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第129話 襲撃

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 俺達はリリアナさんと一緒に魔法学校へ向かっており、馬車は草原から森林へと入っていった。
 森林は静かで美しいところではあるが、魔物の多発地帯であり危険を孕んでいる場所でもある。

「セルカッツ殿、この森林は魔物が多く出没するそうですよ」

 護衛隊長である騎士が俺達に言ったが、今の彼は馬車の御者を務めている。
 雇った御者がいるが、ここは危険が多く、一時的に手練れが御者を変わる契約を取り交わしており、リリアナさんの部下の中では彼が番だろう。

「魔物ですか?どんな魔物が出るのですか?」

「オオカミやクマやトカゲや蛇型などですね。ほとんどの魔物の例に漏れず、人間を好んで襲う奴が多くいます」

「そうですか・・・それは怖いですね」

「心配しなくても大丈夫ですよ。私達は騎士団の精鋭ですから、魔物など敵ではありません」

 隊長の騎士は自信満々に言った。  彼は剣と盾を持っており、勇ましい姿だった。

「それでも油断は禁物ですよ」

 リリアナさんがピシャリと言った。  彼女は馬車の中で俺達と一緒に座っており、剣と弓を持っていた。

「この森林では予測不能なことが起こることもありますから、常に警戒してください」

「分かりました、リリアナ様」

 隊長の騎士はリリアナさんに敬意を表していたが、彼はリリアナさんを尊敬している以上の感情を持ち合わせているようだった。

 俺達もリリアナさんに従って、魔物に備えた。俺は剣と魔法を使えるし、ハーニャは弓と魔法が得意だし、ネイリスはナイフと魔法を使える。メイヤは槍と魔法を使える。 
 それにタニスはバトルメイジだ。
 そしてヨルミクルは刀使いで、イザベルは仮面を装着していればバリバリのタンクになる。
 俺達は戦闘力が高いと思う。

 しかし・・・その時、突然馬車が揺れた。

「なんだあれは!?」

 隊長である騎士が叫んだ。
 俺達は窓から外を見ると、そこには巨大な影が見えた。

「あれは・・・」

 リリアナさんが息をのんだ。  俺達も驚いて目を見張った。

 そこにいたのは、木々よりも高く、馬車よりも大きい、翼と爪と牙を持つ、赤黒い鱗で覆われた恐ろしい姿の生き物だった。

「ドラゴンだ!!」

 騎士隊長が叫ぶと同時に馬車から飛び降り、剣を構えた。

「皆さん、降りてください!この魔物とた、戦います!」

「分かりました!」

 俺達も馬車から飛び降りると武器を構えて魔法を準備していったが、その前にドラゴンは俺達に向かって咆哮した。

「ギャオオオオオオオ!」

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