エラーから始まる異世界生活

KeyBow

文字の大きさ
上 下
58 / 527
第4章

ダンジョン三日目-2

しおりを挟む
 17階に進む。
 壁は黄色だ。目が痛いぞ。

 獣型の魔物が5-10匹位が散発的に出てくる。
 またもや異常が発生した。トラップだ。 
 床を踏んだら矢が飛んで来た。
 幸い剣で切り払った。

 ついにトラップ登場た。
 先頭を俺が行く事になった。
 スキルの関係でだ。トラップに対処出来るスキル持ちが俺しか居ないないからだ。

 床が抜けるのとか音が鳴り魔物を呼び寄せるのとかだ。
 これまでの倍の時間がかかる。
 ナンシーにエリクサーを預けた。石化も回復出来るので俺がやられた時用にと。

 先に進んでいると不意にセリカが何かを触った。

「カチッ」

 と音がした。トラップのスイッチと思われるのを触ったな。

 トラップだと思ったら壁が開きセリカが駆け込んで行った。慌て追いかけると、俺が入った直後に壁が閉まった。
 おまけにセリカは怪しさ満載の宝箱をあっと言う間に開けてしまった。
 中には変化の指輪が入っていた。セリカはそれをなんの疑いもなく填めた。
 そうするとセリカは優しいおっとりとした20代中頃の金髪美女に変わっていた。

 すると別の壁が開き50体以上の魔物が出てきた。
 『やばいやばいセリカを守れるかな。』
 角に慌ててセリカをお姫様抱っこで連れていき、とにかくアイスアローを撃ち込みまくった。
 残ったのはオーガナイトとミノタウロス。
 強目に俺とセリカの間にアイスウォールを出して遮蔽してミノタウロスの後ろに転移して首を刎ねた。剣豪を取得した。
 その隙にオーガナイトが背中から切りつけてきて俺は吹き飛んだ。
 一瞬意識が飛ぶ。オーガナイトが突っ込んできて数合斬り合うが意識が朦朧としていてついに俺の左腕が切り落とされた。

 勢い余りふらついた隙に背後に転移して何とか首を刎ねた。

「精神回復を取得しました」

 とアナウンスが有ったが痛みで覚えていなかった。欲しかったスキルを取得したのを知るのはまだ先の事に成る。
 俺は痛みで

「ガアアアア」

 と叫んだ。
 すると壁が開き皆が入ってくる。
 フレデリカが絶叫して俺の左腕を拾って持ってくる。皆も各々口を押さえたり悲鳴を上げたりしている。
 セリカは何故か俺の腕の事は気が付かず

「やっぱり志郎って強いよね!流石は私の王子様。素敵だよ」

 とのほほんとしている。皆が俺に駆け寄ってくるがクレアだけはセリカに付いていてくれた。最初のお願いを律儀に守っているのだ。

 俺は怒鳴った。

「腕を切断面に当ててくれ。俺の体を暴れても大丈夫なように押さえつけてくれ。叫んでもやめるな。やめろと言ってもやめるな。何とかくっつけるから。さあ頼むやってくれ」

 と言うとみんなで体をホールドして腕を切断面に当ててきた。思わず

「がああっがああぐわああくそがああ痛ええええ」

 と絶叫してふと我に戻り

「ヒール」

 と唱えた。程なくして痛みが引き腕に感覚が戻った。

「もう大丈夫だからありがとう」

 と言い解放して貰った。念話で

「もう大丈夫だから決してセリカを責めないでやって欲しい。また怨まないであげて欲しい。病気なんだ。どうか頼むよ」

 と言うと皆頷いていて、シェリーがブラックスワンの面々に説明してくれた。
 誰かが俺の血まみれの格好を見てクリーンを掛けてくれた。
 少し血を流しすぎた。
 珍しくフレデリカが泣いて抱き付いてきた。

「心配掛けたね。もう大丈夫だから」

 と頭を撫でてやると落ち着いたようだ。誰かが俺の左手を握っていた。

「左手の感覚は大丈夫だよありがとう。それよりここを出よう」

 と部屋の外に出てフロアボスの所に急いで向かった。また皆にセリカの持っているアイテムが見た目を変える物と伝え見た目を気にしないように説明した。

 黒いユニコーンのような魔物が出たがここは高さが大してなく、まともに跳べない為一方的に倒した。脚を切り落としてトドメを俺が行った。
 スキルは飛翔だ。一回につ1分間飛翔が可能。クールタイムは2分
 微妙だが空を跳べるのは大きい。
 18階に行き昼食タイムにした。
 壁が青色になった。やはり原色で目が痛い。

 階段の所は基本的に魔物が涌かない。なのでその先の通路を警戒さえすれば安全だ。

 一応俺の気配察知で何とかなる。
 ここでもセリカにお手伝いをお願いして昼食タイムを過ごした。
 セリカは皆に感謝されご機嫌だった。頭を撫でると俺にすり寄ってきて猫のような感じがしてきた。昨日よりは格段にましになってきた。

 1時間ちょっと休み、俺も回復したので先を進む事にした。
 セリカは相変わらずべったりだが段々落ち着いて来ているように見えた。

「ごめんね志郎さん。私こうやって時々正気に戻るの。なんかねもやもやした雲の中を掻き分けて進んでいる感覚で、何を言っているかとか後から思いだすの。さっきも昨夜私あり得ないくらい恥ずかしい事言っているけど本心じゃ無いですからね。あと、私にエッチな事しないでくれていて有難うね。意識が無い時にエッチな事をしてと要望していたんだよね。本当に有難うございます。やっぱり初めてはちゃんと愛する人とロマンチックな所でで迎えたいの」

 と本当の彼女が出て来た。

「うん。分かっているよ。もしも俺が君を抱くとしたら、正気に戻り、お互い愛してる時にしかしないから安心してね。正気じゃ無い時の事は気にしないから。俺はセリカの事が好きだから、ちゃんと元に戻ったらさ、ちゃんと一人の女性としてて向き合いたいんだ。出来れば俺の彼女に成って欲しいんだ。」

 と言うと泣いて頷いていた。
 俺はハンカチでそっと涙を拭いた。

「そうそう、その指輪時折魔力を込めないと元の姿に戻るからね。魔力を込めた当人の姿しか変えられないからね。今は20代中頃の金髪のおっとりした可愛い系の美人さんの見た目だからね。」

 と説明して先を進み出した。

 出てくるのは獣型の魔物が殆どで熊も出て来た。オオカミ型がうざくて、やたらと数が多い。強くは無いのだが数にげんなりする。
 一度に20匹位が散発的に襲ってくる。ずっと罠が無かったのだが、フロアボスの手前の直線の途中に天井が落下するデストラップが有った。気が付いた為解除して進んだ。
 フロアボスはケンタウロスだ。いきなり弓を数本放同時に放ってきた。
 俺は剣で払いのけたがリギアとエリシスが腕と脚にそれぞれ刺さった。
 俺は剣で立ち向かい、30合程打ち合いついに奴の剣が折れた。右腕を切り落としたが前脚で蹴られて20m位床を転げて行った。態勢を整えようと立ち上がりかけている所を蹄で踏みつけようとしてするので俺は必死に躱す。踏みつけられると思った瞬間に何とか転移して後ろ斜めの位置から袈裟懸けで切りつけた。
 少し浅かったが動きが止まったので返す刀で横に薙ぎ上半身を切り落として勝利した。

「流星弓術を取得しました」

 と出て流星の弓をドロップしていった。唯一の弓使いのナンシーに渡した。ケンタウロスの魔石で強化すると毒を付与して80%威力アップと出た。矢は魔力で作るので効果は大きい。
 セリカが治療をしてくれた。二人共セリカの手を握り感謝をしてセリカにハグをしてくれていた。俺は

「セリカ有難う。何も言っていないのに自主的に動いてくれて助かったよ」

 と言うと頷いて照れていた。
 そして19階に階に降りていく。
 壁が緑色になった。気持ち悪い。

 出てくるのは、オーガだ。
 単独~3体までで散発的に出てくる。1体は皆に倒させて1体になるまでは俺が転移で首を刎ねていく。

 フロアボスはオーガナイト2体だ。
 1体は剣を2本、もう一体は槍を持っている。
 剣を持っているのには俺が切りつける。一刀は楯で防ぎ、押し返しもう一方の剣を刀で弾き飛ばす。
 勢いのまま横薙で左腕と胴体を半ばまで斬る。
 そこまで斬るともう動けない。首を刎ねて終わった。
 もう一方はクレアがデスサイズで斬りあい、フレデリカが槍で援護している。
 やがてフレデリカが左脚に槍を突き付け、膝を付いた所にクレアのデスサイズが振られて見事に首を刎ねた。

 ドロップがミスリルの槍だ。早速オーガナイトの魔石で強化すると雷鳴の槍+8になった  
 効果は魔力を込めておけば当たった時に穂先から雷を放つというとんでもない仕様だ。80%の硬さと強さの補正付き
 早速フレデリカに渡した。2m程の長さだ。

 いよいよ20階に突入する。
 普通の石の色に戻った。
 100m位先にボス部屋が見えた。
 小休止してボスに挑む。
 中に入るとサッカーの試合が出来そうな大きさの部屋だった。

 オーガだ
 それもジェネラル
 強敵で有る。
 トリシアとレフトアイとが連携して切りつけるが二人とも蹴られて壁にぶつかり悶絶する。

 フレデリカとクレアの中距離コンビが挑む。俺はアイスアローで援護をしてシェリーとナンシーが接近戦を挑む。浅い傷を負わせるのが精一杯でナンシーが、次いでシェリーが吹き飛ばされて気絶する。
 俺も我慢できず、アイスアローを30発程打ち込み一発が目を貫き、槍とデスサイズが当たり出して片足と片手を切り落とした。
 そして俺がトドメと思うと残った腕で俺に剣を投げてきた。避けようとして躊躇した。避けたら仲間に当たると気が付き剣で払おうとしたが失敗して腹に剣が刺さった。転移して首を刎ねた。

「欠損修復を強奪しました」

 と出た。素晴らしいスキルだ。
 俺は剣を抜いたがあまりの痛みで気絶してしまった。
しおりを挟む
感想 140

あなたにおすすめの小説

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

処理中です...