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第1章 入試篇
第53話 夢だった
しおりを挟む風呂の後、食堂でお茶タイムにしていた。そんな中、ジェスロが要らぬ一言を言ってしまい、フォルクスが慌てる羽目になった。
「幼女使い殿、無事堪能出来ましたかな?」
シーラがいち早く反応した
「堪能って何か良い事が有ったの?」
「フォフォフォ、幼女使い殿はあなた達の」
フォルクスが慌てて止めた
「マ、マ、マ、マ、待つんだ!」
慌てて止めたが、そんな反応を見逃さないシーラである。
「ちょっと何よ?ジェスロ様?何があったのか包み隠さずお話ししてくださいな。嫌な予感しかしないのですが、言って頂けますよね」
にこやかに喋るが、眼光は鋭かった。震えながら問いただすシーラを見て、ジェスロは自分が失言をしたという事に気が付いたが、もう後の祭りである。
しかしジェスロの切り替えは完璧で有った。
「フォフォフォ。先程お風呂にGが出たとかで、お風呂場に幼女使い殿が駆け付けて行かれたので、皆様のご入浴中のG退治とは言え、ジョセイノ入浴中に乱入されましたからなあ。おそらく皆様の裸を見られたのではないかと思いましてな。ほほほほほ。羨ましい事ですな」
女性陣は皆真っ赤になっていた。恐る恐るユリアが聞いた
「ねえフォル君、やっぱり私のも見えたの?」
「うん。その、まるで女神様みたいでとても綺麗だったよ」
「だ、駄目よ。忘れて!忘れるのよ」
真っ赤になったユリアがくねくねしていた。
「無理だよ!あんな綺麗な体を見て忘れるなんて無理だよ。綺麗だったな!」
綺麗を連呼したのでユリアは真っ赤である。そしてフォルクスの態度に不自然さが有った。シーラはそれを見逃さなかったが、その前にフォルクスに確認をした。
「あ、あんたやっぱり私のも見たの?」
「うん、見えたよ。やっぱり胸が少し大きくなってきてるんじゃないかなって思えたよ」
フォルクスの様子もおかしかったが、それ以上にラティスの態度がおかしい事にシーラが気が付いた。シーラがすかさず問い正したのだが、シーラはあっさり白状したラティスを見てため息をついていた。そうフォルクスが覗きをするのを彼女が見逃したというのを聞いたのだ。
そしてラティスとフォルクスは正座をさせられ、仁王立ちする皆の前で説明をする事になった。そう、スキルポイントについてだ。
フォルクスはふと目覚めた。スキルポイントについて説明を始めた途端に目覚めた。目覚めた時は何故か溺れていたのだ。そう、湯船に浸かっていたのだが、ついウトウトしてし居眠りをしてまったのだ。寝てしまった為、湯船に頭が浸かってしまい溺れ始めた。そして訳が分かぬ状態で慌てふためいて目が覚めたのだ。
そして少しして落ち着き、自分が今何をしていたのかを思い出したのだ。
ジェスロが悪魔の囁きをし、風呂を覗いたりラティスのスカートを捲ってお尻を撫で回していたのは夢であった。
そうだよな。流石にジェスロがあんな事をする訳無いよなと首を振っていた。まだ人となりがよく分かってはいないが、今の所の印象は一言で言うと紳士だ。悪く言うと考えの古い頑固者という評価だ。
ただ、妙にリアルな夢だったなとは思った。ラティスのお尻を触った感触がまだ残っているのだ。えがったなと。
バチーンと頬を叩き、煩悩退散と何度も言っていたのだが、ふと人の気配がした。
脱衣場の方で何やらモゾモゾと動く人影があるような感じがした。誰かが着替えの入れ替えや掃除でもしに来たのかな位に思っていたが、ドアが開いた。すると体の前にタオルを持っているだけの全裸の女性が一人入って来た。
結局、覗き等をせずとも、若い女性と一緒に暮らすのだからこういうラッキースケベイベントは起こるべくして起こるのだ。
実際のところは、気絶をしたユリアの面倒をフォルクスが見る事になってしまっていた。ユリア以外の女性陣は皆我先にと風呂に行ってしまったのだ。そう、ユリアの面倒を押し付けたのだ。
首輪があるし、もしフォルクスがユリアの寝込みを襲っても最後まで出来ないし、そう言う事ができない性質だと分かっていたからだ。つまり信用しているのだ。
フォルクス以外が風呂に行っている間、フォルクスはユリアの頭を撫でたり、手を握っていただけだった。
そして皆が風呂から戻ってきたので、フォルクスはユリアの事をお願いし、風呂に入っていたのだ。その後ユリアの目が覚め、フォルクスがお風呂に入っているという事を知らずに風呂に来てしまったのだ。皆がわざとか失念したかまでは分からないが、結果的にフォルクスがまだ風呂から上がっていない事を知らぬユリアが無防備に入って来たのだと半ば理解した。
フォルクスは暫く寝ていたので、もう風呂から上がっていて、部屋で休んでいると思うのは無理もない時間が経っていたからだ。
ユリアは湯船に浸かり、フォルクスの姿が目に入った、というか、目が合ったのだ。驚きから胸の前で持っていたタオルを落とし、その場にへたり込んでしまった。
「ど、どうしてフォル君がここにいるの?何で?」
そう発するのが精一杯だった。そして急に己がフォルクスに裸体を晒しているという事に意識が向き、恥ずかしさから手で胸を隠し、フォルクスも慌てて背中を向けた。
よく確かめもせずにユリアが入ってきたのがいけなかったのだが、フォルクスはユリアの体を見ないようにしていた。とは言え、もう見てしまったのだが。
体を洗っているからその間に湯船に浸かってと話をしていたが、ユリアは意を決し、見ないでねと言い、フォルクスの背中を洗う事にした。
次に、フォルクスは背中を向いているから、体を洗ってねと言い、ユリアに背を向けて湯船に浸かっていた。
ユリアは前を洗った時に、フォルクスに背中を洗って欲しいと、恥ずかしいから見ないでねと言い、背中を洗って貰った。
背中を洗って貰う時は、背中を向け、タオルで胸は隠していたがやはり恥ずかしかった。
ユリアの肌は至極の滑らかさで、ついペタペタ触ってその柔肌にうっとりとしていた。
その後、ユリアが一緒に湯船に入りたいというので、フォルクスはユリアにタオルを巻いてなら良いよと横に座っていた。フォルクスはドキドキしっぱなしだった。
大人の色香漂うユリアにドギマギし、やっぱり大人で余裕の有る対応だなあと感心していたのだが、フォルクスから見れば落ち着いていると思うユリアの内情は実際には違うのだ。もう裸を見られてしまったからと開き直り、大胆な行動をし取ってしまったとオロオロと我に返り、恥ずかしさから真っ赤になり、更にもじもじしていた。
単に突然の事で心の準備が出来ておらず、流れに任せた感じだった。いずれフォルクスに全てを捧げると心に決めているのも有ったが、もうフォルクスに抱かれても良いとトリップしていたのだ。
お互い恥ずかしそうに肩を並べて湯船に浸かっていた。ユリアはチラチラと胸元をちら見するフォルクスに意地悪をして遊んでいた。
わざと乳首ギリギリまでタオルを下げていた。勿論見せない。悔しそうにし、鼻息の荒いフォルクスを見て普通の男子の行動に少し安心していたが、触って来ないのでつい自分から胸元に抱き寄せ、これからも宜しくねと言っていた。
そして暫く話し込んだ後、フォルクスが先にお風呂を出て行った。ユリアはそんなフォルクスの後ろ姿を見詰めていたのである。特にお尻を。
フォルクスはフォルクスでユリアの胸を見てしまったのだが、真面目に考え込んでいた。
ホクロの位置や胸の形、大きさが等が夢で見たユリアの裸体と同じだったからだ。胸を見たのは今のが初めての筈なのに何故だ?と唸っていたのであった。
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