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第5章
壁
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屋敷の修繕を任せたので次は何をするかと考えたが、町の拡幅を考えた。拡幅といっても対して難しくは無い。地道な作業だ。
新たな壁を作ってやろうと思ったのだが、俺の持ってい土系魔法を駆使すれば出来るのだ。土属性魔法を使って分厚い土を盛り上げ、それを火属性で焼き固めるという形だ。厳密にはそんな単純な話ではないのだが、説明するとしたらふそういう感じになる。
壁の外で農作業をしている者達は、農作業している人数よりも護衛の人数の方が多いというような状況だった。なのでそこの農地がある辺りを内包する形で新たな壁を作って行った。
オートリーとリトリーと
手を繋いで壁の上を歩いていた。俺が歩く少し手前を盛り上げ、また先に進むの形になるので、彼女達に方向を指示して貰いながら壁を作り出していく。
壁を作る事に集中しなければならなかったので、方向まで気が回らない事が分かり、地理などに詳しい者を確認すると、2人が名乗りをあげたからだ。大雑把に地図にこの範囲で壁を作って行くと書き記し、それに従って案内をしてくれていた。
俺が何事もなかったかのようにサクッと作っていたが、あまりにもスケールの大きい事をしていた為か、2人は終始驚きを隠しきれていなかった。非日常な状態で、すごいすごいとはしゃいでいた。俺もそうやって褒められると満更ではなく、途中から調子に乗って2人を両肩に乗せて歩いていたりした。さすがに1日では終わらなくて、後3日掛かるの感じなので、明日の同行者はまだ名を知らぬ最後の欠損修復者にし、明後日はカグヤとオルフィーネにお願いする事になった。
そして俺は屋敷に戻ってから生き返らせたというよりも欠損修復した最後の一人と向き合う事になった。
部屋に呼んだのだ。失礼しますと一声聞いただけで頭が真っ白になるくらい心地の良い澄んだ声だった。
部屋に入って来た彼女だが、欠損修復の時は気が付かなかったが、髪も真っ白で、肌もこれ程白い肌は見た事がない位白かった。
「体調は大丈夫?」
「ああ、ランスロット様、いえ、志郎様、お久し振りでございます。」
「どうしてその名を?この世界では名乗ってない筈だよ」
「長かった。長かったです。自らの正体に気が付いたときには既に寝たきりでございました。毎日志郎様の事を考えて生き永らえました。お慕い申し上げます」
そういうと俺の胸に飛び込んできた。
訳が分からなかったが、無性に嬉しくその細い肩をギュッと抱きしめた。
嬉しくて涙を流していた。二人して泣いていて、ベッドに腰を掛け、暫くの間ただただ抱き寄せて、彼女が甘えるのにまかせた。
「ねえ、名前は?」
「はい、ティエラですわ」
「何となく聞いたなだな。不思議だったんだ。なぜこの世界に来たのか。それはティエラを救う為だったんだね。でも君の正体が分からないんだ」
「私は救って頂いたのは2度目ですわ。私の正体は・・・」
新たな壁を作ってやろうと思ったのだが、俺の持ってい土系魔法を駆使すれば出来るのだ。土属性魔法を使って分厚い土を盛り上げ、それを火属性で焼き固めるという形だ。厳密にはそんな単純な話ではないのだが、説明するとしたらふそういう感じになる。
壁の外で農作業をしている者達は、農作業している人数よりも護衛の人数の方が多いというような状況だった。なのでそこの農地がある辺りを内包する形で新たな壁を作って行った。
オートリーとリトリーと
手を繋いで壁の上を歩いていた。俺が歩く少し手前を盛り上げ、また先に進むの形になるので、彼女達に方向を指示して貰いながら壁を作り出していく。
壁を作る事に集中しなければならなかったので、方向まで気が回らない事が分かり、地理などに詳しい者を確認すると、2人が名乗りをあげたからだ。大雑把に地図にこの範囲で壁を作って行くと書き記し、それに従って案内をしてくれていた。
俺が何事もなかったかのようにサクッと作っていたが、あまりにもスケールの大きい事をしていた為か、2人は終始驚きを隠しきれていなかった。非日常な状態で、すごいすごいとはしゃいでいた。俺もそうやって褒められると満更ではなく、途中から調子に乗って2人を両肩に乗せて歩いていたりした。さすがに1日では終わらなくて、後3日掛かるの感じなので、明日の同行者はまだ名を知らぬ最後の欠損修復者にし、明後日はカグヤとオルフィーネにお願いする事になった。
そして俺は屋敷に戻ってから生き返らせたというよりも欠損修復した最後の一人と向き合う事になった。
部屋に呼んだのだ。失礼しますと一声聞いただけで頭が真っ白になるくらい心地の良い澄んだ声だった。
部屋に入って来た彼女だが、欠損修復の時は気が付かなかったが、髪も真っ白で、肌もこれ程白い肌は見た事がない位白かった。
「体調は大丈夫?」
「ああ、ランスロット様、いえ、志郎様、お久し振りでございます。」
「どうしてその名を?この世界では名乗ってない筈だよ」
「長かった。長かったです。自らの正体に気が付いたときには既に寝たきりでございました。毎日志郎様の事を考えて生き永らえました。お慕い申し上げます」
そういうと俺の胸に飛び込んできた。
訳が分からなかったが、無性に嬉しくその細い肩をギュッと抱きしめた。
嬉しくて涙を流していた。二人して泣いていて、ベッドに腰を掛け、暫くの間ただただ抱き寄せて、彼女が甘えるのにまかせた。
「ねえ、名前は?」
「はい、ティエラですわ」
「何となく聞いたなだな。不思議だったんだ。なぜこの世界に来たのか。それはティエラを救う為だったんだね。でも君の正体が分からないんだ」
「私は救って頂いたのは2度目ですわ。私の正体は・・・」
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