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第3章

第201話 vs ブルードラゴン

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 急いで青色のドラゴンが墜ちたところに行くと、既に移動中だった。

「アイリーン、どっちだと思う?」

「木が倒れているのは町に向かう方で、逆は殆ど倒れていませんよね」

「正解だね。うーん、厄介だ。取り敢えず行こうか」

 外縁部の方から墜落現場に向かっていたが、60度程向かって右側へ、つまり中心部に向かって移動したようだ。

 城壁は破られていた。
 取り敢えず魔物の侵入を防ぐのに岩を出して塞ぐ。

 民家や店を破壊しながら向かったようだ。
 ただ、進路上の建物が崩れているので直に分かった。

 地上に降り、バス位の岩を出すと俺達はその岩に登った。
 そしてスナイパーライフルを出してアイリーンと狙いを定める。

 ドラゴンは冒険者と戦っているようだ。

 準備出来次第各自放った。
 バン!バン!と弾丸が飛び、1発は頭に、もう1発は腹に当たるもダメージは殆ど無い。

 俺は急ぎ次弾を放つ。
 体の向きが変わったので逸れたが、こちらに気が付き向かってくる。
 よし!目的達成だ。

「よし!ヘイトがこっちに向いたね」

「あっはい」

 ライフルと岩をしまい再び空へ。
 高度は大体20mだろうか。

 よく見るとニーナが剣を振りながら追い掛けている。

「ニーナ下がれ!」

 俺は拡声器にて伝えると追い掛けるのを止めて、その場で様子を見る感じだ。
 ちゃんと聞こえたようだ。

 取り敢えずちょろマカと動くので鉄アレイ等をドンドン落としていく。

 絨毯爆撃のように数十個落としていくと数個は当たり、完全に俺の方にヘイトが向き、当たったり落ちている鉄アレイを投げてきた。
 勿論これ位では殆どドラゴンにダメージは入らないだろうが、ヘイトを稼ぐ為の嫌がらせだ。

 ブオーンと近くを通っていくが、流石ドラゴンの膂力だ。
 ただ、片腕はニーナが切り落としたのか既にないので、避けるのは大して難しくなかった。

 ドラゴンはその場から殆ど動かなくなり、周辺の者は退避したと思う。
 もしまだいたとしたら運が悪かったと思う。
 町に多少被害が出てもここできっちり殺らないと更に多くの人が死ぬだろう。

「至急ドラゴンの側から退避せよ!今から殲滅するが、近くにいると巻き込まれる!20、19、18・・・」

 俺は拡声器にて叫びながらドラゴンからの反撃を躱しつつ、色々な物を落として注意を引きつける。

 慌てて何人かが逃げたので、少なくとも動ける者は逃げたと判断した。

 ひょっとしたら倒壊した家屋の下敷きになっている状態でまだ生きている者がいるかもだが、これ以上被害を出せないので、少し上に上がり4号岩を投下した。

 ドッゴーンー!との音と共にドラゴンが岩の下敷きになるも、経験値がまだ入らず、よく見ると首が見えていた。
 グラムで斬り落とそうとするも途中で引っ掛かり、グラムチャウターを出してもう1度斬り落とそうとするも、半ばまで斬り裂いた所で霧散した。

 しかし、今はちゃんと経験値が入った事が分かるので、間違いなく殺した。
 急ぎ岩を退けると魔石とトレジャーボックスが落ちているので、それを収納に入れ、拡声器にてニーナを呼んだ。
 また、グラム?が気の所為か大きくなったような気がするが、取り敢えず収納に入れた。

 するとどこからともなくニーナが現れた。

「アタイもレベルが上がったぜ!またエグい倒し方だねえ」

「まあな。これ以上被害を増やさない為に足止めし、せめて動ける奴の逃げる時間位は稼ぎたかったからな」

「これを収納に入れておいてね!」

 ニーナは建物の陰からドラゴンのだと思われる腕を出してきた。

「うお?!やっぱりニーナが落としたのか。ふう。皆無事か?それと他に襲撃してきているのは?」

「勿論無事だぜ!襲ってきたのは赤と青のドラゴンの2体と、後は元々町の周辺にいる魔物が破壊された防壁から入ってきているだけだぜ」

「ニーナ、案内を頼む」

「すぐ降りたいから抱っこで!」
 俺は頷き、アイリーンを背中に背負ってベルトで固定し、ニーナをお姫様抱っこで飛ぶ。
 今回は低空なのと緊急事態なので安全装備は端折ったが、取り急ぎ防壁の穴を塞がないと際限なく魔物が町に入ってくる。

 そうしてニーナの案内で現場に向かうが、ニーナは短い時間だが、お姫様抱っこを涙を流して堪能するのであった。
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