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第3章

第185話 呪い

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 明日香さんが先ず動いた。
 手元にあるスマホを操作しだしたんだ。

 皆の方を見て頷く。

「斗枡さん、あの、そのね、今のね、そのね、私のファーストキスなの!皆の前で少し恥ずかしかったけど、嬉しかったの!それと、私の事は響子って呼んでね!あっ!きょーちゃんでも良いわ!その、不束者ですが宜しくお願いします!」

 皆がパチパチと拍手をする。

 でも僕はナイフの刃を出したり引っ込めたりしていたんだ。

「と、斗枡、良かったわね!また美人が彼女になって!でもいきなり押し倒したらだめよ!ちゃんとデートをしてからよ!」

「あのう?これは何なのか誰か説明してほしいなあ・・・」

「そ、そんなのどうでも良いじゃないの!子供は授かりものだけど、私達は貴方を純粋に慕っているんだからね!」

 僕はたじたじになった・・・
 仕掛けナイフの事は結局有耶無耶にされたけど、僕の今の現状を知ってのことだから良いのかな?

 響子さんから聞いたのは、例の通称種馬制度を使って性欲を満たすことをしないから余計好きになったと、好きだと真正面から言われ拒否できなかった。

 もちろんナイフは僕を落とす作戦のひとつだったけど、正直な話しとして競争率が高いから小細工をしたと言っていた。
 そんなことをしなくても、表面から来たらサクッと落ちたんだけど、歳上なのもあり見向きもされていないと危機感を覚えたと、それでしなくても良い小細工をしたのだとか。

 僕の最近の行動がこの小細工?をしなければと決断させてしまったようなんだ。

 思い当たる節は多々ある。
 1年生の女子から、先輩!と言われ囲まれると僕は鼻の下を伸ばしでいて、寝所に潜り込むことまで考える程追い込まれていたのだとか。

 それほど今の僕は以前と変わっていたのだと思う。

 華乃会とやらの一員に迎えられたそうだ。

 そしてその晩、僕は響子さんと床を共にした。
 そう、翌日は朝ちゅんだったんだけど、やってません!
 響子さんと真澄ちゃんの歓迎会とかで、それは盛大な酒盛りになったんだ。
 これノンアルだから!とノンアルコールのビールを買ってきていたんだど、誰かがちゃんと見ずにグラスに注ぎ、僕はそれを飲んだんだけど、グラス一杯で意識をなくしたんだ。

 で、響子さんが僕の介助と称して一緒に寝たんだ。
 そしてこの頃を境に殆どラビリンスへ入る事がなくなった。
 何故ならラビリンスに入ると、外に出ると例外なく理性をなくし、女をかなり乱暴に犯してしまうような呪いに犯されたからだ。
 最初の犠牲者は響子さんで、僕が響子さんを抱いたのはこの時が始めてだった。

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