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第4話  選択

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 僕らのいるこのレムリアーナの世界は魔物がいて、冒険者がそれらと戦い人類の滅亡を防いでいる。

 駆除し過ぎると反動で一気に湧くので、適度に狩らなければいけないらしい。と言って、放置すれば人類は滅亡するだけだった。今の所適度の間引き意外に対処方法が無い。その冒険者になるのが僕ら学園生だ。勿論学園生以外も冒険者がいるが、基本的に魔法を使える事から、学園出身者が上級冒険者に占める割合は8割位だそうだ。

 ただ、近年魔物の出現について異変が有るらしいが、実感がない。と言うか僕らはまだ冒険者の卵だ。一応既に冒険者登録はされているのだが、今はまだ勉学に励んている。

 今僕らのいる学園は最上級生が120名いる。今回選ばれたのは総合順位順で以下のようになった。

 2位 ダザリオ 
 赤毛の175cm位の巨漢だ。気性が荒く、僕を敵視すらしていて、メアリーに何度も告白しては振られている。純粋なファイタータイプで火属性。剣に火を纏わせたり肉体の強化魔法を使う。両手用の大剣を愛用

 10位 僕だ。黒目、髪はブロンズ。優顔。165cmと一気に背が伸びた。最近女子の目線が気になる。ヒソヒソ話をしているので、また陰口なのだろうか…
 全属性に適正があるし、魔力総量も宮廷魔道士のそれを凌駕するも、レベル1の魔法しか使えず、その有り余る魔力が無駄になっている。最近2属性の魔法を同時に放つ事が出来るようになった。
 ロングソードを両手で使う。

 18位 ヴァモス 165cm 緑の髪
 脳筋系の片手剣で盾持ち。土属性
 防御を高め、打撃に耐えてカウンターで反撃するタイプ。魔法は強化以外ほとんど使わず。

 41位 レイドリック  160cm  両手剣 金髪の細身
 風属性 素早さを上げ、筋力強化に特化し、エストックを二本使い、その素早い突きで相手を翻弄する。攻撃魔法は牽制程度にしか使えない。

 49位 メアリー=アーシュウェル
 金髪155cm 女性としては平均より少し大きい。僕の大事な幼馴染の下級貴族の娘だ。

 風属性のレベル3を使える。
 弓を得意とし、弓に関しては学園10位以内に入る。後方支援の魔法使いタイプ。
 最近の得意技は、手に持った石などに風魔法を乗せて砲弾のように飛ばすのと、威力は弱いが、雷魔法で相手を麻痺させる。一番威力のあるのは圧縮した空気の弾を飛ばし、穴をあけるか吹き飛ばす空気弾系統だ。

 78位 ユリカ=マクブカイト
 150cm 銀髪 ほっそりとした中級貴族の娘。
 水と光の2属性で水はレベル2、光はレベル1を使う貴重な2属性。近接戦闘はまるで駄目
 内気な性格か、あまり自分の意見を言わない。綺麗系の顔立ちだが、男性が苦手。ほっとけないタイプの為、メアリーとはまた違ったタイプで男子からは頻繁に告白されるも全て断る。
 武器は鞭を使う・・
 水魔法でアイスアローを愛用したり、氷の壁での防御を使う事が大い


 こんな感じの6人組だが、仲も悪く、基本的にリーダーは総合順位で決めるのが通例だ。

 ダンジョンは広くはない。寧ろ小さい。
 下の階層に向かうと少し広くなるとの事だが、1階層は一本道で1000m位しかなかった。ごつごつした岩場のいかにも洞窟といった感じて、時折スライムや小型の獣形の弱い魔物が出た位だ。

 この世界の魔物は殺すか核の魔石を破壊すると霧散し、時折何かのドロップ品を落とす。

 隊列はダザリオが先頭で僕は殿だ。流石に馬鹿ではないので、後方に戦力を割いていた。ユリカを中央にする感じで後は自分で判断しろと…

 1階層のボスはオークの上位種だったが、ユリカの水球を顔にぶつけ、僕の魔法で頭を覆うように球状に固定させ、藻掻いている間にメアリーが弓で手を射抜き武器を落とさせ、ダザリオが首を刎ねて終わった。
 ドロップを回収し、ギフトを得て扉が出現すると直ぐにダザリオが動いた。

 皆の意見を聞かず下に行く方の扉を開けたのだ。ダザリオが扉を潜ると、地上に戻る方の扉が消え、下に行かざるを得なくなった。

 流石にユリカが泣いてしまったので扉を出た所で、皆で抗議するも時既に遅しだった。結局皆の責に折れて次の階層をクリアしたら終わるとして一旦話が終わった。

 何かとユリカはメアリーに大丈夫かな?と聞いていた。自分以外の唯一の女子なのもあるが、メアリーはライ君が私達を守ってくれるからと落ち着かせていたが、ダザリオは当然面白くなかった。

 多分もう少しでボス部屋と言うところで、僕の前を歩いていたメアリーが何かを踏んだようで、あっ!と呻いた。

 僕は床がたわみだしたのを感じ咄嗟に駆け出した。そしてメアリーと叫び彼女を剣を持っていない方の左腕で突き飛ばした。

 彼女が開いた穴の縁にしがみついて僕の名を叫んでいた。僕は落下しながらそれを見ていた。そして落下が終わり悪夢のようなボス戦になった・・・

 そして今、ライは選択に迫られていた。2つ目のギフトを得ると扉が出現して、考えていた。

 選択と言っても選択肢は少ない。
 扉が一つ出現しただけなのだ。しかも2階層ボス部屋と有った。選択肢は今すぐ行くか、気絶するがギフトを使ってからにするかだ。

 ライは少し考えた。
 今まで2階層をクリアした者の話を思い出そうとした。

 確かボスを倒した後は生き残っている全員で一緒に行動せざるを得なくなると。言えるのはそこまでで、何故か何が有ったかを語ろうとしても口に出したり、書くのも出来ないと。一致団結であり、誰かの勝手な判断は連帯責任的に皆が迷惑被ると。またダンジョンに挑むのは一度に6人を上限とした1パーティーのみでそれ以上は入れない。それらが全滅するか無事に戻ってこないと扉が開かず、中に入れない。

 意味が分からなかったが、閃いた。

 つまり、生きている者全員が揃わないとダンジョンから出られない。つまり2階層をクリアしてもメアリー達は地上へ出られない。

 多分この扉と一緒で先に進む扉しか出ずに、より危険な階層に進む事になるのでは?と。自分のこのライオットは多分レベル5の魔法相当かそれ以上の威力がある筈だと。多分大当たりを引いたのだろうと。
 但し、風属性や雷に耐性がある魔物には役に立たない。

 今直ぐ先に進むしかないと閃いた。
 ドロップの衣に着替えたかったが、手にとって見たのだが残念ながらぱっと見女性用の衣だ。自分が着られる服だとしても片腕では着れない。訓練すれば別だろうが、今は無理だ。

 背嚢にドロップ品をしまった。衣を退けると小さなアイテムが有ったのだ。残念ながら装備品もあるが装備できなかった。回収する物を回収し、ライはまだ少し痛む体に気合を入れた。

「メアリー!待っててくれ!今助けに行くからな!」

 そうして扉を潜るのであった。

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