16 / 52
第15話 リセット
しおりを挟む
コウは朝起き抜けに、フレンダが何やらもぞもぞしている事に気が付いた。そう真っ赤になってそわそわしているフレンダがそこというか、同じ布団の中にいた。
コウはまだ頭が回っておらず、寝ぼけながらおはようと声を掛けた。だがフレンダはコウが起きたのだと分かると、その小さな魅惑的な口から挨拶ではなく文句が飛び出した。
「あ、あ、あ、あんたね!私に手を出さないって言ってた癖に何よ!嘘だったの?信じた私が馬鹿みたいじゃないの!股間を膨らませて押し付けるんじゃないわよ。私を抱くならせめて雰囲気を作ってよね!」
こうがハッとなり慌てて股間を手で抑えた。そして突っ込むところはそっちか!と心の中で呟いた。
「昨日も言っただろう?男の生理現象だ。欲情していなくてもさ、寝起きは朝立ちってのでこうなるんだってば!約束したろ?俺は一方的にエッチな事をしないよ」
ふーんという感じでフレンダがジト目で見ていた。あまりにもジト目が痛かったので、コウは話をすり替える事にした。
「あ、改めておはようフレンダ。その、昨日も言った通りリセットして俺達の旅のスタートだ。オッケー牧場?」
フレンダはからかうのをやめ、真面目に話すコウを真剣な眼差しで見つめ返した。ただ、最後の言葉が意味不明だった。
「改めて宜しくな。まずは俺の事を話すよ。俺の本名は弘美と言うんだ。訳あってコウという名前にさせて貰うよ。年齢は17歳だ。昨日も言った通り、俺は何故か聖女として召喚され、男と言うだけで処刑する為にあの山に一人で放逐されたんだ。だから異世界人なんだ。それと俺は本来勇者として召喚される筈だったんだと思うんだよな。それと魔法は今は生活魔法しか使えないのと、ヒールはスキルかな?攻撃手段は魔力弾と弓のスキルだ。それとスキルにチャージ溜時間が2秒必要だが、狙った所に必ず当たる必中が有るかな。剣は訓練すらした事がないから期待しないで欲しいんだ。弓は向こうでもやっていて、スキルは上級らしいんだ。次はフレンダだけど、言いたくない事は言わなくても良いからな」
「じゃあ私の番ね。私はフレンダ。14歳でまだ未経験だから。もし寝ている私をあんたが手を出しても直ぐに分かるんだから」
真っ赤になったコウが狼狽えながら答えた。
「しないって言ってるだろう?」
「ふふふ。ムキになって可愛い事。からかっただけよ。それはともかく改めてよろしくね。一応私の方は水魔法を使うの。上級も使えるけど、習得している唯一の上級魔法を使うと、一発で気絶しちゃうから非常時にしか使えないの。普段は初級か中級ね。まだ正式に独り立ちを許されていないの。私ね聖女召喚をされるこの国の王都に行き、召喚された者が子をなす事が可能な者なら何とか知り合い、誘惑するなりして抱いて貰って身籠って来いって師匠から命令をされていたの。もし子をなせない相手なら仲間になるべく接触するようにと。聖女召喚された相手と子をなすなんて、何をバカな事を言ってるのって思って来たの。だからその、このまま向こうに戻ると気まずいの。未だに生娘だという事が分かると、私が異世界人から子種を貰っていない事がバレルから」
「分かった。子種の件は俺の方でなんとか話を付ける。気持ちも通じ合っていないのに種付けさせようとしたなんて舐めやがって!俺は許さないぞ!そんな事するのもさせるのも。だからもうその話題はやめにしよう」
フレンダが頷いたので コウは次の話にした。
「それよりも腹が減ったから飯にしようぜ。そういえばこの後ってどうするんだっけ?出発する前になんかするって言ってたよね?」
「そうねぇ、朝食の後は盗賊の討伐報告と亡くなった方の報告をしに冒険者ギルドに行かなきゃいけないの。報酬はともかく、盗賊の討伐や亡くなった方の報告の義務があるの。それとね、私もコウも冒険者登録をしていないから冒険者登録をするわよ。盗賊の討伐報酬のお金は冒険者登録をしていないと貰えないの」
コウは成程と理解して頷いた。
「そうねぇ、コウの装備をもうちょっと良くしたりとかでお金もいると思うから、お金の確保をしておきたいの。本当は少しでも早く王都から離れておきたいのだけれども、この先どんな危険が待ち受けているか分からないから、ちゃんと準備をしておきたいの」
フレンダがその辺りの話をコウにし、フレンダのお腹も鳴った為、コウが続きは道中でとし、取り敢えず食堂に行く為に着替える事になった。やはり目の前で着替えようとするのでコウは背を向けてトイレに行ってくるからと一言伝え、慌てながら逃げていった。
その間にフレンダは着替える事になったが、何故コウは慌てていたのかがフレンダには分からず、変な人!と呟いていた。またもやこの世界の冒険者の掟を知らない事を忘れていたのだ。
次にコウが着替えをした後にフレンダに色々手直しをされていた。男女兼用の冒険者用の服を女性が着るような風にアレンジされてしまっていたが、仕方なくそれを着ていた。というか、それ以外だとジャージしかなく、選択肢がなかった。
また、コウに胸パットを入れて胸があるように装った。ズボンを履き、脚から男だという事が分かるような事を防いでいた。そして軽く髪型を整えて終わった。
そしてコウの女を装った姿を見てフレンダがうっとりと見ていた。そんなフレンダを見てコウは変装と言う名の女装をする事を受け入れた事に対し、少し後悔するのであった。
コウはまだ頭が回っておらず、寝ぼけながらおはようと声を掛けた。だがフレンダはコウが起きたのだと分かると、その小さな魅惑的な口から挨拶ではなく文句が飛び出した。
「あ、あ、あ、あんたね!私に手を出さないって言ってた癖に何よ!嘘だったの?信じた私が馬鹿みたいじゃないの!股間を膨らませて押し付けるんじゃないわよ。私を抱くならせめて雰囲気を作ってよね!」
こうがハッとなり慌てて股間を手で抑えた。そして突っ込むところはそっちか!と心の中で呟いた。
「昨日も言っただろう?男の生理現象だ。欲情していなくてもさ、寝起きは朝立ちってのでこうなるんだってば!約束したろ?俺は一方的にエッチな事をしないよ」
ふーんという感じでフレンダがジト目で見ていた。あまりにもジト目が痛かったので、コウは話をすり替える事にした。
「あ、改めておはようフレンダ。その、昨日も言った通りリセットして俺達の旅のスタートだ。オッケー牧場?」
フレンダはからかうのをやめ、真面目に話すコウを真剣な眼差しで見つめ返した。ただ、最後の言葉が意味不明だった。
「改めて宜しくな。まずは俺の事を話すよ。俺の本名は弘美と言うんだ。訳あってコウという名前にさせて貰うよ。年齢は17歳だ。昨日も言った通り、俺は何故か聖女として召喚され、男と言うだけで処刑する為にあの山に一人で放逐されたんだ。だから異世界人なんだ。それと俺は本来勇者として召喚される筈だったんだと思うんだよな。それと魔法は今は生活魔法しか使えないのと、ヒールはスキルかな?攻撃手段は魔力弾と弓のスキルだ。それとスキルにチャージ溜時間が2秒必要だが、狙った所に必ず当たる必中が有るかな。剣は訓練すらした事がないから期待しないで欲しいんだ。弓は向こうでもやっていて、スキルは上級らしいんだ。次はフレンダだけど、言いたくない事は言わなくても良いからな」
「じゃあ私の番ね。私はフレンダ。14歳でまだ未経験だから。もし寝ている私をあんたが手を出しても直ぐに分かるんだから」
真っ赤になったコウが狼狽えながら答えた。
「しないって言ってるだろう?」
「ふふふ。ムキになって可愛い事。からかっただけよ。それはともかく改めてよろしくね。一応私の方は水魔法を使うの。上級も使えるけど、習得している唯一の上級魔法を使うと、一発で気絶しちゃうから非常時にしか使えないの。普段は初級か中級ね。まだ正式に独り立ちを許されていないの。私ね聖女召喚をされるこの国の王都に行き、召喚された者が子をなす事が可能な者なら何とか知り合い、誘惑するなりして抱いて貰って身籠って来いって師匠から命令をされていたの。もし子をなせない相手なら仲間になるべく接触するようにと。聖女召喚された相手と子をなすなんて、何をバカな事を言ってるのって思って来たの。だからその、このまま向こうに戻ると気まずいの。未だに生娘だという事が分かると、私が異世界人から子種を貰っていない事がバレルから」
「分かった。子種の件は俺の方でなんとか話を付ける。気持ちも通じ合っていないのに種付けさせようとしたなんて舐めやがって!俺は許さないぞ!そんな事するのもさせるのも。だからもうその話題はやめにしよう」
フレンダが頷いたので コウは次の話にした。
「それよりも腹が減ったから飯にしようぜ。そういえばこの後ってどうするんだっけ?出発する前になんかするって言ってたよね?」
「そうねぇ、朝食の後は盗賊の討伐報告と亡くなった方の報告をしに冒険者ギルドに行かなきゃいけないの。報酬はともかく、盗賊の討伐や亡くなった方の報告の義務があるの。それとね、私もコウも冒険者登録をしていないから冒険者登録をするわよ。盗賊の討伐報酬のお金は冒険者登録をしていないと貰えないの」
コウは成程と理解して頷いた。
「そうねぇ、コウの装備をもうちょっと良くしたりとかでお金もいると思うから、お金の確保をしておきたいの。本当は少しでも早く王都から離れておきたいのだけれども、この先どんな危険が待ち受けているか分からないから、ちゃんと準備をしておきたいの」
フレンダがその辺りの話をコウにし、フレンダのお腹も鳴った為、コウが続きは道中でとし、取り敢えず食堂に行く為に着替える事になった。やはり目の前で着替えようとするのでコウは背を向けてトイレに行ってくるからと一言伝え、慌てながら逃げていった。
その間にフレンダは着替える事になったが、何故コウは慌てていたのかがフレンダには分からず、変な人!と呟いていた。またもやこの世界の冒険者の掟を知らない事を忘れていたのだ。
次にコウが着替えをした後にフレンダに色々手直しをされていた。男女兼用の冒険者用の服を女性が着るような風にアレンジされてしまっていたが、仕方なくそれを着ていた。というか、それ以外だとジャージしかなく、選択肢がなかった。
また、コウに胸パットを入れて胸があるように装った。ズボンを履き、脚から男だという事が分かるような事を防いでいた。そして軽く髪型を整えて終わった。
そしてコウの女を装った姿を見てフレンダがうっとりと見ていた。そんなフレンダを見てコウは変装と言う名の女装をする事を受け入れた事に対し、少し後悔するのであった。
1
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
私ではありませんから
三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」
はじめて書いた婚約破棄もの。
カクヨムでも公開しています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
【完結】悪役だった令嬢の美味しい日記
蕪 リタ
ファンタジー
前世の妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生した主人公、実は悪役令嬢でした・・・・・・。え?そうなの?それなら破滅は避けたい!でも乙女ゲームなんてしたことない!妹には「悪役令嬢可愛い!!」と永遠聞かされただけ・・・・・・困った・・・・・・。
どれがフラグかなんてわかんないし、無視してもいいかなーって頭の片隅に仕舞い込み、あぁポテサラが食べたい・・・・・・と思考はどんどん食べ物へ。恋しい食べ物達を作っては食べ、作ってはあげて・・・・・・。あれ?いつのまにか、ヒロインともお友達になっちゃった。攻略対象達も設定とはなんだか違う?とヒロイン談。
なんだかんだで生きていける気がする?主人公が、豚汁騎士科生たちやダメダメ先生に懐かれたり。腹黒婚約者に赤面させられたと思ったら、自称ヒロインまで登場しちゃってうっかり魔王降臨しちゃったり・・・・・・。もうどうにでもなれ!とステキなお姉様方や本物の乙女ゲームヒロインたちとお菓子や食事楽しみながら、青春を謳歌するレティシアのお食事日記。
※爵位や言葉遣いは、現実や他作者様の作品と異なります。
※誤字脱字あるかもしれません。ごめんなさい。
※戦闘シーンがあるので、R指定は念のためです。
※カクヨムでも投稿してます。
さよなら 大好きな人
小夏 礼
恋愛
女神の娘かもしれない紫の瞳を持つアーリアは、第2王子の婚約者だった。
政略結婚だが、それでもアーリアは第2王子のことが好きだった。
彼にふさわしい女性になるために努力するほど。
しかし、アーリアのそんな気持ちは、
ある日、第2王子によって踏み躙られることになる……
※本編は悲恋です。
※裏話や番外編を読むと本編のイメージが変わりますので、悲恋のままが良い方はご注意ください。
※本編2(+0.5)、裏話1、番外編2の計5(+0.5)話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる