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第1章
第77話 挨拶
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執事服を着た40代後半の奴隷が会釈をした。
「お帰りなさいませ。御主人様、剣聖様。奥様を始め、皆様方大広間に集まっております。僭越ながらこの2名には屋敷の警護について貰い、御主人様がこれからされるお話について、私が後程内容を伝えようと思いますが如何されますか?」
「そうだね。玄関には施錠をして、その2人も話を聞いて欲しい。それに、まあ、誰も来ないだろう?」
執事に出迎えられ、彼の後を進み、皆が集まっている大広間へニーナを伴い向かう。
フリオールから聞いた奴隸についてだが、俺が思うような悪人という意味での犯罪奴隸はいないとの事だ。政治的な敗者側が犯罪奴隸とされている。
盗賊等の普通の日本人からすると犯罪者と思える者は1人もいなかった。大抵は経済的な理由から奴隷落ちになっていた。
レオンは初期評価として、奴隷のままにしておくべきと思うような者はいないとした。
「こちらでございます」
執事が扉を開けるとそこには大勢の人がいた。俺が戻ってきたのを見たアイリーンがニッコリしながら俺の腕を取ると、しがみつくかのように腕を組んできた。
「ご静粛に。御主人様からのご挨拶がございます。フリオール様から聞いているかと思いますが、この御方が我等の新たな御主人様となったレオン様にございます。レオン様、一言お願い申し上げます」
避けては通れない挨拶だ。
皆椅子に座り、俺を見ている。フリオールの家族や元々の使用人等の一部の者は奴隷ではないようだが、例外なく俺の方を見ている。
「俺が君達の主人となったレオンだ。今は能力が使えないが、いずれ使えるようになるはずだ。能力が戻り次第奴隷契約を解除し、君達を開放するつもりだ。ただ、どうも俺の能力は俺の奴隷である間は、俺以外から何をされても奴隷者自身の同意なしに主人が変えられないし、契約変更や解除が出来ない。つまり、悪意ある奴の奴隷にされてしまう事がなくなる。俺の能力が戻ったらまず君達の首輪を隷属紋に変更する。それと数日したら奴隷として扱わないつもりだ。今は混乱しているからそのままだけど、ごく一部の命令以外出さない。まずは、俺と俺のパーティーメンバーであるこのアイリーン、剣聖ニーナに対して悪意ある敵対行為を禁じる。それだけだ。俺への性的な奉仕は不要だし求めない。君達の貞操はこれから愛する者の為に取っておけ。もしも俺が体の関係を求めたら拒否する事を許可する。また、俺達から暴力を振るわれたら自衛を認める。つまり、俺達3人に敵対行為さえしなければ基本的に自由だ。ただ、取り敢えず俺や君達の住まう屋敷を購入したから、当面の間は屋敷で生活する事になる。ここまでで質問はあるか?」
ざわめきが起こる中、1人の女性が手を上げたので俺は頷いた。眼を見張る美人だ。腰まである金髪ロングで後ろ姿も美人だろう。俺が頷くと立ち上がったが、この場に似つかわしくない上品な佇まい。この人の隣や近くにいる3人は大人の女だ。つい胸元に目が行くが、でかい。ハチキレンばかりのけしからんボディーの持ち主だが、なるほど、この4人が例の戦闘奴隷のうち、報奨用奴隷として販売を禁止されていた者達か。160cm、痩せ型、典型的な美人顔だな。顔はお人形さんのように整い過ぎている。
「はじめまして。私は、エンピアルと申します。発言を許可して頂き感謝します。私を始め大半の奴隷の女性は性奴隷として教育されており、他の生き方が分かりません。御主人様、つまりレオン様の女として尽くすのだと思っておりましたが、本当に私達をお抱きにならないので?」
「俺の隣りにいるアイリーンに嫌われるような事をしたくない。勿論抱かないよ。新たな生き方を探そう。職を身につけるも良いし、その為に協力するよ。ただ、当面は戦闘が出来なかったり、やりたくない者は屋敷の使用人として働いて貰いたい。戦闘可能者はパーティーを組んで冒険者活動をして、徐々に独り立ちして貰いたい。ただし一部の男性で、特に顔付きが厳つい者や、体の大きい者については屋敷の警護として雇いたい。見た目で判断をしたくはないが、屋敷の護衛となると、実力よりも見た目重視にならざるを得ない。勿論給金は弾む。元々奴隷の中に執事とメイドがいるから、その者達を中心かな。それと、フリオールが連れてきた使用人達も雇おう。今後の身の振り方はともかくね。まあ、お金はある。教育中だった子供達は真っ当な事を学ぶ機会を与えたい。ニーナ、王都には魔法学園とかあるんだっけ?」
「有るぜ」
「だそうだ」
「有り難うございます。私個人は魔法を得意としておりますので、戦闘可能者として、出来る事をしたいと思いますが、御主人様の冒険者パーティーに入る事は可能でしょうか?」
魔法を得意とする者は有り難い。
アイリーンとニーナは頷いた。
「分かった。俺達も3人では心許なかったから宜しくな。それと、取り敢えず寝る部屋を見繕い、一度休もう。今日と明日の食事の方は、さっきジャック氏にお願いしたから、今日と明日は心配ない。これから一人ずつ面談をして希望を聞きたい。その前にフリオール、執事さん、少し良いか?他の者は少し待機していてくれ。トイレに行きたい者は順次行ってくれ」
この屋敷の2階は小さな部屋が集まっている。
ニーナ、アイリーン、フリオール、先程の執事を別室に連れていき、大雑把な部屋割りについて話し合うのだった。
「お帰りなさいませ。御主人様、剣聖様。奥様を始め、皆様方大広間に集まっております。僭越ながらこの2名には屋敷の警護について貰い、御主人様がこれからされるお話について、私が後程内容を伝えようと思いますが如何されますか?」
「そうだね。玄関には施錠をして、その2人も話を聞いて欲しい。それに、まあ、誰も来ないだろう?」
執事に出迎えられ、彼の後を進み、皆が集まっている大広間へニーナを伴い向かう。
フリオールから聞いた奴隸についてだが、俺が思うような悪人という意味での犯罪奴隸はいないとの事だ。政治的な敗者側が犯罪奴隸とされている。
盗賊等の普通の日本人からすると犯罪者と思える者は1人もいなかった。大抵は経済的な理由から奴隷落ちになっていた。
レオンは初期評価として、奴隷のままにしておくべきと思うような者はいないとした。
「こちらでございます」
執事が扉を開けるとそこには大勢の人がいた。俺が戻ってきたのを見たアイリーンがニッコリしながら俺の腕を取ると、しがみつくかのように腕を組んできた。
「ご静粛に。御主人様からのご挨拶がございます。フリオール様から聞いているかと思いますが、この御方が我等の新たな御主人様となったレオン様にございます。レオン様、一言お願い申し上げます」
避けては通れない挨拶だ。
皆椅子に座り、俺を見ている。フリオールの家族や元々の使用人等の一部の者は奴隷ではないようだが、例外なく俺の方を見ている。
「俺が君達の主人となったレオンだ。今は能力が使えないが、いずれ使えるようになるはずだ。能力が戻り次第奴隷契約を解除し、君達を開放するつもりだ。ただ、どうも俺の能力は俺の奴隷である間は、俺以外から何をされても奴隷者自身の同意なしに主人が変えられないし、契約変更や解除が出来ない。つまり、悪意ある奴の奴隷にされてしまう事がなくなる。俺の能力が戻ったらまず君達の首輪を隷属紋に変更する。それと数日したら奴隷として扱わないつもりだ。今は混乱しているからそのままだけど、ごく一部の命令以外出さない。まずは、俺と俺のパーティーメンバーであるこのアイリーン、剣聖ニーナに対して悪意ある敵対行為を禁じる。それだけだ。俺への性的な奉仕は不要だし求めない。君達の貞操はこれから愛する者の為に取っておけ。もしも俺が体の関係を求めたら拒否する事を許可する。また、俺達から暴力を振るわれたら自衛を認める。つまり、俺達3人に敵対行為さえしなければ基本的に自由だ。ただ、取り敢えず俺や君達の住まう屋敷を購入したから、当面の間は屋敷で生活する事になる。ここまでで質問はあるか?」
ざわめきが起こる中、1人の女性が手を上げたので俺は頷いた。眼を見張る美人だ。腰まである金髪ロングで後ろ姿も美人だろう。俺が頷くと立ち上がったが、この場に似つかわしくない上品な佇まい。この人の隣や近くにいる3人は大人の女だ。つい胸元に目が行くが、でかい。ハチキレンばかりのけしからんボディーの持ち主だが、なるほど、この4人が例の戦闘奴隷のうち、報奨用奴隷として販売を禁止されていた者達か。160cm、痩せ型、典型的な美人顔だな。顔はお人形さんのように整い過ぎている。
「はじめまして。私は、エンピアルと申します。発言を許可して頂き感謝します。私を始め大半の奴隷の女性は性奴隷として教育されており、他の生き方が分かりません。御主人様、つまりレオン様の女として尽くすのだと思っておりましたが、本当に私達をお抱きにならないので?」
「俺の隣りにいるアイリーンに嫌われるような事をしたくない。勿論抱かないよ。新たな生き方を探そう。職を身につけるも良いし、その為に協力するよ。ただ、当面は戦闘が出来なかったり、やりたくない者は屋敷の使用人として働いて貰いたい。戦闘可能者はパーティーを組んで冒険者活動をして、徐々に独り立ちして貰いたい。ただし一部の男性で、特に顔付きが厳つい者や、体の大きい者については屋敷の警護として雇いたい。見た目で判断をしたくはないが、屋敷の護衛となると、実力よりも見た目重視にならざるを得ない。勿論給金は弾む。元々奴隷の中に執事とメイドがいるから、その者達を中心かな。それと、フリオールが連れてきた使用人達も雇おう。今後の身の振り方はともかくね。まあ、お金はある。教育中だった子供達は真っ当な事を学ぶ機会を与えたい。ニーナ、王都には魔法学園とかあるんだっけ?」
「有るぜ」
「だそうだ」
「有り難うございます。私個人は魔法を得意としておりますので、戦闘可能者として、出来る事をしたいと思いますが、御主人様の冒険者パーティーに入る事は可能でしょうか?」
魔法を得意とする者は有り難い。
アイリーンとニーナは頷いた。
「分かった。俺達も3人では心許なかったから宜しくな。それと、取り敢えず寝る部屋を見繕い、一度休もう。今日と明日の食事の方は、さっきジャック氏にお願いしたから、今日と明日は心配ない。これから一人ずつ面談をして希望を聞きたい。その前にフリオール、執事さん、少し良いか?他の者は少し待機していてくれ。トイレに行きたい者は順次行ってくれ」
この屋敷の2階は小さな部屋が集まっている。
ニーナ、アイリーン、フリオール、先程の執事を別室に連れていき、大雑把な部屋割りについて話し合うのだった。
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