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第三章 事業発展編
第100話 御前でのお披露目会
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王宮の広々としたホールは、その日、美容と革新の祭典に変わっていた。王と王妃が威厳ある様子で現れると空気が一変し、場にいる全員が緊張と期待で息を呑んだ。妾である側室たちも、それぞれの美しさを競うかのように華やかなドレスをまとい、王と王妃の後をついてホールに入ってきた。
ロイは気のせいか国王の顔に悪い笑み、そう、いたずら小僧のそれを見た。とはいえ、父と同じ年齢だ。
「皆様、本日はヴィーナスシリーズのお披露目にお越しいただき、誠にありがとうございます」
王妃が優雅に会場を見渡しながら話し始めた。
ロイはちょっと待て!俺たちが国王や王妃にお披露目するんじゃないのか?そのために呼んだんじゃ?と唖然とした。
「この最先端のスライムは、我が王国の美容業界に革命をもたらすことでしょう」
ロイは家族と話していたので少し離れた場所におり、その様子を見守っていた。
そんな中、国王がロイを手招きし、近寄ってきたロイが膝をつこうとしたので手で制した。
「ロイ君、暁の狂犬と仲直りしたようだね」
ロイがへっ?と言った顔をすると、背後から父親が現れた。
「その名で呼ぶなら陛下と呼ぶぞ」
ロイは父が国王に向けたその言葉に驚きを隠せなかった。
「あー、鳩が豆鉄砲食らったかのような顔をしているところ悪いが、スライムとヴィーナスラヴェールなどの新商品を出してくれ。出したらまた呆けても良いぞ」
ロイは頭が真っ白になるもソニアを呼んで、その辺にスライムやヴィーナスシリーズの化粧品、開発中の試作品まで出しまくった。
そして今更ながら、今いる部屋と続きの間となっている舞踏会が行える広間とのパーティションが開けられており、多くの貴婦人や商人、貴族がそこにいるのが見えた。
「后や側室たちに新商品を使い、どうなるかアピールしてくれまいか。君の女に化粧の手伝いをお願いして欲しいんだ」
その言葉の意味はともかく、ヴィーナスラヴェールなどに詳しいのはロイのパーティーメンバーだ。
「陛下、私のパーティーの女性陣は4名おります。それと冒険者なので、礼儀作法や言葉遣いに難がありますがそれでもよろしいでしょうか?」
「若いな。フフフ。構わんが、我が妻に誰をあてがうか楽しみにしておるぞ」
意味がわからないが、一旦その場を辞して皆のところに行く。
「ソニア、エリナ、ミランダ、それとリラ、陛下が后様と側室の方にヴィーナスシリーズを使い、周りにアピールするよう言われたんだ。皆頼む」
皆驚きつつも頷くと、ロイは4人を后や側室の方の前に連れて行き、お辞儀をした。
「こちらの4名が皆様方に、我らが誇るヴィーナスシリーズを使ってお化粧をさせていただきます。お付きの方はサポートを頼みます。それと冒険者なもので、無作法に目をお瞑りください」
「大丈夫ですわよ。聞いております故。それより早く体験したいものですわ」
まずはソニアが后に、そして后の近くにいる順にリラ、エリナ、ミランダが緊張しながら化粧をしていく。
彼女たちの目はキラキラと輝きながら高貴な女性の顔にヴィーナスラヴェールを塗り込んでいく。
ロイはソニア、エリナ、ミランダ、リラが活躍する様子を誇らしげに見つめていた。
ソニアは王妃付けの美容師のサポートのもと、スライムから作られた化粧品での施術を手本として見せた。その神秘的なスライムから作られた乳液のような化粧品は、肌に触れるとすぐに吸収され、瞬く間に肌を滑らかで輝かしいものへと変えていった。
「これは驚きですわ!」
王妃が感嘆の声を上げると、会場からもため息が漏れた。
見るからに艶々なのだ。
会場には公爵夫人や侯爵夫人、またはその令嬢がおり、その様子を近くで見ており、初めて見る美容品の効果に騒然となった。
エリナたちもそれぞれの側室付きのメイドたちに向かい、ヴィーナスシリーズの正しい使用方法を丁寧に指導していた。
彼女たちの指導のおかげで、メイドたちがスライムを上手に扱えるようになり、自らの肌を美しく保つ秘訣を学んでいくと確信した。
そこからは大忙しで、最初に教えられたメイドたちとソニアたちも、后や側室の指示する者に順次、化粧品を塗り込んでいく。
時間が経つにつれ、会場はますます賑やかになり、美容の最先端を体験する喜びで満ち溢れていた。ロイも、自分が直接参加できないことを忘れるほど、ソニアたちの成功を心から喜んでいた。
この日、ヴィーナスシリーズのお披露目は大成功に終わり、王国中にその名が知れ渡ることとなった。そして、ロイと彼の仲間たちは、また一つ、大きな成果を手に入れたのだった。
その影でロイは父からひとこと耳打ちされた。
「あいつは(国王のこと)昔から悪ふざけが好きな子供みたいなだけで、悪いやつじゃないんだ。まあ適当でよいから、大げさに驚いてやってくれ」
・
・
・
後書き失礼します。
祝100話!
勢いのママ書き進めましたが、これからも頑張りますのでよろしくお願いします!
ロイは気のせいか国王の顔に悪い笑み、そう、いたずら小僧のそれを見た。とはいえ、父と同じ年齢だ。
「皆様、本日はヴィーナスシリーズのお披露目にお越しいただき、誠にありがとうございます」
王妃が優雅に会場を見渡しながら話し始めた。
ロイはちょっと待て!俺たちが国王や王妃にお披露目するんじゃないのか?そのために呼んだんじゃ?と唖然とした。
「この最先端のスライムは、我が王国の美容業界に革命をもたらすことでしょう」
ロイは家族と話していたので少し離れた場所におり、その様子を見守っていた。
そんな中、国王がロイを手招きし、近寄ってきたロイが膝をつこうとしたので手で制した。
「ロイ君、暁の狂犬と仲直りしたようだね」
ロイがへっ?と言った顔をすると、背後から父親が現れた。
「その名で呼ぶなら陛下と呼ぶぞ」
ロイは父が国王に向けたその言葉に驚きを隠せなかった。
「あー、鳩が豆鉄砲食らったかのような顔をしているところ悪いが、スライムとヴィーナスラヴェールなどの新商品を出してくれ。出したらまた呆けても良いぞ」
ロイは頭が真っ白になるもソニアを呼んで、その辺にスライムやヴィーナスシリーズの化粧品、開発中の試作品まで出しまくった。
そして今更ながら、今いる部屋と続きの間となっている舞踏会が行える広間とのパーティションが開けられており、多くの貴婦人や商人、貴族がそこにいるのが見えた。
「后や側室たちに新商品を使い、どうなるかアピールしてくれまいか。君の女に化粧の手伝いをお願いして欲しいんだ」
その言葉の意味はともかく、ヴィーナスラヴェールなどに詳しいのはロイのパーティーメンバーだ。
「陛下、私のパーティーの女性陣は4名おります。それと冒険者なので、礼儀作法や言葉遣いに難がありますがそれでもよろしいでしょうか?」
「若いな。フフフ。構わんが、我が妻に誰をあてがうか楽しみにしておるぞ」
意味がわからないが、一旦その場を辞して皆のところに行く。
「ソニア、エリナ、ミランダ、それとリラ、陛下が后様と側室の方にヴィーナスシリーズを使い、周りにアピールするよう言われたんだ。皆頼む」
皆驚きつつも頷くと、ロイは4人を后や側室の方の前に連れて行き、お辞儀をした。
「こちらの4名が皆様方に、我らが誇るヴィーナスシリーズを使ってお化粧をさせていただきます。お付きの方はサポートを頼みます。それと冒険者なもので、無作法に目をお瞑りください」
「大丈夫ですわよ。聞いております故。それより早く体験したいものですわ」
まずはソニアが后に、そして后の近くにいる順にリラ、エリナ、ミランダが緊張しながら化粧をしていく。
彼女たちの目はキラキラと輝きながら高貴な女性の顔にヴィーナスラヴェールを塗り込んでいく。
ロイはソニア、エリナ、ミランダ、リラが活躍する様子を誇らしげに見つめていた。
ソニアは王妃付けの美容師のサポートのもと、スライムから作られた化粧品での施術を手本として見せた。その神秘的なスライムから作られた乳液のような化粧品は、肌に触れるとすぐに吸収され、瞬く間に肌を滑らかで輝かしいものへと変えていった。
「これは驚きですわ!」
王妃が感嘆の声を上げると、会場からもため息が漏れた。
見るからに艶々なのだ。
会場には公爵夫人や侯爵夫人、またはその令嬢がおり、その様子を近くで見ており、初めて見る美容品の効果に騒然となった。
エリナたちもそれぞれの側室付きのメイドたちに向かい、ヴィーナスシリーズの正しい使用方法を丁寧に指導していた。
彼女たちの指導のおかげで、メイドたちがスライムを上手に扱えるようになり、自らの肌を美しく保つ秘訣を学んでいくと確信した。
そこからは大忙しで、最初に教えられたメイドたちとソニアたちも、后や側室の指示する者に順次、化粧品を塗り込んでいく。
時間が経つにつれ、会場はますます賑やかになり、美容の最先端を体験する喜びで満ち溢れていた。ロイも、自分が直接参加できないことを忘れるほど、ソニアたちの成功を心から喜んでいた。
この日、ヴィーナスシリーズのお披露目は大成功に終わり、王国中にその名が知れ渡ることとなった。そして、ロイと彼の仲間たちは、また一つ、大きな成果を手に入れたのだった。
その影でロイは父からひとこと耳打ちされた。
「あいつは(国王のこと)昔から悪ふざけが好きな子供みたいなだけで、悪いやつじゃないんだ。まあ適当でよいから、大げさに驚いてやってくれ」
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後書き失礼します。
祝100話!
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