97 / 117
第2章
第97話 プロポーズ
しおりを挟む
その日俺は己の行動を呪った。いや、魔物を呪った。また、部屋に入ってから少し横になったらうとうとしていて、飲み物を取りに行ってくれていたシスティーナが戻ってきて起こされたのだ。
それから先程システィーナに抱きついていた時にちゃんと話した?のだ。
「ああ!生きている。俺はあんな姿の君を見たくない。俺がずっと守ってやる!だから俺より先に死ぬな!」
「トニー様、熱烈なプロポーズお受けいたしますわ。私ね、こう見えても尽くす方なのよ」
?今プロポーズを受け入れると言ったか?あれ?プロポーズになっとるんか?この人こんなんで良いんか?まだ会ってから日がそんなに経っていないが?でも嬉しい。
「システィーナ、俺の事を好きなのか?」
「今更何をおっしゃるのですか?幼き頃に夢に見ていてずっとお慕い申し上げておりました。ひと目見た時に現実の事だったんだと嬉しかったのですわ」
「それなら良いんだ。お義父さんとお義母さんに君を娶ってくれと言われたから、てっきり人身御供として俺に捧げられるのかと心配していたんだ」
「出来ましたら、今すぐに娶って頂きたいのです」
「何故だ?正式な婚約でも良いと思うんだけど、システィーナもそうだけど、何を焦っているんだ?」
「はい。本当はもう少し時間を掛けて婚約の儀式を始め、各種の儀式をきちんとしたっかたのですが時間が無いのです」
「何があった?」
「北のベイルランド帝国の皇帝が、私を側室に寄越せと使者を送ってきており、明日が返答の期限なのです。トニー様の妻にして頂くのが私の望みです。彼の者は人妻には興味がないというのです。彼の者の理屈ですと、行き遅れを引き取ってやるから有り難く思えと。差し出さねば攻めてやると。しかし、回避する方法はなくはないのです。母上達は知らないのです。知っていれば今頃使者が死者になっています」
「そいつをぶん殴ってやる!人の女に手を出そうと言うんだ、売られた喧嘩は買うぞ!」
「君を敵に回そうとしている訳ではないと思うわ。私が君に愛される。そうすれば諦めるわ。私は本気よ。レイラもアイハも私が先になる事を了承しているのよ。それより君はどうやってキャサリンを落としたの?」
「なんでここであいつの名前が出るんだ?ま、まさか俺に惚れたのか?」
「あの子に聞きなさい。改めて聞くわよ。貴方は私を妻にしたいの?したくないの?貴方の本心が聞きたいの」
俺は答えの代わりにその唇を俺の唇で塞いだ。
「これが答えだ」
「ちゃんと言って」
「お前を愛している。俺の妻になれ!」
俺は戦いの後の興奮もあり、普段と違った。
「はい。私はトニーを愛しています。嬉しいわ!」
その後何を話したか覚えていなかった。彼女への気持ちはあの死に様を見た時の怒りで愛していると気が付いてしまった。勿論スラナシスカに気持ちを増幅されていて、スラナシスカの手のひらの上だったが、どうでもよかった。
帝国の話はヘタレの俺の決断を早めるだけだった。そして2人だけの甘い時間を過ごしていたが、部屋の空間に歪みが生じている事に気が付かなかったのであった。
それから先程システィーナに抱きついていた時にちゃんと話した?のだ。
「ああ!生きている。俺はあんな姿の君を見たくない。俺がずっと守ってやる!だから俺より先に死ぬな!」
「トニー様、熱烈なプロポーズお受けいたしますわ。私ね、こう見えても尽くす方なのよ」
?今プロポーズを受け入れると言ったか?あれ?プロポーズになっとるんか?この人こんなんで良いんか?まだ会ってから日がそんなに経っていないが?でも嬉しい。
「システィーナ、俺の事を好きなのか?」
「今更何をおっしゃるのですか?幼き頃に夢に見ていてずっとお慕い申し上げておりました。ひと目見た時に現実の事だったんだと嬉しかったのですわ」
「それなら良いんだ。お義父さんとお義母さんに君を娶ってくれと言われたから、てっきり人身御供として俺に捧げられるのかと心配していたんだ」
「出来ましたら、今すぐに娶って頂きたいのです」
「何故だ?正式な婚約でも良いと思うんだけど、システィーナもそうだけど、何を焦っているんだ?」
「はい。本当はもう少し時間を掛けて婚約の儀式を始め、各種の儀式をきちんとしたっかたのですが時間が無いのです」
「何があった?」
「北のベイルランド帝国の皇帝が、私を側室に寄越せと使者を送ってきており、明日が返答の期限なのです。トニー様の妻にして頂くのが私の望みです。彼の者は人妻には興味がないというのです。彼の者の理屈ですと、行き遅れを引き取ってやるから有り難く思えと。差し出さねば攻めてやると。しかし、回避する方法はなくはないのです。母上達は知らないのです。知っていれば今頃使者が死者になっています」
「そいつをぶん殴ってやる!人の女に手を出そうと言うんだ、売られた喧嘩は買うぞ!」
「君を敵に回そうとしている訳ではないと思うわ。私が君に愛される。そうすれば諦めるわ。私は本気よ。レイラもアイハも私が先になる事を了承しているのよ。それより君はどうやってキャサリンを落としたの?」
「なんでここであいつの名前が出るんだ?ま、まさか俺に惚れたのか?」
「あの子に聞きなさい。改めて聞くわよ。貴方は私を妻にしたいの?したくないの?貴方の本心が聞きたいの」
俺は答えの代わりにその唇を俺の唇で塞いだ。
「これが答えだ」
「ちゃんと言って」
「お前を愛している。俺の妻になれ!」
俺は戦いの後の興奮もあり、普段と違った。
「はい。私はトニーを愛しています。嬉しいわ!」
その後何を話したか覚えていなかった。彼女への気持ちはあの死に様を見た時の怒りで愛していると気が付いてしまった。勿論スラナシスカに気持ちを増幅されていて、スラナシスカの手のひらの上だったが、どうでもよかった。
帝国の話はヘタレの俺の決断を早めるだけだった。そして2人だけの甘い時間を過ごしていたが、部屋の空間に歪みが生じている事に気が付かなかったのであった。
12
お気に入りに追加
400
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
龍騎士イリス☆ユグドラシルの霊樹の下で
ウッド
ファンタジー
霊樹ユグドラシルの根っこにあるウッドエルフの集落に住む少女イリス。
入ったらダメと言われたら入り、登ったらダメと言われたら登る。
ええい!小娘!ダメだっちゅーとろーが!
だからターザンごっこすんなぁーーー!!
こんな破天荒娘の教育係になった私、緑の大精霊シルフェリア。
寿命を迎える前に何とかせにゃならん!
果たして暴走小娘イリスを教育する事が出来るのか?!
そんな私の奮闘記です。
しかし途中からあんまし出てこなくなっちゃう・・・
おい作者よ裏で話し合おうじゃないか・・・
・・・つーかタイトル何とかならんかったんかい!
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
俺だけ成長限界を突破して強くなる~『成長率鈍化』は外れスキルだと馬鹿にされてきたけど、実は成長限界を突破できるチートスキルでした~
つくも
ファンタジー
Fランク冒険者エルクは外れスキルと言われる固有スキル『成長率鈍化』を持っていた。
このスキルはレベルもスキルレベルも成長効率が鈍化してしまう、ただの外れスキルだと馬鹿にされてきた。
しかし、このスキルには可能性があったのだ。成長効率が悪い代わりに、上限とされてきたレベル『99』スキルレベル『50』の上限を超える事ができた。
地道に剣技のスキルを鍛え続けてきたエルクが、上限である『50』を突破した時。
今まで馬鹿にされてきたエルクの快進撃が始まるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる