異世界で穴掘ってます!

KeyBow

文字の大きさ
上 下
34 / 166
第2章

後処理

しおりを挟む
 俺は死体の検分を行い、お金や装備品を収納に入れた。死体もだ。
 念の為俺達のカードを確認する事になり、二人共白で皆安堵していた。犯罪者は赤いからだ。

 お金は40万G程になった。

 そして生き埋めにしたあいつだ。
 先ずは上部の土を退ける。
 そうして少しづつ土を退けると奴が生きていた。しぶとい奴だ。
 どうやったか分からないが生きてはいるが虫の息だ。
 俺はスロープ状に穴を掘り奴を捕まえに行く。
 フラフラなので剣の側面で殴り倒し、ロープで縛り外に出したのち穴を綺麗に埋め戻す。
 そして引きずって街に向かう。

 門で誰何されたので簡単に顛末を話しカードを見せると慌てて門番の一人ががギルドに報告に行く。

 間もなくギルドマスターが来て溜息をつく。
 処置を聞くと奴隷落ちだそうだ。多分鉱山奴隷になるであろうと。
 そして殺した奴の死体を詰め所で出す。
 ギルドマスターにもう一人は?と聞かれ、逃げられたと話すと賞金首として懸賞金を掛けるという。

 殺したや奴のカードも渡した。武器等はそのまま武器屋と防具屋に売りに行く事にする。
 そしてかの冒険者のお金は10万程の所持金とカードに400万程有るといい、俺達の物になるらしい。他の奴のもそうだ。4人の分は計200万程になる。
 また逃げてきた目撃者が先に報告していて、駐屯部隊が出撃する準備をしていたそうだ。

 なので俺達が襲われたのは皆の知る所となり、事後だが形式的に犯罪者の討伐依頼出すという。お金はどうするか聞かれたので、こいつらには価値を見出だせないから依頼を出せる最低額で伝えた。するとギルドマスターはニヤリと微笑んでいた。そして1Gの依頼とするが、代わりに冒険者ランクを一気にCに上げてくれる事になった。秘密にしろと言われたが、Cランクに上がる条件は亜人を含めた人を殺す事だからだ。ギルドマスターの権限ではCまでは一気に上げられるというので遠慮無く上げて貰う事にした。
 俺は何故か殺した忌避感がなく、この腐れ犯罪者め!位にしか思っていないのだ。
 そしてこのいつらの名前も見なかったし、知ろうともしなかった。奴も冒険者Aのままでやはり名前を知ろうともしなかった。

 そうして死体をギルドに運ぶと言うので、俺が収納に入れてギルドで出すというとギルドマスターが今この場にいる全員に俺の事を口止めした。理由はアイテムボックスのスキル持ちはよからぬ連中に付きまとわれるからと苦しい話をしていたが、門番はなぜか納得し、ギルドマスターと共にギルドに向かう。

 ギルドに着くとギルドマスターがエミリーを呼んだ。今なら対応中のが終わるとギルドマスターの所に行かなければなので並んでいた者は落胆するのだ。

 執務室に入る。
 小奇麗な部屋で8畳位で、奥に机と応接セット、書棚があるシンプルな感じだ。
 応接に座りギルドマスターがお茶を入れている。リリアにだ。
 それを飲ませている。そうこうしているとエミリーが部屋に入り、俺とリリアを見て驚いていた。

 そしてリリアがエミリーに抱きついてきて泣きじゃくっていた。緊張の糸が切れたようだ。何故かこの二人仲が良い。まるで姉妹のように。
 ギルドマスターはエミリーに会議室で休ませるのと付き添うよう指示を出した。これを予測してエミリーを呼んだっぽい。

 ギルドマスター「済まなかった。儂の判断ミスだ。追放じゃなく資格剥奪と国外追放にすべきだった」

 聡太「まあ結果論ですし、元々エミリーに付き纏ったあいつが悪いのですから、マスターが悪いわけじゃないですよ。リリアも犯されかけましたが服を破られる前に俺が殺しましたので清い体のままですから」

 マスター「そうか、取り返しのつかない事態じゃなくて幸いだ。今日は彼女を労ってやると良い。今日だけだと言い、希望を聞き入れてデートでもするのだな。女は直ぐに付け上がるでな、くれぐれも限定としておくんだぞ」

 聡太「経験からですか?」

 マスター「まあそんな所だ。ただ、一人は逃げたから注意しろよ。まあ国外追放とするよ。犯罪者だと国境を超えられず国内で悪さをするしお前さんも命を狙わるからな。あいつはシーフだから気配を消すのが得意だから気をつけろよ」

 聡太「それで発見が遅れたのか」

 マスター「まあそんなところじゃな。しかしお主のようなタイプの冒険者は珍しいのだよ。体はかなり鍛えていて無駄な肉は皆無だしな。しかし細いな。剣も使えるようだが魔法メインだろう?違うか?」

 聡太「剣タコというのも無いので恐らく今まで殆ど使っていないと思いますよ。ホール以外はアイスボールとかファイヤーボールが使えるのですが牽制にしか使えないんです。アイスボールは石を手で投げるのと同じ位の強さですからね。数はいけるので数撃ちゃ当たる感じで、まあ当たれば痛いっすからね。穴掘り特化のようですね」

 ギルドマスター「そのようだな。今日はもう休め。エミリーも付けてやるから」

 聡太「えっ!?」

 ギルドマスター「せめてアフターケア位はさせてくれ。あの二人は仲が良いのだろう?じゃなきゃ二人で嫁ぐなんて言わんからな」

 聡太「元々俺の事はそっちのけでひと目見て友達になろうとしたようですよ。俺の事も助けるまではリリアの恋人だ位でふーんという感じだったらしいので」

 ギルドマスター「そうなるとあいつも少しは役に立ったのか」

 聡太「それなんですけどね、甘いと言うかも分かりませんが、あいつも国外追放位に成りませんか?」

 ギルドマスター「無理だな。あいつの仲間が全員生きておればそれも可能だったろうが、今の奴は無理にでもこの国に戻ってきてお前に復讐をしようとするぞ」

 聡太「やはり考えが甘いですか?」

 ギルドマスター「確かに甘いな。まあそんな奴が嫌いじゃ無いが、その甘さがリリアさんのような事態を招き兼ねんのだよ。儂が甘かったようにな」

 聡太「そんなもんですかね」

 ドアがノックされ二人が入ってくる。

 ギルドマスター「落ち着いたか?済まなかったな」

 リリア「恥ずかしい所をお見せしましたがもう大丈夫です」

 ギルドマスター「今日は引き上げて聡太殿に二人して甘えて来い。今日は何でも言う事を聞いてくれるだろう。エミリー、お前も今日は上がれ。勤務扱いで俺の尻拭いでリリアさんのケアをさせているとするからな。ただし、若気の至りにならんように自重をするのだぞ」

 二人はお互い目を合わせ頷いてニッコリしている。
 そのニッコリが少し怖いがエミリーが着替えに行く。

 聡太「大丈夫か?腕を切り落とされてた上に強姦され掛けたんだぞ?」

 リリア「うん。心配ありがとう。そっちじゃないの。そっちはね純潔が散ると分かったら自決するつもりだったけど、初めて人を殺しちゃったから動揺してただけだから」

 ギルドマスター「おい!ひょっとして切断された腕をくっつけたのか?」

 聡太「よく分からないのですが何故か出来ちゃいました!」

 ギルドマスター「お前さんの能力に偏りがあるが、かなりの能力だぞ!あまり大ぴらにするなよ!」

 聡太「分かりました」

 と話しているとエミリーが戻ってきた。

 そしてギルドマスターの部屋を出て宿に着替えに行くのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

祈りの力でレベルカンストした件!〜無能判定されたアーチャーは無双する〜

KeyBow
ファンタジー
主人公は高校の3年生。深蛇 武瑠(ふかだ たける)。以降タケル 男子21人、女子19人の進学校ではない普通科。大半は短大か地方の私立大学に進む。部活はアーチェリー部でキャプテン。平凡などこにでもいて、十把一絡げにされるような外観的に目立たない存在。それでも部活ではキャプテンをしていて、この土日に開催された県総体では見事に個人優勝した。また、2年生の後輩の坂倉 悠里菜も優勝している。 タケルに彼女はいない。想い人はいるが、彼氏がいると思い、その想いを伝えられない。(兄とのショッピングで仲良くしているのを彼氏と勘違い) そんな中でも、変化があった。教育実習生の女性がスタイル抜群で美人。愛嬌も良く、男子が浮き足立つのとは裏腹に女子からの人気も高かった。タケルも歳上じゃなかったら恋をしたかもと思う。6限目が終わり、ホームルームが少しなが引いた。終わると担任のおっさん(40歳らしい)が顧問をしている部の生徒から質問を受け、教育実習生のミヤちゃん(竹下実弥子)は女子と雑談。タケルは荷物をまとめ、部活にと思っていた、後輩の二年生の坂倉 悠里菜(ゆっちゃん、リナ)が言伝で来た。担任が会議で遅れるからストレッチと走り込みをと言っていたと。この子はタケルに気があるが、タケルは気が付いていない。ゆっちゃんのクラスの担任がアーチェリー部の担任だ。ゆっちゃんと弓を持って(普段は学校においているが大会明けで家に持って帰っていた)。弓を背中に回して教室を出ようとしたら…扉がスライドしない。反対側は開いていたのでそっちに行くが見えない何かに阻まれて進めない。反発から尻餅をつく。ゆっちゃんは波紋のようなのが見え唖然とし、タケルの手を取る。その音からみっちゃんも扉を見て驚く。すると急に光に包まれ、気絶した。目を覚ますと多くの人がいる広間にいた。皆すぐに目覚めたが、丁度三人帰ったので40人がそこにいた。誰かが何だここと叫び、ゆっちゃんは震えながらタケルにしがみつく。王女と国王が出てきてありきたりな異世界召喚をしたむね話し出す。強大な魔物に立ち向かうべく勇者の(いせかいから40人しか呼べない)力をと。口々に避難が飛ぶが帰ることは出来ないと。能力測定をする。タケルは平凡な数値。もちろんチート級のもおり、一喜一憂。ゆっちゃんは弓の上級スキル持ちで、ステータスも上位。タケルは屑スキル持ちとされクラスのものからバカにされる。ウイッシュ!一日一回限定で運が良ければ願いを聞き入られる。意味不明だった。ステータス測定後、能力別に(伝えられず)面談をするからと扉の先に案内されたが、タケルが好きな女子(天川)シズクと他男子二人だけ別の扉を入ると、閉められ扉が消え失せた。四人がいないので担任が質問すると、能力が低いので召喚を取り消したと。しかし、帰る事が出来ないと言っただろ?となるが、ため息混じりに40人しか召喚出

残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)

SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。 しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。 相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。 そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。 無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

異世界でのんきに冒険始めました!

おむす微
ファンタジー
色々とこじらせた、平凡な三十路を過ぎたオッサンの主人公が(専門知識とか無いです)異世界のお転婆?女神様に拉致されてしまい……勘違いしたあげく何とか頼み込んで異世界に…?。  基本お気楽で、欲望全快?でお届けする。異世界でお気楽ライフ始めるコメディー風のお話しを書いてみます(あくまで、"風"なので期待しないで気軽に読んでネ!)一応15R にしときます。誤字多々ありますが初めてで、学も無いためご勘弁下さい。  ただその場の勢いで妄想を書き込めるだけ詰め込みますので完全にご都合主義でつじつまがとか気にしたら敗けです。チートはあるけど、主人公は一般人になりすましている(つもり)なので、人前で殆んど無双とかしません!思慮が足りないと言うか色々と垂れ流して、バレバレですが気にしません。徐々にハーレムを増やしつつお気楽な冒険を楽しんで行くゆる~い話です。それでも宜しければ暇潰しにどうぞ。

処理中です...