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第3章

第231話 ラーナだった

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 俺は熱が下がらず3日3晩昏睡状態だったらしい。
 髭を触っても分からない。
 何故なら毎日理容師が剃っているかららしい。

 俺が起きたと分かるとスカートをたくし上げたメイドがそこにいた。
 表現が悪かった。
 先日スカートをたくし上げて俺の嘔吐物を受け止めてくれたと思われるメイドがいた。


「俺は部屋を去ろうとしてお辞儀したメイドの腕を掴むとその細い体を強引に引き寄せ、唇を奪うと押し倒した。
 その可憐な体を覆う鎧であるメイド服を1枚また1枚と・・・」

「なあまたみっちゃんの新作か?しかもヒロインは君のようだが?なぜ君が読む?」

 そのメイドはお辞儀した。
 俺は同じようにしてやろうと腕を掴み、キスは色々まずい気がするから飛ばし、押し倒した。

 すると目を閉じて俺に全てを委ねてきた。

 顔をよく見ると見覚えがある。
 なのでデコピンの刑に処した。

「ひゃいっ!?」

 短い悲鳴を上げる。

 顔は眼鏡をしているが伊達メガネな上に、胸を弄ると玉が出てきた。
 また、かつらをしていた。

「ラーナだな。何をしている?」

「いつからバレていたのですか?」

「目が覚めた時から誰だろうと思ったんだよ」

「お久しぶりにございます」

「ラーナはメイドをしてないだろ?」

「はい。陛下がメイドノコスプレになるものがお好きだと聞きましたので」

 誰だよ?確かに、好きだけどさ、ってそうじゃない。いま気にするのはそこじゃない。

 ラーナが呼び鈴を鳴らし、入って来た本物のメイドに俺が目覚めた旨を伝えていた。

「最近はどうだ?もうアカデミーに通っているんだったか?」

「はい。皆良くしてくれます。今はアーリバン国の併合に伴う混乱から休校になっております」

「そうか。フリオールは上手くやっているだろうか?と言うか俺はどれ位寝ていたんだ?」

「フリオール様は奇声を発しながらも政務をこなされているようですよ。そうですね、倒れてから3日です」

 俺はふとラーナのスカートを捲くった。

「へ、陛下?今からですか?こ、心の準備が」

 俺はラーナを抱きしめた。

「すまない。俺のゲロを受け止めてくれたのは君だよな?あの時脚しか見えていなくて、やはり君か。気持ち悪かったろ?」

「そんな事はないですよ。陛下が汚れなくて何よりです」

「女性が汚れないようにするのが俺の役目なのに、汚してどうすんだよ!ってすまなかった。何かお礼をさせてくれ」

「では今晩の夜伽を私に・・・」

 バーン!

 ドアが開き、セレネがドタドタと来てジャンプした。

「ラーナ、悪い。聞こえなかったから明日もう1度頼む」

 愕然とするラーナはともかく、皆が来て、俺が気絶していた時の事を話してくれた。

 万事順調で、俺はホッとするのやらしないのやらだ。
 俺がいなくても何とでもなるんだな・・・と。

 その後暫く政務関連の話をし、ニーナが力を得たダンジョンの話になった。それはクマーシャルとサルトリーヌの境にあるとの事で、俺の体調が戻り次第向かう事になった。

 いよいよ魔王を倒した後にする予定の事をする段階になったが、ニーナだけは赤くなっていたが、熱でもあるのか?・・・
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