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第16話  クリエイティブ

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 クリエイティブはライの魔力量との組み合わせでは、何でもござれのウルトラチートだった。

 何せ物に関しては見た事や触れた事のある物、見た事がなくても、設計図を見たりして構造を理解している物であれば何でも作れる。

 それなりの魔力を糧にしなければならないが、ライの魔力であれば城も作れるのだ。
 但し、マジックアイテムだけは無理だった。
 先程今持っている剣を複製したが、宿している特殊能力は再現できておらず、不明な金属を使ったただの剣になった。ただし、それでもかなりの業物である事に変わりはない。

 次に食べ物はどうかと試したが、食べた事のある食材や見食べした食材なら作れる。
 試しに果物をクリエイティブしたら出てきたのだ。食べるとまんまクルハの身だった。

 りんごの味でナシの食感の果物で、メアリーの好物だ。

 また、料理は食べた事の有る料理限定で、想像の物、配合を変えたものは無理だった。

 試しに昨夜食べた壮行会の肉団子をクリエイティブするときちんと再現できて美味しかった。

 料理もそれなりに魔力を要し、肉団子だと一個につき魔力50を消費するが全く問題なかった。ライにとっては微々たるものだ。

 味も昨夜食べたのと同じで美味しかった。

 物は限度がないようだ。
 馬車をクリエイティブすると、馬だけがない馬車が現れた。

 取りあえず布団と枕を出し、二人を寝かせた。

 調子に乗り、色々な物をあっという間にボス部屋は物で溢れた。

 調子に乗り椅子やテーブルを出し、ティータイムの準備までした。

 ハッとなり検証を再開したが、生き物はクリエイティブ出来なかった。

 また、魔石もクリエイティブ出来た。笑うしかなかった。

 ポーション類も作れたが、勿論使った事のある物限定だった。

 次に肉体の再生を試すも、腕は再現しなかった。

 やはり駄目かと気持ちを切り替え、次の課題に。

 早々に筆記用具をクリエイティブし、何を試すのかをリストアップしていたのだ。

 魔法のスクロールは可能だった。スクロールを使うとその属性に適正がなくても、魔力さえあれば魔法を発動できるのだ。但し、一度使うと消えてしまう。

 そして最後に一番気になっていた事を試す。スキルの生成だ。

 結論から言うと可能だった。あまつさえ想像したスキルすら作れる。
 但し敷居が高い。

 スキルを作成するには、まず各レベルのスキルを開放する必要がある。その条件には異性に愛される紳士の証明をするとあった。
 愛されているのと、信頼されている事の証明と、自制を試される必要があるとあった。

 スキルにはその難易度からレベルがあり、5段階ある。
 異性とドキドキするような事をする事とある。

 レベル1   手を握る

 レベル2 1分以上キスをし、舌を絡めるディープキスをする事

 レベル3 1分以上抱き合う(お尻か胸をお触りする事)

 レベル4     湯船に裸で一緒に10分以上入る
(お互い正面を向き、隠すのとお触り禁止)

 レベル5     お互い裸で同じ布団に入り一夜を過ごす。過ごし終わった後お互い未経験状態に変動が無い事。

 しかも同レベルのスキルを複数作る場合、複数回を開放する必要があり、同じ事を別の異性とする必要がある。  

 また、最後にこうもあった。
 頑張って!W
 は?と言う感じで、ライはわなわなと震えていた。キスは良い。抱き合うのとキスの順番がおかしくないか?と思うのと、やる事と書いてある内容に矛盾がある。それに最後のWに悪意すら感じていた。突っ込みどころが満載だったが、頭が痛かった。

 実はこの世界の理を作った女神からのちょっとしたいたずらだったりする。
 ギフトの説明に少し手を加える偽装が(フェイク)されていたのだ。例えばキス。キスは必要なのだが、必ずしもディープキスは必要なく、それはフェイクだった。

 これを仕掛けた者は、ライがどの段階で嘘だと気が付くのか、他の女神と賭けをしていたのだ。

 ただ、ヒントは与えた。フェイクが混じっていると説明の中に記載されている。かなり空白が続き、小さい文字でしれっとあった。
 それとWは違和感を感じさせる目的で書いておいたのだ。

 遊び心が無かったと言えば嘘である。
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