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第14話  ステータスとあかんやつ

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 ライがステータスと言うと、右眼にステータス関連の文字が浮かんでいた。どうしてそうしたかは覚えていないが、右眼を細め、焦点を定めていた。左眼ではなく、右眼をだ。

 ステータスはこうだ。

 本名 ラインガルド=ビークル
 冒険者名 ライ
 レベル 25
 魔力量 9999
 年齢  16
 性別  男
 身長  170cm
 経験人数 0
 魔法適正 オール


 ギフト 
 魔法全属性適正
 成長補正
 ライオット
 クリエイティブ
 神の眼看破
 スキル付与(未開放)
 スキルコピー(未開放)

 スキル
 全属性魔法ランク1(レベル5)
 全属性魔法耐性50%

 良く見ていなかったが、ギルドにて調べられる以上の事が見る事が出来たと理解した。因みに適正属性の魔法に対しては50%の耐性を持つので、ライの場合は100パーセントの耐性がある。耐性無視のスキルが無い限り魔法攻撃が効かなくなっている。

 ざくっと見てライは伝えた。

「ちゃんと見れるよ!2人のも見ようか?どうやら魔力を使えばプレート?にステータスを念写?転写って言った方が分かりやすいかな?とにかくプレートのような物に転写できるみたいだよ」

「じゃあお願いね!確認するのは去年ギルドで登録して以来よ!」

 3人共違和感に気が付かなかったが、ライの右眼が復活していた。看破にてステータスを見るのは右眼だった。
 眼が怪しく緑色に変わり、もしよく見たならばその眼に魔方陣が見えただろう。スキルやギフトを掘り下げて見ると説明が見える。
 そこにこうあった。
 神の眼はこの世のものを見る元の眼を一つ残し、一方に神の眼を宿すと。色が緑になり、神の眼を発動させるとその眼の力が開放されると。それでライが喪った右眼がギフト開放とともに出現していた。

 2人のステータスを読み取り念写した。

 3人のステータスを、3人が3人のを見れるようにして開示したが、ライは2人のステータスを見ずにいきなり転写し見せたのだ。

 名前 メアリー=アーシュウェル
 冒険者名 メアリー
 レベル  15
 魔力量 1776
 年齢 16
 性別 女
 身長 155cm
 経験人数 0
 魔法適正 風

 ギフト
 神の眼鑑定
 矢避けの加護
 アイテム強化(未開放)
 必中(未開放)
 メンタルマッサージ(未開放)

 スキル
 風魔法レベル3
 気配察知

 名前 ユリカ=マクブカイト
 冒険者名 ユリカ
 レベル 16
 魔力量 2123
 年齢  16
 性別     女
 身長  150cm
 経験人数 0
 魔法適正 光、  水

 ギフト 
 神の眼千里
 絶対防壁
 詠唱省略(未開放)
 異空間収納(未開放)
 マッピング(未開放)


 スキル
 光魔法 レベル1
 水魔法    レベル2
 柔和

 
 ライは皆のステータスを見て満足していたが、2人はそうではなかった。
 真っ赤になり怒っており、いきなり2人がライの襟首を掴み、手を振りかざしたかと思うとパチーンと音がなった。そう、2人から平手打ちを食らったのだ。

 2人はわなわなと震えていた。

「この、スケベ!」
「酷いです!いくらライ様とはいえ、これは許せません!」
 
 ライは訳が分からなかった。大して痛くはないが、精神的なダメージは半端なかった。

「えええ!どうなってるの?なんかした?」

「何かしたじゃないわよ。何よこれ!」

 ユリカは恥ずかしさから顔を手で覆い半べそだ。メアリーはステータスのとある所を指さしていた。

「何よこれは!そりゃあ私達はまだ未経験だけど、なんでこんなのを表示するのよ!エッチ!」

「あっ!これなんだろうと思ったんだ。あっ!確かにエッチした相手の人数だ!でも転写した内容はデフォルトなんだよ。何もいじっていないんだ」

「見えなくできないの?私達は良いけど、他の子にしたら二度と口を聞いて貰えなくなるわよ」

「あっ!ちょっと待って。表示させない項目を選べられるみたい。これでどうかな?」

 今度は経験人数を非表示で念写をし、ステータスを渡した。メアリーが満足していた。しかし、経験人数の項目が何か分かり3人共真っ赤だった。ライはあかんやつだったと項垂れた。ちゃんと見てからにすればなと己の迂闊さに呆れていた。

「その、僕も恥ずかしながら経験がないんだ。いや、そうじゃなくて、知らなかったとはいえごめんなさい」

「もう、仕方ないわね。気を付けてよ。この馬鹿ライ!お詫びに私達にいつものあれ、えっとご飯を作ってよね。ライのご飯って妙に美味しいのよね」

 ぽかぽかとライを叩いていた。しかしユリカが空気を読めず変なことを口走った?

「いいですね!ご飯期待しておりますわ。でもね、メアリー、これでライのモヤモヤも消えましてよ。私達が清い乙女だと知って貰えたのですから良しとしましょう。そういう訳で、心配しなくてもライのユリカはちゃんと清い乙女なのですわ。ふふふ。それにしても、ライがまだ未経験な事に驚きましたわ。男の子達の会話から皆さん娼館に行っているような事が漏れ聞こえましたし、ライも誘われていましたのでてっきり・・・あの、商売女は駄目です!それ以外は良いですが・・・」

 失念か、ライに対するからかいなのか、ユリカの言葉にライは慌てた。しかも最後の言葉はどう見ても本気で話していたし、メアリーも頷いていた。その為ライの混乱に拍車が掛かっていた。意味も分からなかった。もちろん意味は分かるが、その理屈が理解できなかった。何故商売女でなければ自分達以外の女の子を抱いても良いというのか。つまり、自分達を抱く前に誰でも良いから練習し、女慣れしておくようにとの事なのかなと?しかし、ライはそれが出来る程女性への扱いが上手いわけでもないし、好きな子に申し訳ないとの思いからブレーキが掛かっていた。それに、少なくとも婚姻するまでは抱いてはならないと、この世界の一般的な倫理観に強く支配されていたし、両親からも常日頃女性に対して同接するべきかを言われ育ったものだから、その影響が出ていたのだ。

「あっ、確かにダンジョンに入るちょっと前にあの3人に誘われたけど、初めては好きな子と、と決めているからと言って断ったんだよね。って何、恥ずかしい事を言わせるのさ!あう!」

 うふふふと2人は笑っていたが、2人の目が輝いていた気がした。メアリーはともかく、ユリカが何となく肉食系に見えなくもないライだった。

 因みに未開放のギフトはギフト名しか見えなかった。ただ、道中の戦いで食料の全てを失っており、ダンジョンに入ってから飲まず食わずで数時間が経過していたのもあり、3人共空腹だった。

 水はライがレベル1のウォーターで作り、ギフト開放前に飲んでいたから大丈夫だったが、体力の限界というか空腹具合から、2人のギフトを一つづつ開放した後に先に進む事となった。全てを開放する事も考えたが、食料が無い状態でどれ位先を進む事になるのか等は分かりようが無い為の判断だった。

 2人はライの膝枕を所望したが、ライは先のステータス転写の件で断れなかった。

 3人で話し合った結果、メアリーが必中、ユリカが異空間収納を開放する事にした。

 多分必中は魔法か弓矢、又は両方が必ず目標に当たるものだと推測したからだ。

 また、ユリカの異空間収納はレア中のレアらしく、10数年から100年に一度取得者がいるかいないかの筈で、これが有れば空荷で戦え、かなり有利に戦える筈なのだ。そうして何を開放するのかを即決したのだが、本来は全て開放してから挑みたかったが、食料が無いので断念したのであった。
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