39 / 149
第二章 マリーナフカの棺とハルの妖精
6:知りたい(2)
しおりを挟む
廊下に出ると、アイシャはすれ違うメイドたちに心配そうに声をかけられた。おそらくどこかから今朝の話を聞いたのだろう。
ひそひそと話すメイドたちからは、リズベットを批難する声が聞こえる一方で、彼女を擁護する声も少し聞こえる。後ろをついて歩くランはそのことに怒りを覚えたようだが、アイシャは逆に、むしろ人望があるのだなと感心した。
「旦那様、アイシャです。少しお時間よろしいでしょうか?」
心配するメイドに感謝の言葉を返しながら、そこまで長くない廊下を抜けた先にある執務室まで来たアイシャは扉をノックした。中からは裏返った声で『どうぞ』と返事が返ってくる。
アイシャはゆっくりと扉を開けた。イアンは執務中だったのか、疲れた様子で机に向かっていた。
「ア、アイシャ。いらっしゃい……」
「すみません。お仕事中でしたか?」
「大丈夫だよ。休憩にしようと思っていたところだから」
「ではお茶の用意をしますね。今日は私が淹れて差し上げますわ」
アイシャは『伯爵家からお気に入りの茶葉を持ってているので』と微笑むと、慣れた手つきでお茶を用意し始めた。
柔らかな日差しと爽やかな柑橘系のお茶の香り、そして真剣にお茶を淹れるアイシャの横顔が、今朝のリズベットの暴挙で荒んでいたイアンの心を癒す。
「もう、目も合わせてくれないかと思ってた」
心がほぐれたせいか、彼はポツリと呟いた。アイシャはお茶を淹れる手を止めて、イアンの方を見た。
「……そんなことしませんよ」
「でも、とても怖い思いをしただろう?」
「それは……、確かに怖かったですけど、でも男爵様のせいではないので」
「いや、俺のせいだよ。あいつを信じた俺が馬鹿だったんだ。……帰りたくなったか?」
「いいえ?全然」
「そうか、良かった……」
アイシャの返事にイアンは心の底から安堵した。
アイシャはわかりやすく安心するイアンを可愛らしく感じたのか、クスッと笑うと、蒸らしていた紅茶をティーカップに注ぎ、彼のところまで運ぶ。
「どうぞ」
「ありがとう。いい香りだ」
イアンは紅茶をひと口飲むと、味わうようにゆっくりと飲み込んだ。本当に美味しそうに飲むものだから、アイシャの頬も自然と緩む。
「美味しい。アイシャはお茶を淹れるのが上手だね」
「へへっ。ありがとうございます」
「それで?俺に何か用事だった?」
「はい。聞きたいことがあるのです。よろしいですか?」
「ああ、大丈夫だよ。新しい護衛のことか?それなら今度はちゃんと厳選するから安心してくれ」
「ありがとうございます。でもそのことではありませんわ。リズベットさんのことです。彼女の言っていたことが気になって……」
「リズの?ああ。あいつの言うことなんて気にしなくていいよ」
「でも、魔族のこととか、マリーナフカ……?とか。私はまだ何も知らないから。だから教……」
「それは君が知らなくても大丈夫なことだよ。心配しないで。それよりもリズの処分はどうしようか?あいつの処分はもう君に任せようかと思っているのだけど、どうかな?」
「いえ、あの…….、処分の話じゃなくて……」
「だ、大丈夫だから!気にしなくていいから!」
イアンは不自然に、アイシャの話を遮るように机を叩いた。音に驚いたアイシャは身体をこわばらせ、机に積まれていた書類の山の一部は崩れて床に散らばる。
イアンはすぐに冷静になり、小さく謝った。
「……あ、ごめん」
「いえ……。大丈夫です……」
「……」
「……」
聞いてはいけないことを聞いたのだろうか。アイシャは眉根を寄せ、唇を引き結んだ。イアンはアイシャの目を見ることができないのか、顔を伏せたまま動かない。
気まずい沈黙が流れる。見かねたランはとりあえず、散らばった書類を集め始めた。
するとアイシャは自分を落ち着かせるようにふぅっと小さく息を吐き、ランと同じように床の書類に手を伸ばした。
しかし、イアンは何故か彼女が拾おうとした書類を慌てて拾い上げた。
ただ拾おうとしただけなのに、乱暴に取り上げられたアイシャは目を丸くして固まってしまう。またやってしまったとでも思っているのか、イアンは何とか誤魔化そうと作り笑いを浮かべた。
「あ、いや!ごめん!でも、これは大丈夫!大丈夫だから!」
「……ごめんなさい。私が見てはいけないものでしたか?」
「えーっと……、そういうことでもないんだけど……」
「……男爵様?」
「見せたくないというか、見なくても良いというか、見る必要がないというか……」
なんとも歯切れの悪い返事をするイアン。悪さをした子どもがそれを親に隠す時のような歯切れの悪さだ。
アイシャは先程からずっと何かを隠されていることがとても不愉快に思えて、顔を歪めた。そして隙を見て、イアンの手にあるものを奪い取った。
「……投石機?」
彼が持っていたのは先日存在が確認された投石機の詳しい報告書だった。
その投石機は木製で、魔族側からアッシュフォードに向けられており、すでに完成間近であること。また性能は昨年よりも良さそうだということが書いてある。
落ちている他の書類を見渡すと最近の魔族の動きや、砦の兵の状況に関する報告書もある。
アイシャは気まずそうにするイアンを前にしながら、片っ端から書類に目を通し、そしてゆっくりと顔を上げた。
「……これは本当に私が見る必要のない情報ですか?」
「必要ないよ。君には必要ない情報だ」
「先程から必要ないと繰り返してますけど、これって小競り合い程度の話ではないですよね?あちら側はまた戦争を仕掛けようとしているってことですか?領地の大きな問題ですよね?それなのに私は知る必要がないのですか?」
ジッとイアンを見つめるアイシャ。その瞳には怒りと困惑の色が見えた。
イアンは書類を取り返すと、不自然に笑みを浮かべて弁明した。
「こ、怖がらせたよね?ごめん。でも大丈夫だから。俺が守るから」
「そういう話をしているのではないのですが!どうして魔族のことを私に隠すのですか?」
「隠しているわけじゃない。いずれはちゃんと話すつもりだったよ。でもそれは今じゃないかなと……」
「どうして?」
「君に負担をかけたくなくて……。ほら、屋敷の管理のことを引き継いだばかりだし、それにそもそも君は砦には行かないし、騎士団の指揮も取らない。だから知っていても知らなくても何も変わらないだろう?危ないのは砦付近だけだから。街の方は今のところ安全だし……」
「た、確かに私は騎士団の指揮は取れませんし、戦争に関しては無知です。役立たずです!でも、それでも私は領主夫人となる立場にいるんです!そんな人間がこんな大事なことを知らないなんて、おかしくないですか!?民が自分の身を危険にさらして戦っている中、私は呑気に屋敷で過ごしていれば良いとでも思っておられるのですか!?」
「大丈夫。不安に思わないで。ちゃんと魔族に対する備えはしているし、君のことはちゃんと守る。君には絶対に危険が及ばないようにする。だから大丈夫だ。君は安心して穏やかに、できれば優雅にこの屋敷で過ごしていてくれればいいんだよ」
「……話を逸らさないで。男爵様の態度は私が領地に関わるのはお嫌なのですか?私を妻とは認めてくださっていないということですか?」
まるでお前などはじめから役に立たないと言われているような気になる。
よく考えれば、屋敷の管理を引き継いでいる時ですら、イアンの態度は少し嫌そうだった。やはり自分は共にある者として認められていないのだろうか。
アイシャは俯いたまま唇を噛み、立ち上がった。瞳は涙で潤み、手は怒りと悲しみで震えている。
イアンはそんな彼女を不思議そうに見上げた。
「領地の視察を渋るのも、屋敷の管理だけしか任せてもらえないのも、なぜかそれすらも嫌そうなのも、魔族のことを教えてもらえないのも、全部私が貴方と共にこの地を治めるに相応しくないとお思いだからですか?」
「そ、そんなこと思ってない!ただ、君には何不自由なく、何の心配もせず、穏やかで幸せな日々を過ごして欲しくて!……ほ、ほら!魔族の襲撃なんて血生臭い話、聞きたくないだろ?」
魔族に関する話をするならば、血生臭い話も、耳を塞ぎたくなるような話もしなければならない。
けれど、平和な南部で暮らして来たアイシャは過去の戦争のことさえよく知らない。ただでさえ慣れない土地に来て不安なアイシャに、そんな物騒な話はしたくなかったのだとイアンは言う。
しかし、アイシャはキッとイアンを睨みつけた。
「私はアッシュフォード男爵夫人になるためにここに来ました。きちんと覚悟を決めてここにきました。そうやって除け者にされるのは不愉快です」
アイシャは声を震わせながらそう吐き捨てると、涙をグッと堪えて部屋から逃げ出した。ランはイアンに軽蔑の視線を送ると、彼女の後を追う。
取り残されたイアンは自分が何をやらかしたのか理解できず、ただ呆然と部屋の扉を眺めていた。
ひそひそと話すメイドたちからは、リズベットを批難する声が聞こえる一方で、彼女を擁護する声も少し聞こえる。後ろをついて歩くランはそのことに怒りを覚えたようだが、アイシャは逆に、むしろ人望があるのだなと感心した。
「旦那様、アイシャです。少しお時間よろしいでしょうか?」
心配するメイドに感謝の言葉を返しながら、そこまで長くない廊下を抜けた先にある執務室まで来たアイシャは扉をノックした。中からは裏返った声で『どうぞ』と返事が返ってくる。
アイシャはゆっくりと扉を開けた。イアンは執務中だったのか、疲れた様子で机に向かっていた。
「ア、アイシャ。いらっしゃい……」
「すみません。お仕事中でしたか?」
「大丈夫だよ。休憩にしようと思っていたところだから」
「ではお茶の用意をしますね。今日は私が淹れて差し上げますわ」
アイシャは『伯爵家からお気に入りの茶葉を持ってているので』と微笑むと、慣れた手つきでお茶を用意し始めた。
柔らかな日差しと爽やかな柑橘系のお茶の香り、そして真剣にお茶を淹れるアイシャの横顔が、今朝のリズベットの暴挙で荒んでいたイアンの心を癒す。
「もう、目も合わせてくれないかと思ってた」
心がほぐれたせいか、彼はポツリと呟いた。アイシャはお茶を淹れる手を止めて、イアンの方を見た。
「……そんなことしませんよ」
「でも、とても怖い思いをしただろう?」
「それは……、確かに怖かったですけど、でも男爵様のせいではないので」
「いや、俺のせいだよ。あいつを信じた俺が馬鹿だったんだ。……帰りたくなったか?」
「いいえ?全然」
「そうか、良かった……」
アイシャの返事にイアンは心の底から安堵した。
アイシャはわかりやすく安心するイアンを可愛らしく感じたのか、クスッと笑うと、蒸らしていた紅茶をティーカップに注ぎ、彼のところまで運ぶ。
「どうぞ」
「ありがとう。いい香りだ」
イアンは紅茶をひと口飲むと、味わうようにゆっくりと飲み込んだ。本当に美味しそうに飲むものだから、アイシャの頬も自然と緩む。
「美味しい。アイシャはお茶を淹れるのが上手だね」
「へへっ。ありがとうございます」
「それで?俺に何か用事だった?」
「はい。聞きたいことがあるのです。よろしいですか?」
「ああ、大丈夫だよ。新しい護衛のことか?それなら今度はちゃんと厳選するから安心してくれ」
「ありがとうございます。でもそのことではありませんわ。リズベットさんのことです。彼女の言っていたことが気になって……」
「リズの?ああ。あいつの言うことなんて気にしなくていいよ」
「でも、魔族のこととか、マリーナフカ……?とか。私はまだ何も知らないから。だから教……」
「それは君が知らなくても大丈夫なことだよ。心配しないで。それよりもリズの処分はどうしようか?あいつの処分はもう君に任せようかと思っているのだけど、どうかな?」
「いえ、あの…….、処分の話じゃなくて……」
「だ、大丈夫だから!気にしなくていいから!」
イアンは不自然に、アイシャの話を遮るように机を叩いた。音に驚いたアイシャは身体をこわばらせ、机に積まれていた書類の山の一部は崩れて床に散らばる。
イアンはすぐに冷静になり、小さく謝った。
「……あ、ごめん」
「いえ……。大丈夫です……」
「……」
「……」
聞いてはいけないことを聞いたのだろうか。アイシャは眉根を寄せ、唇を引き結んだ。イアンはアイシャの目を見ることができないのか、顔を伏せたまま動かない。
気まずい沈黙が流れる。見かねたランはとりあえず、散らばった書類を集め始めた。
するとアイシャは自分を落ち着かせるようにふぅっと小さく息を吐き、ランと同じように床の書類に手を伸ばした。
しかし、イアンは何故か彼女が拾おうとした書類を慌てて拾い上げた。
ただ拾おうとしただけなのに、乱暴に取り上げられたアイシャは目を丸くして固まってしまう。またやってしまったとでも思っているのか、イアンは何とか誤魔化そうと作り笑いを浮かべた。
「あ、いや!ごめん!でも、これは大丈夫!大丈夫だから!」
「……ごめんなさい。私が見てはいけないものでしたか?」
「えーっと……、そういうことでもないんだけど……」
「……男爵様?」
「見せたくないというか、見なくても良いというか、見る必要がないというか……」
なんとも歯切れの悪い返事をするイアン。悪さをした子どもがそれを親に隠す時のような歯切れの悪さだ。
アイシャは先程からずっと何かを隠されていることがとても不愉快に思えて、顔を歪めた。そして隙を見て、イアンの手にあるものを奪い取った。
「……投石機?」
彼が持っていたのは先日存在が確認された投石機の詳しい報告書だった。
その投石機は木製で、魔族側からアッシュフォードに向けられており、すでに完成間近であること。また性能は昨年よりも良さそうだということが書いてある。
落ちている他の書類を見渡すと最近の魔族の動きや、砦の兵の状況に関する報告書もある。
アイシャは気まずそうにするイアンを前にしながら、片っ端から書類に目を通し、そしてゆっくりと顔を上げた。
「……これは本当に私が見る必要のない情報ですか?」
「必要ないよ。君には必要ない情報だ」
「先程から必要ないと繰り返してますけど、これって小競り合い程度の話ではないですよね?あちら側はまた戦争を仕掛けようとしているってことですか?領地の大きな問題ですよね?それなのに私は知る必要がないのですか?」
ジッとイアンを見つめるアイシャ。その瞳には怒りと困惑の色が見えた。
イアンは書類を取り返すと、不自然に笑みを浮かべて弁明した。
「こ、怖がらせたよね?ごめん。でも大丈夫だから。俺が守るから」
「そういう話をしているのではないのですが!どうして魔族のことを私に隠すのですか?」
「隠しているわけじゃない。いずれはちゃんと話すつもりだったよ。でもそれは今じゃないかなと……」
「どうして?」
「君に負担をかけたくなくて……。ほら、屋敷の管理のことを引き継いだばかりだし、それにそもそも君は砦には行かないし、騎士団の指揮も取らない。だから知っていても知らなくても何も変わらないだろう?危ないのは砦付近だけだから。街の方は今のところ安全だし……」
「た、確かに私は騎士団の指揮は取れませんし、戦争に関しては無知です。役立たずです!でも、それでも私は領主夫人となる立場にいるんです!そんな人間がこんな大事なことを知らないなんて、おかしくないですか!?民が自分の身を危険にさらして戦っている中、私は呑気に屋敷で過ごしていれば良いとでも思っておられるのですか!?」
「大丈夫。不安に思わないで。ちゃんと魔族に対する備えはしているし、君のことはちゃんと守る。君には絶対に危険が及ばないようにする。だから大丈夫だ。君は安心して穏やかに、できれば優雅にこの屋敷で過ごしていてくれればいいんだよ」
「……話を逸らさないで。男爵様の態度は私が領地に関わるのはお嫌なのですか?私を妻とは認めてくださっていないということですか?」
まるでお前などはじめから役に立たないと言われているような気になる。
よく考えれば、屋敷の管理を引き継いでいる時ですら、イアンの態度は少し嫌そうだった。やはり自分は共にある者として認められていないのだろうか。
アイシャは俯いたまま唇を噛み、立ち上がった。瞳は涙で潤み、手は怒りと悲しみで震えている。
イアンはそんな彼女を不思議そうに見上げた。
「領地の視察を渋るのも、屋敷の管理だけしか任せてもらえないのも、なぜかそれすらも嫌そうなのも、魔族のことを教えてもらえないのも、全部私が貴方と共にこの地を治めるに相応しくないとお思いだからですか?」
「そ、そんなこと思ってない!ただ、君には何不自由なく、何の心配もせず、穏やかで幸せな日々を過ごして欲しくて!……ほ、ほら!魔族の襲撃なんて血生臭い話、聞きたくないだろ?」
魔族に関する話をするならば、血生臭い話も、耳を塞ぎたくなるような話もしなければならない。
けれど、平和な南部で暮らして来たアイシャは過去の戦争のことさえよく知らない。ただでさえ慣れない土地に来て不安なアイシャに、そんな物騒な話はしたくなかったのだとイアンは言う。
しかし、アイシャはキッとイアンを睨みつけた。
「私はアッシュフォード男爵夫人になるためにここに来ました。きちんと覚悟を決めてここにきました。そうやって除け者にされるのは不愉快です」
アイシャは声を震わせながらそう吐き捨てると、涙をグッと堪えて部屋から逃げ出した。ランはイアンに軽蔑の視線を送ると、彼女の後を追う。
取り残されたイアンは自分が何をやらかしたのか理解できず、ただ呆然と部屋の扉を眺めていた。
28
お気に入りに追加
2,832
あなたにおすすめの小説
もう長くは生きられないので好きに行動したら、大好きな公爵令息に溺愛されました
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユリアは、8歳の時に両親を亡くして以降、叔父に引き取られたものの、厄介者として虐げられて生きてきた。さらにこの世界では命を削る魔法と言われている、治癒魔法も長年強要され続けてきた。
そのせいで体はボロボロ、髪も真っ白になり、老婆の様な見た目になってしまったユリア。家の外にも出してもらえず、メイド以下の生活を強いられてきた。まさに、この世の地獄を味わっているユリアだが、“どんな時でも笑顔を忘れないで”という亡き母の言葉を胸に、どんなに辛くても笑顔を絶やすことはない。
そんな辛い生活の中、15歳になったユリアは貴族学院に入学する日を心待ちにしていた。なぜなら、昔自分を助けてくれた公爵令息、ブラックに会えるからだ。
「どうせもう私は長くは生きられない。それなら、ブラック様との思い出を作りたい」
そんな思いで、意気揚々と貴族学院の入学式に向かったユリア。そこで久しぶりに、ブラックとの再会を果たした。相変わらず自分に優しくしてくれるブラックに、ユリアはどんどん惹かれていく。
かつての友人達とも再開し、楽しい学院生活をスタートさせたかのように見えたのだが…
※虐げられてきたユリアが、幸せを掴むまでのお話しです。
ザ・王道シンデレラストーリーが書きたくて書いてみました。
よろしくお願いしますm(__)m
【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
酒の席での戯言ですのよ。
ぽんぽこ狸
恋愛
成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。
何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。
そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい
木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」
私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。
アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。
これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。
だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。
もういい加減、妹から離れたい。
そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。
だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。
この婚約は白い結婚に繋がっていたはずですが? 〜深窓の令嬢は赤獅子騎士団長に溺愛される〜
氷雨そら
恋愛
婚約相手のいない婚約式。
通常であれば、この上なく惨めであろうその場所に、辺境伯令嬢ルナシェは、美しいベールをなびかせて、毅然とした姿で立っていた。
ベールから、こぼれ落ちるような髪は白銀にも見える。プラチナブロンドが、日差しに輝いて神々しい。
さすがは、白薔薇姫との呼び名高い辺境伯令嬢だという周囲の感嘆。
けれど、ルナシェの内心は、実はそれどころではなかった。
(まさかのやり直し……?)
先ほど確かに、ルナシェは断頭台に露と消えたのだ。しかし、この場所は確かに、あの日経験した、たった一人の婚約式だった。
ルナシェは、人生を変えるため、婚約式に現れなかった婚約者に、婚約破棄を告げるため、激戦の地へと足を向けるのだった。
小説家になろう様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる