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第二章

第57話 食べ過ぎの宴

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 宿の食堂でパーティー結成祝の祝の席が始まってから数時間、僕たちは思いっきり飲み食いしていた。最初は周りの人たちも賑やかさに混じって楽しんでいたけど、次第に僕たちの食欲に圧倒され、ドン引きするようになっていった。

「皆、食べ過ぎだぁよう!」

 僕は叫んだけど誰も気にせずにひたすら食べ続けていた。食卓には、ジューシーなローストビーフ、香ばしいグリルチキン、ふわふわのパンケーキ、クリーミーなパスタが並んでいた。

 ナリアナは痩せてしまった体重と体力を取り戻すため、たくさんの料理を前にして躊躇なくどころか目を輝かせながら次々と平らげていった。彼女の食欲は驚異的で、見ているこちらが圧倒されるほどだった。
 そんなに食べてお腹は大丈夫?と少し心配。

 一方、ラファエルとアレクシアは大量に食べることに抵抗を感じていた。

「こんなに食べたら、体重が増えちゃう・・・」

 アレクシアが呟いた。

「でも、仕方ないわよね。美味しいのだから。本当に体重を減らす力でお腹が凹むのだろうか?」

 ラファエルも同じく不安そうだった。

 そんな中、ミンディーとメリッサが声をかけた。

「体重のことなら、バン様には体重操作のギフトがあるからさ、減らした体重分強くなるんだぜ。メリッサを身請けする金はさ、体重を減らす時に金持ちからぶんどったんだぜ!」

 ミンディーがささやいた。

 ラファエルとアレクシアは驚きながらも、そのことについて詳しく話を聞き、ならばと恐る恐る食べ始めた。しかし、これまでスタイル維持のために抑えていた食べることへの欲求に従っても良いと分かると、食べるのを抑えられなくなった。また、強くなれるとの魔法のような言葉に目を輝かせた。

 彼女たちがガツガツと食べる姿は、普段の控えめな姿とはまるで別人だった。

「こんなに食べたのは初めてであります!」

 ラファエルがはしゃいでいる姿に、僕はついほくそ笑んでしまった。大人の女性らしい外見とのギャップが面白かったのだ。

「ナリアナは少しずつ増やそうな」

 そう皆で決めた。彼女の体重を健康的に戻すためには、急激な変化は避けた方が良いだろう。ってかなり食べたようだけど・・・

 この日は皆、お腹が痛いと唸りながら部屋へと散っていった。

 次の日の朝、目覚めると僕の隣にナリアナの顔があった。ぎょっとして起き上がったけど、どうやら彼女は夜中に潜り込んできたらしい。彼女の幸せそうな寝顔を見て間に合ったんだなと改めてほっこりした。

 もちろん僕は何もやましいことはしていないよ!アレクシアさんがいる中で何もできないけど、これどうしよう・・・

 その時、アレクシアさんが起きてきてニタニタしていた。

「お邪魔ね!2時間ほど時間を潰してこようかしら?」

 そんなことを言い出したので、僕は全力で部屋を出るのを止めた。  

「今は2人だけにしないでくれ!お願いします!」 

 そう頼んだ。何せ寝間着が着崩れ、谷間がもろ・・・ゴクリとする感じなんだ。
 間違いが起こるって!

 そんなやり取りをしていると、ナリアナの寝言が・・・

「ばんにぃ!あいたかったよおう」

 ナリアナが起きたのかと僕とアレクシアさんは一瞬静まり返ったけど、すぐに笑い声が広がった。
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