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第2章
第75話 準備
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そのダンジョンは20階層で打ち止めで、コアの位置が分かっている。だが、破壊が出来ないし、持ち出すにはデカ過ぎる。
時折スタンピードが発生する危険なダンジョンで、魔物の間引きが追い付かず数百年前に封印した。今の封印はシスティーナが管理している。姫騎士団というのはダンジョンを管理をする団体でもある。基本的には入り口の封印に誰かが毎日魔力を僅かに送り、システィーナ等の王族が月に一度気絶するまで魔力を流さないと封印が維持できない。
そろそろこの不毛なダンジョン管理から開放されたいと、国王は常々思っていたのだ。
大したドロップが出ないのに、魔物は厄介なのだ。危険度が高い割に実入りが悪く、誰も入りたがらないダンジョンだった。
アイハもレイラも問題ないという。因みにシスティーナは掃除人ではないので、入る力も気概もない。しかも封印を解除した後、結界を張る為の依代になる必要からダンジョン入口から50mも離れられなくなる。
トニー達も野営が必須だ。その準備が必要なので、1週間後にスタートとなった。また、システィーナが過ごす為の仮設の住まいも必要だ。
ただ、この日は旅の疲れが激しく、大人しく休む事になった。
特に病み上がりのトニーの顔色が良くなく、宛てがわれた部屋にトニーは案内されたが、小一時間程ベッドで横になっているとメイドさんに風呂の準備が出来たと言われ、風呂に入る。その後アイハとレイラと食事をしてからは直ぐにベッドで横になり眠りに落ちたが、久し振りに一人で寝る事になった。
翌朝誰かと朝チュンになっているようなイベントもなく、トニーは泥のように眠っていて、朝日による明るさから目が覚めた。
メイドさんが着替えを持ってきていたが、いつの間に用意したの?と言うような貴族が着る服が用意されており、着替えを手伝われていた。正確には着替えさせられていたのだが。1度は断ったが、貴族とはそういうものですと諭され、更に自分達がメイド長に怒られるから、お願いだから黙ってされるままにして欲しいと言われた。その為、トニーは諦めたのだ。
国王夫妻との朝食だったが、トニーはダンジョンアタックに際してお願いをした。食事を大量に用意して欲しいと。皿に盛り付けておいて欲しいと。また、保存食や食材を手配して貰う。どれ位の期間ダンジョンに入る事になるのか分からないからだ。
最低でも2ヶ月分が欲しかった。
それと残念ながらダンジョンの地図は本の痛みが激しく、2階層分しか読み取れなかった。
朝の会話は主にこれから攻略するダンジョンについての話ばかりになっていった。
システィーナが話に割って入ろうとしていたが、母親に窘められていた。男の話に口出しをするものではないと。
食事の後はシスティーナに町を案内して貰う事になった。
折角着替え、女性陣も着飾っていたが、レイラ、アイハも一緒に行くので、皆冒険者としての装備に着替える事になったのであった。
時折スタンピードが発生する危険なダンジョンで、魔物の間引きが追い付かず数百年前に封印した。今の封印はシスティーナが管理している。姫騎士団というのはダンジョンを管理をする団体でもある。基本的には入り口の封印に誰かが毎日魔力を僅かに送り、システィーナ等の王族が月に一度気絶するまで魔力を流さないと封印が維持できない。
そろそろこの不毛なダンジョン管理から開放されたいと、国王は常々思っていたのだ。
大したドロップが出ないのに、魔物は厄介なのだ。危険度が高い割に実入りが悪く、誰も入りたがらないダンジョンだった。
アイハもレイラも問題ないという。因みにシスティーナは掃除人ではないので、入る力も気概もない。しかも封印を解除した後、結界を張る為の依代になる必要からダンジョン入口から50mも離れられなくなる。
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ただ、この日は旅の疲れが激しく、大人しく休む事になった。
特に病み上がりのトニーの顔色が良くなく、宛てがわれた部屋にトニーは案内されたが、小一時間程ベッドで横になっているとメイドさんに風呂の準備が出来たと言われ、風呂に入る。その後アイハとレイラと食事をしてからは直ぐにベッドで横になり眠りに落ちたが、久し振りに一人で寝る事になった。
翌朝誰かと朝チュンになっているようなイベントもなく、トニーは泥のように眠っていて、朝日による明るさから目が覚めた。
メイドさんが着替えを持ってきていたが、いつの間に用意したの?と言うような貴族が着る服が用意されており、着替えを手伝われていた。正確には着替えさせられていたのだが。1度は断ったが、貴族とはそういうものですと諭され、更に自分達がメイド長に怒られるから、お願いだから黙ってされるままにして欲しいと言われた。その為、トニーは諦めたのだ。
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最低でも2ヶ月分が欲しかった。
それと残念ながらダンジョンの地図は本の痛みが激しく、2階層分しか読み取れなかった。
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食事の後はシスティーナに町を案内して貰う事になった。
折角着替え、女性陣も着飾っていたが、レイラ、アイハも一緒に行くので、皆冒険者としての装備に着替える事になったのであった。
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