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第57話 想定外の事態
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大会5日目は団体戦予選のみだった。
決勝トーナメントは8チームによる戦いだ。
氷艶の魔眼
白狼の牙
乙女の咆哮
筋肉達磨
ベヒモス団
ドラゴンの魂
獣の息吹
黒き薔薇
この組み合わせとなった。
予選後に賭けが開始だ。
1位予想
1位と2位連勝式
1位と2位複勝式
ただ、黒き薔薇と氷艶の魔眼の複勝式はオッズが1.1倍と最低で、他はこの2つを絡めたのを中心になり、他は殆ど売れていないそうだ。
俺は今回賭けていない。
前日たんまり稼いだから。
今回賭けてもオッズが低く、旨味がない。
まあ大本命は2チーム。
試合毎にこの2チームは勝敗は受け付けておらず、相手が1勝するか、2勝するか、やはり1勝すら出来ないかや、どの戦いで金星が出るかしか賭けが成立しないので、胴元は涙を流しているそうだ。
今回のように1つのチームに強者が集まる事は過去に何度があったが、2つのチームが独占している事はなかった。
また、奴隷を賭けた勝負をしている事も話題となり、盛り上がりを見せた。
そうして賭けが始まった。
今日と明日は軟禁状態だ。
八百長をおそれ、闘技場から宿までは護衛付きで、宿の各所に歩哨が立つ。
皆のレベルは徐々に上がっているから、日数が進むほど俺達の勝率は確実に上がる。
因みにミジックルとヨルミクルのパーティーは獣の息吹だ。
正直勝ち目は薄い。
何とか5人にしたようだけど、頭数のみ揃えて来た感じだ。
予選を勝ち抜いた事から、少く共3人のうち1人はそれなりに腕が立つはずだ。
組み合わせを確認した後宿に引き上げ、明日に備えて早々に寝た。
・
・
・
夜中に胸騒ぎがして目が覚めた。
隣で寝息を立てるメイヤは上半身裸だ。
俺は良いが、ネイリスがいるんだから止めて欲しいが、俺はそんな彼女の目的を知っているからこそ何もしない。
ただ、今はシャツを取り強引に着せた。
目が覚め掛けたようだ。
「セル様そんなところでおしっこをしてはなりません・・・フニャ?」
どんな夢を見ているのか、口を押さえ、俺の口に指でしーとジェスチャーをした。
少しするとドアがそっと開き、数人が入って来た。
そいつ等はナイフを抜いて振り上げると、一斉に俺達が使っているはずのベッドに突き刺した。
しかし、手応えから顔を見合わせる。
俺は皆を起こし、布団の中に毛布やらを入れて膨らみを作り、そこで寝ている感を出した。
暗いから膨らみ方まで分からなかっただろうが、俺達は使われていないベッドの脇にしゃがんで様子を見ていた。
俺はフラッシュを使うと言ってあり、立ち上がる。
「何者だ?」
そう告げ、俺の方に注意を向けフラッシュを発動した。
俺から眩い光が発せられ、闖入者はモロに見てしまう。
咄嗟にベッドから躍り出て近くの奴に蹴りを入れ、一瞬で意識を刈り取る。
そして皆も躍り出て、目を押さえる奴らを制圧していった。
あっという間だった。
皆は俺の言いつけを守り、ちゃんと目を瞑っていた。
だが、敵はそうではない。
暗闇の中、いきなり眩い光に襲われ視界がなくなった。
パニックになっただろう。
そこにずっと目を瞑っていたメイヤ達が踊り掛かった。
俺もメイヤ達も暗闇に慣れ、片や敵は視界を奪われた。
なのであっという間に制圧した。
ただ、殴ったり倒したりしたからかなりの音が出た。
そして縛り上げているとドアをノックされ、兵士が心配そうに見ていた。
「何か有りましたか?」
俺の肩越しに縛られて床に転がされている奴らの姿を見て驚いていた。
「これから尋問をするから暫く掛かる。コイツラに襲われたんだ」
俺はランプを灯け、ベッドに突き刺さっているナイフの方へ顎をシャクリ認識させた。
「こ、これは?」
「いきなりだよ。音も少く手慣れているから何処かの暗殺者だろうさ。さて、襲撃目的は何かな?」
「こ、これは我らの警護が意味をなさなかったのでしょうか?」
「さあ。何処かに侵入経路があるんだろうさ。屋根とか、何処かの部屋とか。ひょっとしたら殺られた奴もいるかもね。調べた方が良いと思うけどね」
「わ、分かりました。本部に増援を要請します。その後こ奴らを引き渡してもらいたいので宜しくお願いします」
「うん。それまでに尋問は大丈夫だと思うよ」
兵士が出て行くと警戒をお願いし、尋問を開始するのだった。
決勝トーナメントは8チームによる戦いだ。
氷艶の魔眼
白狼の牙
乙女の咆哮
筋肉達磨
ベヒモス団
ドラゴンの魂
獣の息吹
黒き薔薇
この組み合わせとなった。
予選後に賭けが開始だ。
1位予想
1位と2位連勝式
1位と2位複勝式
ただ、黒き薔薇と氷艶の魔眼の複勝式はオッズが1.1倍と最低で、他はこの2つを絡めたのを中心になり、他は殆ど売れていないそうだ。
俺は今回賭けていない。
前日たんまり稼いだから。
今回賭けてもオッズが低く、旨味がない。
まあ大本命は2チーム。
試合毎にこの2チームは勝敗は受け付けておらず、相手が1勝するか、2勝するか、やはり1勝すら出来ないかや、どの戦いで金星が出るかしか賭けが成立しないので、胴元は涙を流しているそうだ。
今回のように1つのチームに強者が集まる事は過去に何度があったが、2つのチームが独占している事はなかった。
また、奴隷を賭けた勝負をしている事も話題となり、盛り上がりを見せた。
そうして賭けが始まった。
今日と明日は軟禁状態だ。
八百長をおそれ、闘技場から宿までは護衛付きで、宿の各所に歩哨が立つ。
皆のレベルは徐々に上がっているから、日数が進むほど俺達の勝率は確実に上がる。
因みにミジックルとヨルミクルのパーティーは獣の息吹だ。
正直勝ち目は薄い。
何とか5人にしたようだけど、頭数のみ揃えて来た感じだ。
予選を勝ち抜いた事から、少く共3人のうち1人はそれなりに腕が立つはずだ。
組み合わせを確認した後宿に引き上げ、明日に備えて早々に寝た。
・
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夜中に胸騒ぎがして目が覚めた。
隣で寝息を立てるメイヤは上半身裸だ。
俺は良いが、ネイリスがいるんだから止めて欲しいが、俺はそんな彼女の目的を知っているからこそ何もしない。
ただ、今はシャツを取り強引に着せた。
目が覚め掛けたようだ。
「セル様そんなところでおしっこをしてはなりません・・・フニャ?」
どんな夢を見ているのか、口を押さえ、俺の口に指でしーとジェスチャーをした。
少しするとドアがそっと開き、数人が入って来た。
そいつ等はナイフを抜いて振り上げると、一斉に俺達が使っているはずのベッドに突き刺した。
しかし、手応えから顔を見合わせる。
俺は皆を起こし、布団の中に毛布やらを入れて膨らみを作り、そこで寝ている感を出した。
暗いから膨らみ方まで分からなかっただろうが、俺達は使われていないベッドの脇にしゃがんで様子を見ていた。
俺はフラッシュを使うと言ってあり、立ち上がる。
「何者だ?」
そう告げ、俺の方に注意を向けフラッシュを発動した。
俺から眩い光が発せられ、闖入者はモロに見てしまう。
咄嗟にベッドから躍り出て近くの奴に蹴りを入れ、一瞬で意識を刈り取る。
そして皆も躍り出て、目を押さえる奴らを制圧していった。
あっという間だった。
皆は俺の言いつけを守り、ちゃんと目を瞑っていた。
だが、敵はそうではない。
暗闇の中、いきなり眩い光に襲われ視界がなくなった。
パニックになっただろう。
そこにずっと目を瞑っていたメイヤ達が踊り掛かった。
俺もメイヤ達も暗闇に慣れ、片や敵は視界を奪われた。
なのであっという間に制圧した。
ただ、殴ったり倒したりしたからかなりの音が出た。
そして縛り上げているとドアをノックされ、兵士が心配そうに見ていた。
「何か有りましたか?」
俺の肩越しに縛られて床に転がされている奴らの姿を見て驚いていた。
「これから尋問をするから暫く掛かる。コイツラに襲われたんだ」
俺はランプを灯け、ベッドに突き刺さっているナイフの方へ顎をシャクリ認識させた。
「こ、これは?」
「いきなりだよ。音も少く手慣れているから何処かの暗殺者だろうさ。さて、襲撃目的は何かな?」
「こ、これは我らの警護が意味をなさなかったのでしょうか?」
「さあ。何処かに侵入経路があるんだろうさ。屋根とか、何処かの部屋とか。ひょっとしたら殺られた奴もいるかもね。調べた方が良いと思うけどね」
「わ、分かりました。本部に増援を要請します。その後こ奴らを引き渡してもらいたいので宜しくお願いします」
「うん。それまでに尋問は大丈夫だと思うよ」
兵士が出て行くと警戒をお願いし、尋問を開始するのだった。
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