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第1章
レイナとの語らい
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昼食の後、俺はサラマンダーからの報告を整理していた。その結果は既にボス部屋の入口にまで到達し、罠も全て発動させていた。その事を皆に伝えたりしていた。
とは言え、警戒をせずに進む訳にも行かず、昼食後は走らずに歩いていった。
そして問題らしい問題と言えば、一部の床が抜け落ちていた事になるだろうか。サラマンダーが罠を発動させた為床が落ち、その下にマグマが見える事だろうか。
マグマの上に二重に床を作り、難なく進んだが、もし引っ掛かっていればマグマに落ちてあっという間に死んでしまうだろう。
それ以外は特に何も無く、これが本来の手付かずのダンジョンの姿だと水樹が言っていた。
そうして予測時間の通りに75階層を突破したので、いつもながらに階段の所で野営をする事にした。
この頃には水樹の状態もかなり良くなっていた。
必要な事とは言え、意見を全否定されるのはきついようだ。幸い今は何事も無く進み始めていた。俺はついつい、このまま何もなければ良いね!と言ったんだ。その時の水樹のあちゃーと言う顔が俺の失言を思い知らされた。
「志郎さん?分かっていますか?それフラグですよ」
「フラッグ?旗か?」
「違うわよ。フラグよ!ほらお店とかで今日はクレーム客来ないねと言った直後にクレーマーが来る奴よ」
「それをフラグっていうのか。ふむふむ」
そんな話をしていたが、少し早かったから水樹とサラマンダーが伝えて来た地図を書き写した物を見ながら、あーでもないとなこうでもないとか呟いていた。
その後レイナが無口になっているから少し構う事にした。
「レイナ、このところ押し黙っているが、体調でも悪いのか?」
「少し考え事をしていたのです。あちらの世界に多くの仲間を残してきましたが、幸せにしているのかなと」
「確か皆結婚していたし、普通に年老いて孫やひ孫に私のかつての仲間には…って若かれし時の思い出を話し、おばあちゃんって凄かったんだねって孫に褒められニコニコしているさ。まあ、最後は孫達に見送られるのさ。そして最後に良い人生だったと満足に死んでいくさ。良くも悪くも普通の女の人生を歩んだんだ。」
「そうだと良いのだけれども」
「何か心配があるのか?」
「うん。私はずっと若いままよ。しかも若返らせてくれたし、あの子達に申し訳なくてね」
「だから別れたあの日以来、ヒナタ以外はあの子達と会わなかったんだろ?俺もあの子達とは合わなかったぞ。若い姿のみ記憶に残してやりたかったからな」
「実は会っていたのです。私を姐さんと慕ってくれた者が何人かいたのですが、歳を重ねない私を見ると嫉妬すると伝えたのですが、それでも毎年数日は会っていたのです。別れの時もお別れ会までしてくれました。でもランスは若く綺麗な姿だけを覚えていてあげて欲しいの」
「俺も向こうに残して来た子供達の事が気掛かりだよ。ただな、リギアには悪いが、子を看取る事をせずに済んでホッとしているんだよ」
そんなふうにあちらの世界の事を語り合い、その日は休んでいったのである。
とは言え、警戒をせずに進む訳にも行かず、昼食後は走らずに歩いていった。
そして問題らしい問題と言えば、一部の床が抜け落ちていた事になるだろうか。サラマンダーが罠を発動させた為床が落ち、その下にマグマが見える事だろうか。
マグマの上に二重に床を作り、難なく進んだが、もし引っ掛かっていればマグマに落ちてあっという間に死んでしまうだろう。
それ以外は特に何も無く、これが本来の手付かずのダンジョンの姿だと水樹が言っていた。
そうして予測時間の通りに75階層を突破したので、いつもながらに階段の所で野営をする事にした。
この頃には水樹の状態もかなり良くなっていた。
必要な事とは言え、意見を全否定されるのはきついようだ。幸い今は何事も無く進み始めていた。俺はついつい、このまま何もなければ良いね!と言ったんだ。その時の水樹のあちゃーと言う顔が俺の失言を思い知らされた。
「志郎さん?分かっていますか?それフラグですよ」
「フラッグ?旗か?」
「違うわよ。フラグよ!ほらお店とかで今日はクレーム客来ないねと言った直後にクレーマーが来る奴よ」
「それをフラグっていうのか。ふむふむ」
そんな話をしていたが、少し早かったから水樹とサラマンダーが伝えて来た地図を書き写した物を見ながら、あーでもないとなこうでもないとか呟いていた。
その後レイナが無口になっているから少し構う事にした。
「レイナ、このところ押し黙っているが、体調でも悪いのか?」
「少し考え事をしていたのです。あちらの世界に多くの仲間を残してきましたが、幸せにしているのかなと」
「確か皆結婚していたし、普通に年老いて孫やひ孫に私のかつての仲間には…って若かれし時の思い出を話し、おばあちゃんって凄かったんだねって孫に褒められニコニコしているさ。まあ、最後は孫達に見送られるのさ。そして最後に良い人生だったと満足に死んでいくさ。良くも悪くも普通の女の人生を歩んだんだ。」
「そうだと良いのだけれども」
「何か心配があるのか?」
「うん。私はずっと若いままよ。しかも若返らせてくれたし、あの子達に申し訳なくてね」
「だから別れたあの日以来、ヒナタ以外はあの子達と会わなかったんだろ?俺もあの子達とは合わなかったぞ。若い姿のみ記憶に残してやりたかったからな」
「実は会っていたのです。私を姐さんと慕ってくれた者が何人かいたのですが、歳を重ねない私を見ると嫉妬すると伝えたのですが、それでも毎年数日は会っていたのです。別れの時もお別れ会までしてくれました。でもランスは若く綺麗な姿だけを覚えていてあげて欲しいの」
「俺も向こうに残して来た子供達の事が気掛かりだよ。ただな、リギアには悪いが、子を看取る事をせずに済んでホッとしているんだよ」
そんなふうにあちらの世界の事を語り合い、その日は休んでいったのである。
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