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第3章

第183話 捕縛

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 俺が対応しようとするも、ニーナが俺の前に立ち塞がる形で騎士に向き合った。

「貴様達何奴?身分を示せ!」

「アタイに聞いてんのか?アタイを見て誰か分からないなんて、あんた達真っ当な騎士じゃないね!?」

 クソ重そうなフルプレートメイルを着込んだ重騎士の方は剣ではなくメイスを構え、鎖帷子を着込んだ方はロングソードを抜いた。

「女あぁ!我らに歯向かうか!?名乗って我らに道を譲ればよいものを、歯向かった事を後悔させてやる!まあ良い、気が強そうだが別嬪じゃねえか!俺のxxで可愛がってやるぞ!」

「こら!、ロン!公爵様が先だぞ!絶対に殺すなよ!」

「そこの男!女に守られるなんて恥ずかしいぞ!この女は貴様の護衛か?よし、男も殺すなよ!こいつの目の前でこの女を犯してから喉を掻き切ってやる!」

「お前らアホか!ドルトン公爵の手下か?誰に楯突いているのかよく考えろよ。その気になれば1分もあれば、お前達全員を殺せるんだぞ!相手を見てからケンカを売れよ!」

 俺にいきなり剣を振ってきて、ニーナにはメイスを叩き込んできた。
 ほぼ予備動作のない一撃だが、勿論それは予測しているし、動きが遅いから余裕で対応だ。

 俺はグラムを出して剣を弾き、ニーナも剣でメイスを捌き、難なく初撃を処理した。
 一応初撃を繰り出すまでこちらからは手を出さない事にしていた。
 あっ!挑発は別ね!

「あーあ。攻撃しちゃったか。ニーナ、分かっていると思うけど、なるべく殺すなよ」

 ヒューン!

 風切り音がしたと思うと、俺に次の一手を繰り出し、肩から袈裟懸けに斬り掛かった奴は剣を持った手を弾かれ、剣が飛ばされた。
 アイリーンが俺にもう1度剣を振ろうとした奴を狙撃したようだ。
 手のひらを貫通とか見事過ぎるぞ!

 俺はグラムの腹で殴って気絶させたが、ニーナもまるで赤子の手をひねるように無力化していた。
 すぐにニーナのカラビナを俺のハーネスに引っ掛けるとお姫様抱っこで飛んだ。

 ニーナは驚いていたが、戦闘中にも関わらずうっとりと俺を見る。

「奴らを囲むから護衛を頼むよ」

「任せてくれ!ただ、押し当てるのは夜にして欲しいぞ!」

 ニーナに守りをお願いしつつ、馬車の上に行く。
 俺は何かを押し当てているのか?よく分からんな!

 栃郎の股間は戦闘の興奮でニョキニョキさんだった。あくまで戦闘の興奮だ。

 奴らは唖然としているので、大きな岩をどんどん出して、あっという間に囲ってやった。
 囲った中からは怒声がするも、岩の上に降りると俺とニーナはガスマスクを装着し、情け容赦なく穴を開けてから催涙スプレーを放り込む。

 俺達に矢を放つ者、放つのをを断念する者がいたが、矢はさくっとニーナが捌いてくれる。
 うん!最強の護衛だ。

 しかし催涙スプレーのガスが充満してくると皆さん涙を流し、ギャーという叫び声等が聞こえてくる。

 誰何して来た奴以外の全員を捕らえているのだが、その中にメイドを含む女性が数人含まれていたようで、女性の黄色い金切り声が聞こえて来た。

 俺は罪悪感を覚えつつ、俺達が乗っている岩を消した。

 そうすると、ゾンビのようにノロノロと何人かが出てくるので、その度に殴り倒し無力化していくまどろっこしいやり方ではあるが、確実に無力化する。

 なるべく殺さない為にこんなやり方を思いついたのだ。
 俺の無限収納には何でも入る。
 勿論生きている物以外はならばね。そう、こういう使い方もできるんだ。
 無限収納5段階活用の真骨頂だ。

 映画に出てくる催涙弾を発射できるガンが欲しかったので、アイリーンにポチってくれるようにお願いしたのだが、ポチれたのは催涙スプレーのみだった。

 どうもアイリーンが探す限り、麻酔銃や催涙弾の銃も、銃自体は手に入るのだが、弾の方がどうにもならなかったらしい。

 散弾やライフルの弾は十分に手に入るのだが、ガス系のものは手に入らない。ただし催涙スプレーは別だった。

 催涙スプレーに穴を開けるなんてまどろっこしいやり方をしているのはそのためだ。
 それもあり、ほどなくして公爵を始め非戦闘であるメイド達6名と5名の女性陣、護衛の者35名を捕縛できたのであった。
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