異世界で穴掘ってます!

KeyBow

文字の大きさ
上 下
98 / 166
第2章

コア

しおりを挟む
 部屋に入ると何故かコア?と思われるクリスタルか魔石?が中央に鎮座している以外に皆から聞いたのと違う状況になっていた。

 いきなり誰かが目隠しをしてきた。小さな手でされているのがわかる。

 女の子「だーれだ」

 聡太「わかるわかけないやろ!面識なんてないぞ!」

 女の子「あはははそうだったね。なんでお兄さんはこの部屋に入れたの?」

 聡太「なんでって言われてもダンジョンの最終ボスを倒したからだろう!?」

 女の子「ううん。それじゃあ私の所には来れないの。何か条件がある筈なんだけど、あっ!お兄さんってひょっとして勇者?」

 聡太「多分そうだよ。恐らく覇者というやつらしい。自覚がないんだけどさ。ところで君は誰でここで何をしているの!?あっ!俺の事はトニーと呼んでね」


 女の子「うん宜しくねお兄さんじゃなくてトニー。うーん言いにくいからお兄ちゃんにしてもいい!?」

 歳は6,7,歳位だろうか?おかっぱで可愛らしい女の子だ。歳の離れた妹位に思える人懐っこさだ。

 聡太「うん良いけど、君のお名前は?」

 女の子「あっ!ゴメンネ。忘れてたね。私はソニアブリソシエル。みんな長いからってソニアって呼ぶの。お兄ちゃんもソニアって呼んでね」

 聡太「分かったよー!ソニアは一体ここで何をしているんだい?」

 ソニア「うん。私はねここのダンジョンを作る時に生贄にされた筈なの。でも何でお兄ちゃんとお話が出来ているのか分からないの。生け贄にされる為そこで寝かされて、ちくっとなったと思ったら真っ暗になって、目が覚めたらお兄ちゃんの背中があったの」

 どうやらこのダンジョンを作るのに生贄が必要だったようで、この子がさせられたらしい。
 何でも妹が二人いて、親は他界している。
 親戚が妹を見るにはお金がないと。それでダンジョンの生贄に志願すれば妹達は英雄の姉妹として神殿で育ててくれるとなり、自ら志願したのだと。どのみち姉妹3人が野垂れ死ぬのが目に見えていたという。妹達が生き残る事に賭けたと。
 しかしこのダンジョンは出来てから100年は経過している筈だ。即ちこの子は天涯孤独だ。かわいそうに。

 聡太「ここを出たいか!?」

 ソニア「うん。でも無理だよ。ダンジョンマスターが私を開放する必要があるけど、お兄ちゃんダンジョンマスターじゃないから無理だよ」

 俺は現在のポイントとダンジョン系のギフトが無いか確認する。
 そうするとポイント50でダンジョン系がいくつかあった。

 基本となるのがダンジョンマスター
    ダンジョンを支配するのに必要。
    ダンジョンの支配権の移動はダンジョンを支配するオーナーから譲渡される、殺す、ダンジョンコアに触れる。このどれかを満たせばダンジョンのオーナーになれる。

 ダンジョンクリエイター  
    生贄を捧げる事によりダンジョンを生成できる。生け贄またはドラゴンの魔石を必要とする

 ダンジョンクラッシャー  
    既存のダンジョンを破壊する 
    コアに触れる必要あり

 ダンジョンミキサー  
    複数の指定されたダンジョンを統合できる。対象のコア同士に触れる必要あり。

 こんな感じだ。
 俺のポイントは61ある。レベルが40近く上がったっぽい。まあ小さいとはいえドラゴンを倒したからな。

 まずはダンジョンマスターをポチってと
 するとソニアの顔が驚きに変わった。俺がマスターだと分かったのだろう。

 ソニア「えっ!急にダンジョンマスターに?ふええ!」

 聡太「うん。俺っってレベルが上がるとポイントが溜まってさ、そのポイントを使えばギフトを取得できるんだ。万が一の為に残していたポイントで今ダンジョンマスターをポチって取得したんだ。なあソニアは俺と外へ出たいか!?」

 ソニア「うーんーもうかなり時間が経っていてソニアの知っている人みんな死んじゃってるから一人ぼっちだよ」

 聡太「うん。そうだろね。俺の仲間はいい奴らだから一緒に旅をしないか!?勿論何処か暮らしたい所があればそこまで送っていくよ。女の子を一人で放り出すなんて俺にはできないからさ」

 ソニア「いいの?お兄ちゃん!?一緒にいれるならソニアも寂しくないけど。絶対足を引っ張ると思うよ」

 聡太「子供がそんな事心配しなくていいんだ。大人に任せるんだ。ね!一緒においで。俺の妻達は優しいから良くしてくれるよ」

 ソニア「じゃあソニアのお兄ちゃんになって!」

 俺に抱きついてきて泣いている

 俺はウンウンと返事をするだけだ。抱き閉めて背中ヲ擦るのが精一杯で泣いてしまった。
 そして俺はまずダンジョンのオーナーにならないと行けないので魔石に触ると

 当ダンジョンのオーナーをチェンジします。フレデリックよりトニーにチェンジしました。
 どうやらここのマスターは生きているらしい。

 聡太「なあソニア、まず君を今開放したから自由だぞ。あとこのコアって外に持ち出しても大丈夫かな!?」

 ソニア「うん大丈夫よオーナーによっては手元に置く人もいるし、ここみたいにドラゴンに守らせてクリアできなくしている人もいるし。ダンジョンクラッシャーさんが壊さない限り壊れないの」

 やはりソニアはダンジョンの知識がある。それをたしなめる為の質問だった。

 聡太「なあフレデリックというのがオーナーだったようだが、心当たりあるか?」

 ソニア「うーん無いよ。元のオーナーは80年位前に死んじゃったもん」

 と言うでよく分からなかったが、少なくともこのダンジョンについては色々な事を知っているっぽかった。
 ダンジョンの操作やご褒美は何時でもマスター室に入って回収できるらしい。
 念じればドアが開き、オーナーに認められた者が出入りできる。オーナーは誰でもなれて予め設定されている条件下でのご褒美は回収できるが、ダンジョンマスター以外ダンジョンの設定を変更できない。このダンジョンは当時のクリエイターが作った時のままだで、時間と共に少しずつ階層が増えたらしい。元は50階層だったと。

 俺はコアを収納に入れ、ソニアの手を引きマスタールームを出たのであった。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

【完結】投げる男〜異世界転移して石を投げ続けたら最強になってた話〜

心太
ファンタジー
【何故、石を投げてたら賢さと魅力も上がるんだ?!】 (大分前に書いたモノ。どこかのサイトの、何かのコンテストで最終選考まで残ったが、その後、日の目を見る事のなかった話) 雷に打たれた俺は異世界に転移した。 目の前に現れたステータスウインドウ。そこは古風なRPGの世界。その辺に転がっていた石を投げてモンスターを倒すと経験値とお金が貰えました。こんな楽しい世界はない。モンスターを倒しまくってレベル上げ&お金持ち目指します。 ──あれ? 自分のステータスが見えるのは俺だけ? ──ステータスの魅力が上がり過ぎて、神話級のイケメンになってます。 細かい事は気にしない、勇者や魔王にも興味なし。自分の育成ゲームを楽しみます。 俺は今日も伝説の武器、石を投げる!

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

元英雄 これからは命大事にでいきます

銀塊 メウ
ファンタジー
異世界グリーンプラネットでの 魔王との激しい死闘を 終え元の世界に帰還した英雄 八雲  多くの死闘で疲弊したことで、 これからは『命大事に』を心に決め、 落ち着いた生活をしようと思う。  こちらの世界にも妖魔と言う 化物が現れなんだかんだで 戦う羽目に………寿命を削り闘う八雲、 とうとう寿命が一桁にどうするのよ〜  八雲は寿命を伸ばすために再び 異世界へ戻る。そして、そこでは 新たな闘いが始まっていた。 八雲は運命の時の流れに翻弄され 苦悩しながらも魔王を超えた 存在と対峙する。 この話は心優しき青年が、神からのギフト 『ライフ』を使ってお助けする話です。

剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!! 神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!? これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

処理中です...