二桁等級の成り上がり〜僕だけステータス操作(体重)出来る件〜

第二章

第59話 ３階層

ダンジョンの入口を前に、僕たちは深呼吸をしてから3階層への進行を開始した。

周囲は薄暗く、湿気を帯びた空気が漂っていた。

「まずはナリアナの新しい攻撃手段である魔法を試してみようか。」

ナリアナは頷き、手のひらを前に突き出して集中した。彼女の手からは青白い光が放たれ、その光は次第に大きくなっていった。

「ファイヤーアロー！」

ナリアナが叫ぶと、青白い炎が前方に向かって放たれた。炎は壁に直撃し、爆発音と共に大きな穴を空けた。

「すごい・・・これがナリアナが新しく得た魔法か。」

僕は驚きと共に感心した。ナリアナの魔力は以前よりも格段に上がったはずだが、明らかに強くなっていた。

それもあり、初級魔法の威力が予想の斜め上になっていた。
その後、僕たちは慎重に3階層へと進んでいった。
道中ではゴブリンやスケルトンといった魔物たちが現れたが、ラファエルとアレクシアも新しいステータスに慣れていき、次第に戦闘にも自信を持つようになった。

「行くぞ、アレクシア！」
「うん、任せて！」
ラファエルが攻撃をいなしつつ剣を振るい、アレクシアが弓矢を放つ。
連携プレイが見事に決まり、次々と魔物たちを倒していった。そして、ついに3階層のボス部屋にたどり着いた。扉の前で僕たちは一息入れ、戦闘の準備を整えた。

「皆、準備はいい？」

「もちろん！」

全員が声を揃えて答えた。僕たちは扉を開け、3階層のボス、巨大なミノタウロスが待ち構えている部屋に足を踏み入れた。ミノタウロスは雄叫びを上げ、巨大な斧を振りかざして襲いかかってきた。

「ナリアナ、今だ！」

ナリアナが再びファイヤーアローを放ち、ミノタウロスの顔に直撃。顔が炎に包まれたミノタウロスが一瞬ひるんだ隙に、ラファエルとアレクシアが攻撃を加えた。

「これで終わりだ！」

僕は全力で剣を振りかざし、強力な一撃ミノタウロスに叩き込んだ。ミノタウロスは斬破刀で防がれるも、吹き飛んで壁にへと叩きつけらた。頭を振りながら立ち上がるも、体は大きく揺れる。トドメだと言わんばかりにミンディーがナイフを投げ、メリッサも攻撃魔法を放つと、ばたんと倒れた。

「やった、倒したわ！」

皆が歓声を上げ、僕たちは勝利を祝った。これからも続く冒険に向けて、僕たちは新たな決意を胸にダンジョンを後にした。

そう、今日は３階層のボスを倒すことが目標で、それ以上はしないとしていたんだ？