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第三章 事業発展編
第117話 世紀の大発見
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ロイたちはリックガントとコナリスのもとに、スライムの開発について報告を受けに向かうことにした。晶石の舞の全員と、ガイ、ネリス、フィーネ、ミネアも興味を示し、大勢で研究室に向かった。
研究室に到着すると待っていましたと言わんばかりのコナリスが、満面の笑みで出迎えた。
「じゃじゃーん!ロイ様、素晴らしい発見がありましたのですう!」
コナリスは楽しげに声を上げ、机の上にいくつかの瓶や道具を並べると、リックガントも誇らしげな表情でロイに説明を始めた。
「まず1つ目は、鎮痛解熱剤です。この薬はスライムを利用して作られており、痛みを和らげ、熱を下げる効果があります。色々な焼き方で試した中の1つです」
ロイは興味深げにその薬を手に取り、瓶越しに中身を観察した。透き通った液体で、ほんのりと青みがかっていた。リックガントはリラの父で共同経営者なのだが、ロイに対する敬語はいくら頼んでも変わらない。長年の話し方だからだそうで、いつしかロイも指摘しなくなっていた。もちろんお貴族様扱いはしてこないので、ホッとしている。コナリスに至ってはもう少し礼節を持ったほうが良いと思うくらいだが、こちらも何も言わない。
「なるほど。これは役立ちそうだね。リックガントさんの店で売るのかな?」
リックガントは頷き、続けて次の発見について説明した。
「次に、トリートメントが出来ました。髪の毛に使うと、驚くほど滑らかで艶やかな髪になります。スライムの成分が保湿効果を持っていることを利用しました。こちらも焼き具合を変えて検証している中での発見です」
「おぉ、それは女性たちに喜ばれるでしょうね。コナリスさんの髪が艶々なのはこれなのですね」
「そうですぅ!私の髪に櫛が通る様になりましたですう!」
コナリスは手で髪をかきあげ、サラサラ具合を示した。見ていた女性陣の目の色が変わったのは言うまでもない。さらに興奮気味に最後の発見について語った。
「そして、こちらが1番の自信作ですう!なんとコーキング剤なのですう!このコーキング剤は魔力を込めると硬化するんですう!」
注)話の末に解説あり
ロイはその説明に興味を引かれた。
「どういうことだ?」
コナリスは笑顔を浮かべ、実演を始めた。
「見ていてくださいですう!」
彼女は少量のコーキング剤を手に取り、壁にある小さなひび割れに塗った。そして、手をかざして魔力を込めると、瞬く間にコーキング剤が硬化し、ひび割れを完璧に埋めた。また、壁に見立てた板に角材を当て、その取り合いにコーキング剤を塗って同じように魔力を込めると、コーキング剤が固まる。
角材が完璧に接着されているのが分かり、手に取り驚いていた。
「このコーキング剤は建築現場や修繕作業で大いに役立ちますう!魔力を調整することで、硬さも自由自在に変えられるんですう!このように接着もできますですう!」
ロイはその便利さに感嘆した。
「これはすごい発見だ。実際の現場で大いに役立つだろう」
リックガントとコナリスは誇らしげに微笑んだ。ロイは彼らの努力と成果を称賛し、さらに発展させるための計画を練り始めた。
「この発見を元に、もっと多くの人々の生活を便利にできる製品を開発していこう」
「はい、ロイ様!頑張りますですう!」
コナリスは嬉しそうに答え、リックガントも頷いたが、ベリーズは一言も発せられなかった。木工師でもある彼は、コーキング剤が世の中に革命をもたらす凄まじい発見だと気が付き、どう使うかのアイデアが目まぐるしく浮かんでいたからだ。
ロイは新たな発見を胸に屋敷へ戻りながら、コーキング剤について知らない人が多いはずだと考えた。彼はその便利さを広く伝えるため簡単な解説を加えることにした。
ロイの心には新たな希望と決意が芽生えていた。この発見が、彼の事業をさらに発展させる大きな一歩となることを確信しながら、ロイは未来への挑戦に胸を躍らせた。
その夜、屋敷に戻ったロイは、ガイやミネア、フィーネ、ネリスと一緒に夕食を取りながら、今日の出来事や新しい発見について語り合った。彼の心には、仲間たちとの絆が深まる喜びと、未来への新たな挑戦に対する希望が満ちていた。
・
・
・
**注)の解説**
**コーキング剤とは?**
コーキング剤は、建築や修繕の際に使われる充填材で、隙間やひび割れを埋めるために使用されている。特に、窓枠やドア枠、浴室などの水回りでの防水目的に多用されている。通常、コーキング剤は柔らかい状態で塗り込まれ、時間が経つと硬化して隙間をしっかりと塞ぐ特性を持っている。
**今回の発見:魔力硬化コーキング剤**
コナリスとリックガントが開発したコーキング剤は、特に魔力を込めることで硬化する新しいタイプのもの。魔力を使うことで、硬化のスピードや硬さを自由に調整することができ、非常に柔軟かつ効率的な作業が可能になる。これにより、建築現場や家庭での修繕作業が一層便利になる。魔力を加えなければ白くペースト状のままで固まらないのが特徴。
研究室に到着すると待っていましたと言わんばかりのコナリスが、満面の笑みで出迎えた。
「じゃじゃーん!ロイ様、素晴らしい発見がありましたのですう!」
コナリスは楽しげに声を上げ、机の上にいくつかの瓶や道具を並べると、リックガントも誇らしげな表情でロイに説明を始めた。
「まず1つ目は、鎮痛解熱剤です。この薬はスライムを利用して作られており、痛みを和らげ、熱を下げる効果があります。色々な焼き方で試した中の1つです」
ロイは興味深げにその薬を手に取り、瓶越しに中身を観察した。透き通った液体で、ほんのりと青みがかっていた。リックガントはリラの父で共同経営者なのだが、ロイに対する敬語はいくら頼んでも変わらない。長年の話し方だからだそうで、いつしかロイも指摘しなくなっていた。もちろんお貴族様扱いはしてこないので、ホッとしている。コナリスに至ってはもう少し礼節を持ったほうが良いと思うくらいだが、こちらも何も言わない。
「なるほど。これは役立ちそうだね。リックガントさんの店で売るのかな?」
リックガントは頷き、続けて次の発見について説明した。
「次に、トリートメントが出来ました。髪の毛に使うと、驚くほど滑らかで艶やかな髪になります。スライムの成分が保湿効果を持っていることを利用しました。こちらも焼き具合を変えて検証している中での発見です」
「おぉ、それは女性たちに喜ばれるでしょうね。コナリスさんの髪が艶々なのはこれなのですね」
「そうですぅ!私の髪に櫛が通る様になりましたですう!」
コナリスは手で髪をかきあげ、サラサラ具合を示した。見ていた女性陣の目の色が変わったのは言うまでもない。さらに興奮気味に最後の発見について語った。
「そして、こちらが1番の自信作ですう!なんとコーキング剤なのですう!このコーキング剤は魔力を込めると硬化するんですう!」
注)話の末に解説あり
ロイはその説明に興味を引かれた。
「どういうことだ?」
コナリスは笑顔を浮かべ、実演を始めた。
「見ていてくださいですう!」
彼女は少量のコーキング剤を手に取り、壁にある小さなひび割れに塗った。そして、手をかざして魔力を込めると、瞬く間にコーキング剤が硬化し、ひび割れを完璧に埋めた。また、壁に見立てた板に角材を当て、その取り合いにコーキング剤を塗って同じように魔力を込めると、コーキング剤が固まる。
角材が完璧に接着されているのが分かり、手に取り驚いていた。
「このコーキング剤は建築現場や修繕作業で大いに役立ちますう!魔力を調整することで、硬さも自由自在に変えられるんですう!このように接着もできますですう!」
ロイはその便利さに感嘆した。
「これはすごい発見だ。実際の現場で大いに役立つだろう」
リックガントとコナリスは誇らしげに微笑んだ。ロイは彼らの努力と成果を称賛し、さらに発展させるための計画を練り始めた。
「この発見を元に、もっと多くの人々の生活を便利にできる製品を開発していこう」
「はい、ロイ様!頑張りますですう!」
コナリスは嬉しそうに答え、リックガントも頷いたが、ベリーズは一言も発せられなかった。木工師でもある彼は、コーキング剤が世の中に革命をもたらす凄まじい発見だと気が付き、どう使うかのアイデアが目まぐるしく浮かんでいたからだ。
ロイは新たな発見を胸に屋敷へ戻りながら、コーキング剤について知らない人が多いはずだと考えた。彼はその便利さを広く伝えるため簡単な解説を加えることにした。
ロイの心には新たな希望と決意が芽生えていた。この発見が、彼の事業をさらに発展させる大きな一歩となることを確信しながら、ロイは未来への挑戦に胸を躍らせた。
その夜、屋敷に戻ったロイは、ガイやミネア、フィーネ、ネリスと一緒に夕食を取りながら、今日の出来事や新しい発見について語り合った。彼の心には、仲間たちとの絆が深まる喜びと、未来への新たな挑戦に対する希望が満ちていた。
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**注)の解説**
**コーキング剤とは?**
コーキング剤は、建築や修繕の際に使われる充填材で、隙間やひび割れを埋めるために使用されている。特に、窓枠やドア枠、浴室などの水回りでの防水目的に多用されている。通常、コーキング剤は柔らかい状態で塗り込まれ、時間が経つと硬化して隙間をしっかりと塞ぐ特性を持っている。
**今回の発見:魔力硬化コーキング剤**
コナリスとリックガントが開発したコーキング剤は、特に魔力を込めることで硬化する新しいタイプのもの。魔力を使うことで、硬化のスピードや硬さを自由に調整することができ、非常に柔軟かつ効率的な作業が可能になる。これにより、建築現場や家庭での修繕作業が一層便利になる。魔力を加えなければ白くペースト状のままで固まらないのが特徴。
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