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第8話 告白?からかい?
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2人はまだ少し嗚咽が有ったが、かなり落ち着いたようだと思えた。そこでライはまだ危険があるかもだから周りを確認してくるね!とだけ告げ、2人から離れた。いや逃げた。
頭を冷やしたかったのだ。
「僕って浮気性かな。メアリーの事が大好きだけど、ユリカちゃんも気になる。ああ、二人共彼女に出来たらな」
そんな事を考えていた。メアリーは子供の頃から好きなのだが、急激にユリカの存在が大きくなった。抱きしめて額を合わせてからというもの、女性として意識してしまったのだ。
ダンジョン行きが決まってからメアリーとユリカとで、装備や持っていく物について話し合っていた。その時にユリカが2属性持ちで、今は丁度ヒールを学んでいたが、てこずっており、間に合いそうにないと分かった。そこで強制的に伝授する事にした。本来学園では禁じられていたがやむを得ないとし、許可も貰った。体に掛かる負担が大きいのだ。抱き合って額を合わせ魔法を使うのだ。何度か行うと相手が取得するのだが、密着していてユリカの女性らしさを感じたのだ。
彼女は男を立てるタイプだ。メアリーは自己主張がかなり強く、闊達であり逆のタイプなのだ。
ライが戻ってきた頃には2人は落ち着いていたが、メアリーはライの手を握った。
「本物だよね?本物のライ君だよね?」
「それ以外に何に見えるのさ」
「ううん。やっぱりライ君ね!あの時私の代わりにあの穴に落ちて死んだんじゃないかって怖かったの。ユリカがね、大丈夫、生きているわ!とずっと励ましてくれていたの。生きてくれていて良かった!でも左腕とその目はどうしたの?」
「ああ、これか。そうだね、喧嘩相手に食われたかな。ははは。まあ倒したけどさ」
「どういう事なの?」
ユリカがメアリーの裾をグイグイと引っ張っていた。そんなユリカの行動にライは気が付いた。
「ユリカちゃんも僕の為に危険を犯してくれたんだね?ありがとう!」
ついユリカの手を握ったが、ユリカは真っ赤だ。
「あの、ライ様。さっきはもう駄目かと思いましたの。その、今私が生きているのはライ様のお陰です。その、お、お慕いしております。腕を失くされたのですね。痛かったですよね?これからは私がライ様の腕の代わりをし、お世話を致しますわ。ですからお側にいさせてください」
「はい?」
「ユリカがね、ライ君の事をずっと好きだって言っていたの。その、大事にしてあげて。私もライ君のお世話をするから。その、負けないから」
「ライ様にメアリーさんのあの狼狽え様を見せてあげたかったですわ」
ライは?といった顔をしていた。
「ちょっとユリカ、何を言っているのよ!幼馴染だからよ!ただの幼馴染よ」
「ふふふ。私はメアリーさんなら良いのよ。2人でライ様を助けて行きましょうね…慣れるまでは大変だと思うのです」
急な展開に僕の思考は止まっていた。途中からの二人の話は聞こえていなかった。
いや待て、これはあれだ、腕を失くした僕を見て元気付けようとしているんだ。そりゃあ命の恩人の世話をするのは普通だよな。勘違いする所だったな。
その時はそう思ったんだ。もし僕が今この場でどちらかを選ぶ事になったとしたら、きっと選ぶ事が出来なかったと思う。ふと思った。一部の貴族の人は奥さんが2人以上いるよねと・・・だが首を振った。そんな不埒な事を考えてはいけない。ちゃんとどちらかを選ばなければ。選ぶ?何を?僕の頭も混乱していたんだ。
しかしいかんいかんと、今は異性の事を考える時ではないと一旦この場を収めようとした。
「えっと、つまり命を助けた僕の事を2人共好きで、お世話をしたいって事?」
2人が頷きながら微笑んでいた。
僕は当たり障りのない返事をしようとしたんだ。そう、当たり障りのない返事を。
「じゃあ2人に僕の事を助けて貰おうかな。一緒だと嫌?」
「勿論そのつもりよ。ユリカを泣かせたら私が許さないんだからね。その、私達2人を優しくしてくれる?」
「うん。勿論メアリーとユリカさんは僕の大事なひとじゃないか!勿論大事にするよ!」
僕は言い間違えた。大事なひと=大事な女性に聞こえただろう。大事な仲間と言ったつもりが言い間違えたんだ。この時は仲間と言ったつもりだったから、この後の話もそのつもりだったんだ。だから先の一言で完全に2人のハートを掴んでいたのを知るのは先の事だった。
2人は手を取り合い喜んでいた。
「えっとその、ライ様、一体何があったのですか?もう少し詳しくお願いします」
うるうるした目で見つめられ、僕はたじたじだった。
落下した先が5階層のボスの上で、戦いの最中に腕と目を失った事、イチかバチかでギフトを開放し、それで倒した事、ライオットの事等をざっくりと説明した。
2人がいつの間にか僕の手を握って泣いていた。
僕は女の子の涙に弱い。
ボスを倒した後クリエイティブと言うギフトを得た。それから扉を入った先を進み、この階層に来たと話した。
2人に僕は恐る恐る聞いた
「ダザリオ達3人の姿が見えないけど、どうしたの?」
「ちょっとライ君聞いてよ!彼奴等ね、3階層のボスを倒した後下に進むドアと出口のドアが出た時に、4人しか行けないのに私達を見捨てて出口の方に行ったのよ!最悪だったの!最低よ!」
「メアリーさん、それじゃあライ様が分からないわ。私が順を追って説明しますわ。2階層は順調に進み、ボスを倒すのは問題なかったのです。ギフトを得た時に扉は一つしか開きませんでしたので必然的に3階層を進み・・・」
ユリカの話はこうだ。
皆は愕然としながら3階層を進んだ。鋭角に曲がった所で窪みにいた大勢の魔物の奇襲に合い、皆必死で逃げながら戦った。なんとか倒しきったが、そこで回復ポーションの半分を使った。3階のボスはオーガだったが、皆怪我を負うも全員無事だった。回復ポーションを使い切るも、回復しきらなかった。そこでユリカのヒールで治療したが、ユリカの魔力は半分程にまで減っていた筈だという。
ダンジョンに入る2日前に彼女はステータスを調べて貰い、魔力量からヒールに使った魔力と、魔力の回復スピードを計算するとそうなったと。
ギフトを得た後、少し休んでからとなり休んでいたら、いつの間にか男の二人が消えていた。
扉が2つ有るのは分かっていたが、メアリー、ユリカ、リーダーがウトウトしている間に出口の扉に2人が勝手に入った。
そしてリーダーを起こし、どうなったかを説明した。
ユリカはメアリーに言われていた。例え止めても自分だけでも下に行き、助けを待っているライを助けに行くんだと。きっと怪我をし、動けなくなっていて自分達が来るのを待っているからと。出口に行けるのは4人だから恨まないよと。
しかし、ユリカもライの事が好きで、このダンジョンから出たら告白するんだ!。きっと自分が助けに行ったら自分の事を好きになってくれる!ここでもし見捨てたらもうチャンスはないと確信した。約一年前にメアリーにカミングアウトした。ライの事を好きだと。
以前魔法の事でアドバイスを貰ったら劇的に向上した。また、一部の男子に自分の女になれ!と絡まれていた所を助けられ、好きになったと。メアリーが冷たくなったのは彼女が身を引いたからだ。ライとユリカを応援するとし、ライを突き放していたのだ。
ユリカはメアリーに2人共ライの彼女にして貰おうよと提案をした。それはライは平民だから駄目だとメアリーは告げた。ユリカはかなり奥手でメアリーからライを奪うつもりは微塵もなかった。
自分の父親が複数の妻を娶っており、その妻達もかなり仲が良かったからそういうのが当たり前だと思ったのだ。義理の母を〇〇お母様と呼んでいたのだ。
因みにライの家庭は両親と妹の4人暮らしだった。
メアリーとユリカがこの先の事について話をしていると、いつのまにかリーダーが出口の方に向かっていて、扉を開いているのに気が付いた。2人が慌てて声を掛けるも振り向きもせずに扉を潜って行ったと言っていた。そうダザリオはリーダーにも関わらず自分だけ助かろうと、女を見捨て逃げて行ったのであった。
頭を冷やしたかったのだ。
「僕って浮気性かな。メアリーの事が大好きだけど、ユリカちゃんも気になる。ああ、二人共彼女に出来たらな」
そんな事を考えていた。メアリーは子供の頃から好きなのだが、急激にユリカの存在が大きくなった。抱きしめて額を合わせてからというもの、女性として意識してしまったのだ。
ダンジョン行きが決まってからメアリーとユリカとで、装備や持っていく物について話し合っていた。その時にユリカが2属性持ちで、今は丁度ヒールを学んでいたが、てこずっており、間に合いそうにないと分かった。そこで強制的に伝授する事にした。本来学園では禁じられていたがやむを得ないとし、許可も貰った。体に掛かる負担が大きいのだ。抱き合って額を合わせ魔法を使うのだ。何度か行うと相手が取得するのだが、密着していてユリカの女性らしさを感じたのだ。
彼女は男を立てるタイプだ。メアリーは自己主張がかなり強く、闊達であり逆のタイプなのだ。
ライが戻ってきた頃には2人は落ち着いていたが、メアリーはライの手を握った。
「本物だよね?本物のライ君だよね?」
「それ以外に何に見えるのさ」
「ううん。やっぱりライ君ね!あの時私の代わりにあの穴に落ちて死んだんじゃないかって怖かったの。ユリカがね、大丈夫、生きているわ!とずっと励ましてくれていたの。生きてくれていて良かった!でも左腕とその目はどうしたの?」
「ああ、これか。そうだね、喧嘩相手に食われたかな。ははは。まあ倒したけどさ」
「どういう事なの?」
ユリカがメアリーの裾をグイグイと引っ張っていた。そんなユリカの行動にライは気が付いた。
「ユリカちゃんも僕の為に危険を犯してくれたんだね?ありがとう!」
ついユリカの手を握ったが、ユリカは真っ赤だ。
「あの、ライ様。さっきはもう駄目かと思いましたの。その、今私が生きているのはライ様のお陰です。その、お、お慕いしております。腕を失くされたのですね。痛かったですよね?これからは私がライ様の腕の代わりをし、お世話を致しますわ。ですからお側にいさせてください」
「はい?」
「ユリカがね、ライ君の事をずっと好きだって言っていたの。その、大事にしてあげて。私もライ君のお世話をするから。その、負けないから」
「ライ様にメアリーさんのあの狼狽え様を見せてあげたかったですわ」
ライは?といった顔をしていた。
「ちょっとユリカ、何を言っているのよ!幼馴染だからよ!ただの幼馴染よ」
「ふふふ。私はメアリーさんなら良いのよ。2人でライ様を助けて行きましょうね…慣れるまでは大変だと思うのです」
急な展開に僕の思考は止まっていた。途中からの二人の話は聞こえていなかった。
いや待て、これはあれだ、腕を失くした僕を見て元気付けようとしているんだ。そりゃあ命の恩人の世話をするのは普通だよな。勘違いする所だったな。
その時はそう思ったんだ。もし僕が今この場でどちらかを選ぶ事になったとしたら、きっと選ぶ事が出来なかったと思う。ふと思った。一部の貴族の人は奥さんが2人以上いるよねと・・・だが首を振った。そんな不埒な事を考えてはいけない。ちゃんとどちらかを選ばなければ。選ぶ?何を?僕の頭も混乱していたんだ。
しかしいかんいかんと、今は異性の事を考える時ではないと一旦この場を収めようとした。
「えっと、つまり命を助けた僕の事を2人共好きで、お世話をしたいって事?」
2人が頷きながら微笑んでいた。
僕は当たり障りのない返事をしようとしたんだ。そう、当たり障りのない返事を。
「じゃあ2人に僕の事を助けて貰おうかな。一緒だと嫌?」
「勿論そのつもりよ。ユリカを泣かせたら私が許さないんだからね。その、私達2人を優しくしてくれる?」
「うん。勿論メアリーとユリカさんは僕の大事なひとじゃないか!勿論大事にするよ!」
僕は言い間違えた。大事なひと=大事な女性に聞こえただろう。大事な仲間と言ったつもりが言い間違えたんだ。この時は仲間と言ったつもりだったから、この後の話もそのつもりだったんだ。だから先の一言で完全に2人のハートを掴んでいたのを知るのは先の事だった。
2人は手を取り合い喜んでいた。
「えっとその、ライ様、一体何があったのですか?もう少し詳しくお願いします」
うるうるした目で見つめられ、僕はたじたじだった。
落下した先が5階層のボスの上で、戦いの最中に腕と目を失った事、イチかバチかでギフトを開放し、それで倒した事、ライオットの事等をざっくりと説明した。
2人がいつの間にか僕の手を握って泣いていた。
僕は女の子の涙に弱い。
ボスを倒した後クリエイティブと言うギフトを得た。それから扉を入った先を進み、この階層に来たと話した。
2人に僕は恐る恐る聞いた
「ダザリオ達3人の姿が見えないけど、どうしたの?」
「ちょっとライ君聞いてよ!彼奴等ね、3階層のボスを倒した後下に進むドアと出口のドアが出た時に、4人しか行けないのに私達を見捨てて出口の方に行ったのよ!最悪だったの!最低よ!」
「メアリーさん、それじゃあライ様が分からないわ。私が順を追って説明しますわ。2階層は順調に進み、ボスを倒すのは問題なかったのです。ギフトを得た時に扉は一つしか開きませんでしたので必然的に3階層を進み・・・」
ユリカの話はこうだ。
皆は愕然としながら3階層を進んだ。鋭角に曲がった所で窪みにいた大勢の魔物の奇襲に合い、皆必死で逃げながら戦った。なんとか倒しきったが、そこで回復ポーションの半分を使った。3階のボスはオーガだったが、皆怪我を負うも全員無事だった。回復ポーションを使い切るも、回復しきらなかった。そこでユリカのヒールで治療したが、ユリカの魔力は半分程にまで減っていた筈だという。
ダンジョンに入る2日前に彼女はステータスを調べて貰い、魔力量からヒールに使った魔力と、魔力の回復スピードを計算するとそうなったと。
ギフトを得た後、少し休んでからとなり休んでいたら、いつの間にか男の二人が消えていた。
扉が2つ有るのは分かっていたが、メアリー、ユリカ、リーダーがウトウトしている間に出口の扉に2人が勝手に入った。
そしてリーダーを起こし、どうなったかを説明した。
ユリカはメアリーに言われていた。例え止めても自分だけでも下に行き、助けを待っているライを助けに行くんだと。きっと怪我をし、動けなくなっていて自分達が来るのを待っているからと。出口に行けるのは4人だから恨まないよと。
しかし、ユリカもライの事が好きで、このダンジョンから出たら告白するんだ!。きっと自分が助けに行ったら自分の事を好きになってくれる!ここでもし見捨てたらもうチャンスはないと確信した。約一年前にメアリーにカミングアウトした。ライの事を好きだと。
以前魔法の事でアドバイスを貰ったら劇的に向上した。また、一部の男子に自分の女になれ!と絡まれていた所を助けられ、好きになったと。メアリーが冷たくなったのは彼女が身を引いたからだ。ライとユリカを応援するとし、ライを突き放していたのだ。
ユリカはメアリーに2人共ライの彼女にして貰おうよと提案をした。それはライは平民だから駄目だとメアリーは告げた。ユリカはかなり奥手でメアリーからライを奪うつもりは微塵もなかった。
自分の父親が複数の妻を娶っており、その妻達もかなり仲が良かったからそういうのが当たり前だと思ったのだ。義理の母を〇〇お母様と呼んでいたのだ。
因みにライの家庭は両親と妹の4人暮らしだった。
メアリーとユリカがこの先の事について話をしていると、いつのまにかリーダーが出口の方に向かっていて、扉を開いているのに気が付いた。2人が慌てて声を掛けるも振り向きもせずに扉を潜って行ったと言っていた。そうダザリオはリーダーにも関わらず自分だけ助かろうと、女を見捨て逃げて行ったのであった。
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