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第9話 新しい名前

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 元のギフトとスキル、偽の身分証の内容はこうだ。
 あくまで身分証となるライブラリーカードの内容で、名前より下の内容が記載されるがレベルの表記はない。


セルカッツ
レベル 2
ギフト 【光】 
隠れギフト【女神の祝福】
スキル  【ライト】
隠れスキル 【レベルアップ 2】
名前 ライ
年齢 15歳
職業 初級冒険者
ジョブ 戦士

メイヤ
レベル 1
ギフト 【槍姫】 
スキル 【身体能力向上 1】
名前 シーナ
年齢 14歳
職業 初級冒険者
ジョブ 戦士


タニス
レベル 1
ギフト 【草】 
スキル【鑑定 1】
名前 リリア
年齢 16歳
職業 初級冒険者
ジョブ 初級魔法使い
 

ハーニャ
レベル 1
ギフト 【交渉者】 
スキル【真言 1】
名前 アリス
年齢 14歳
職業 初級冒険者
ジョブ 弓使い

 職業欄は各ギルドから認定された職業だ。
 商人だと初級商人とあり、店舗を持たぬ者がそうなる。
 ジョブはスキルや能力等に影響のある項目で、現在の俺にはジョブが無い。
 ゲームだと大器晩成型に多く序盤は辛いが、後半にチート級の能力を得られる。
 だが、現実世界でも時折いるのだが、残念ながら目先の事しか見ない為に無能者扱いだ。

 メイヤは良い。
 ジョブが戦士で、本人のギフトが槍だ。
 俺の方だが、戦闘系のスキルにないものの幼い頃より剣術の修行をしてきたので、まあ戦士として通用する。
 ジョブは後から変えれば良い。
 ゲームと同じならば少なくとも何のジョブに就けるか俺には分かる。

 本来冒険者ギルドか神殿に行かないとジョブチェンジは出来ないのと、レベルが10を超えると基本職から上級のジョブへとジョブチェンジ出来るようになる。
 冒険者ギルドにて登録する時にジョブが記録される。
 戦闘系は皆戦士だ。

 ただ、このカードの持ち主達はレベルが10に満たなかったのか、ジョブチェンジが出来なかったのか?

 ジョブチェンジをすると新たなスキルを得られたりする。
 しかしゲームと同じだとすると、パーティーメンバーに対して俺の持つギフト【光】にてジョブチェンジが可能だ。

 このカードの持ち主に成りすますのは国を出るまでだ。

ただ、このスキルの困った所はおでことおでこを当てていないと使えない事だ。
 メイヤは良いのだがハーニャとタニスはそうではない。
 今までほとんど接点がないのだ。
 俺は美少女と顔が近くて恥ずかしいだけだが、2人はいきなりキスをされないか?とか怖がるだろう。
 妾でもとか言っているのは父や弟よりはまともな扱いをする奴だと思っただけに違いない。

 俺もそうだが、殆どの男は女に対し独占欲を持つ。
 特に尽くしてくれる女に弱い。
 あくまで2人については、己が生きる道を俺に求めざるを得ないからだろう。
 恋心ではない。
 そんな女に股を開かれてもあまり嬉しくない。

 俺が欲しいのは体ではなく本物の愛だ。

 短時間だが、色々試すも結局ゲームと違いパラメーターは見えなかった。
 その代わり使える魔法が分かった。

 3人に試したが、現状ある程度教るだけで魔法が使えそうなのはタニスだけで、自然魔法が使えるようだがまだ魔法を覚えてはいない。

 ハーニャは水が使え、現状だと水魔法が1番得意だ。
但し、現状は魔法を覚えていないから使えない。
 問題は2人の見た目の年齢だ。
 タニスの方が大人びて見える。

 この世界も1年は12ヶ月なのだが、今は12月の末。
 タニスとハーニャではタニスの方が11ヶ月お姉さんで、もうすぐ15歳になる。
 だから16歳の身分にする。
 逃走を始めるまでに魔法を教えるのは1人が限界だ。
 だからタニスから先に魔法を使えるようにする必要がある。

 ハーニャは弓使いだが、俺が魔法をタニスに教えている時にメイヤが教えるのが良いだろう。
 メイヤを始め3人は侍女として剣の稽古をつけられており、多少は使える。
 だが、メイヤは槍を知らない。
 ギフトの関係から基本だけでも仕込まないとだ。

 俺はひと通りの武器について基本を教えられている。
 これは貴族たる者、何処で襲われるか分からず、自衛の為に敵の武器や手近な武器、死んだ者から得た武器を使う事を想定している。
 槍は勿論投擲や食事に使うナイフやフォーク、はたまた包丁や鍋等をどうやって武器にするかも基本的な事を教えられている。

 そうして新たなカードを俺のギフト【光】で使えるようにする。
 先ずは今までのカードを体から出し、新たなカードを体内に取り込む。
 そしてそのカードを出し、本来のカードを体内に取り込み、死んだ者達のカードを取り込んだ。
 実はこれによりダブルジョブが可能となり、鑑定などで盗み見られるのは後から取り込んだカードのみとなる。

 これも【光】の力だ。
ゲーム知識だとギフト【光】はこの世界を管理する神の力で、チートなはずだが最序盤は泣くしかない。

 なので幼少より準備をしてきた。
俺は出した荷物をメイヤとハーニャに預け串焼きを皆で食べ、露店で買ってきたパンを食べた。

 取り敢えず体を綺麗にしたいので風呂にお湯を貯める。
 風呂と言っても人が1人入るのが精一杯で、樽に近い形をしている。
今の俺は全属性の魔法が使えるとは言え、基本的に初級までだ。

 攻撃に使えるのはファイヤーボールとウインドカッター位だ。
その他は目立つので練習していない。
 ただ、ウォーターとファイヤーの合成魔法でお湯を出すホットが行けるので、湯船にお湯を張り風呂の準備に入るのだった。
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