今行ったけど見つからなかったんだよ」
「でも三日前に姫華は行ったんでしょ? だったらもう一度行って証明しようよ」
貴子の言う事はわかる。私だって勇気を出して踏み出したのにこのままじゃ嘘吐き女になってしまう。だが今晩行った所で神社が見つかるとは限らないし、何より神社が見つからない事自体がおかしいのだ。
私は確かにこの森の中にある神社に行った。なのに今は見つからない。まるで始めからそこには何も無かったかのように。
しかし貴子はお構い無しに話を続けてくる。
「じゃあ証拠を残すためにハンディカムカメラ持って今晩、夜九時にここに集合にしようよ。じゃあそうゆう事で」
私は貴子の勢いに圧倒されて、半ば強引に約束を取り付けられ暫く途方に暮れていた。
仕方なく私は家に帰ると真っ先にシャワーを浴びる。草木をかき分けて進んだせいで汗と埃にまみれた身体を綺麗に流す。
シャワーを浴びて全身よく見ると首筋や手足、それに胸元まで蚊に刺されまくっていた。
私に寄ってくるのは虫ぐらいだとでも言うのだろうか? つい卑屈に考えてしまう。
その後私は暫くゆっくりと過ごした後、支度を整えハンディカムを手に家を出た。
夜九時前に森の前に着き、私は一人森を見つめながら佇んでいた。風に吹かれ木々が揺れる音が不気味に響く。まるで私に何かを語り掛けているかの様にも感じてしまう。
「お待たせ」
突然後ろから声を掛けられ私は思わず「きゃあ」と叫んでしまった。
声を掛けてきたのはもちろん貴子だ。
貴子は私の反応が面白かったのか暫くお腹を抱えて笑っていた。
「まさか姫華があんな可愛く驚くとは」
「あんなタイミングで貴子が不意に声を掛けるからでしょ」
貴子がしつこく笑ってくるので私は軽く文句を言ってやる。
森を目の前にして暫く二人で話し、再び森の中へ視線を向ける。
「さて、そろそろ行く?」
「そうね。でも昼間は無かったし大丈夫かな? まぁあったらあったでビビるけど」
私は少し躊躇していた。神社がある事は証明したい。けどあるなら何故昼間は辿り着けなかったのか? 何度考えても説明がつかない。
「まぁ行かなきゃ始まらないよ?」
貴子は笑顔で私を促す。こんな暗闇の森の中に行く事をこの子はなんとも思わないんだろうか?
「わかってるわよ。そういえば貴子は虫除けスプレーちゃんとしてきた? 私昼間に足とか胸元まで刺されちゃったよ」
「あ、そうなんだ。良かったじゃん。胸刺されて少しは大きく膨らんだんじゃない?」
……殺す……
率直な私の気持ちだ。
自分の胸が寂しいのは自覚しているが私と同じぐらいの身長のくせに十分過ぎる程ボリュームがある貴子に言われるとさすがに殺意が芽生える。
いっその事、この人気が無い夜の森で事故に見せかけて殺ってやろうか。
そんなくだらない事を考えながら私達は森の中へと踏み出して行った。
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