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第44話 セーフエリアでのひととき

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 4階層のフロアボスであるクレイジーウルフとの戦いを終えた俺たちは、階段前のセーフエリアにやってきた。ここは転移盤があるおかげで他の冒険者たちも少し休憩を取りに来る場所だ。イレギュラーが発生しない限り魔物は侵入してこないから、セーフティーエリアとされている。

 やや緊張をほぐしながら腰を下ろすと、友理奈がリュックからお弁当を取り出した。

「ほら、お昼にしようよ。たくさん作ったから食べて!」

 確かに少し大きめな弁当箱だ。

「え、俺も(日の丸)弁当を持ってるから大丈夫だよ」

 そうと言いつつも、実は中身はご飯の真ん中に梅干しがポツンとあるだけの簡単なものだ。

 そんな俺の弁当を見た友理奈は、すかさず自分のお弁当のふたを開け、きれいに並べられたおかずをいくつも見せてきた。

「ほら、見ての通りいっぱい作りすぎちゃって食べ切れないの。だから銀治も遠慮せずに食べて!」

 そう言いながら俺の弁当の白いご飯の上に次々とおかずを乗せていく。

「ありがとう。けど、そんなに乗せなくても・・・」

 照れ笑いしながらも、せっかくの好意に甘えてまずは一口。友理奈のおかずはどれも優しい味で、戦い疲れた体に染みわたる美味しさだった。正直、こんなにおかずが豪華なのは久しぶりで、思わず箸が進む。
 これであーんでもされようものなら、昇天する自信がある。

 ふと顔を上げると、他の冒険者がボスを狙って階段を登っているのが見えた。その一行がこちらの方に視線を向けていて、なんとなく恥ずかしくなり少し体を縮めてしまう。

 でも、そんな気持ちも束の間、友理奈の楽しそうな笑顔を見ると、つい肩の力が抜けてリラックスできた。

「ありがとう。本当に美味しかったよ」

 食事を終えたので感謝の言葉を伝えると、友理奈は少し照れたように微笑んだ。

「次の5階層、頑張っていこうね」

 友理奈が言い2人して片付けをする。
 俺も気合を入れ直して立ち上がる。
 友理奈はコートを脱いでリュックにしまい、再びビキニアーマー姿だ。

 慣れないのでやはり目のやり場に困る・・・
 これがプールやビーチならガン見できるのにと思うも、武器を手に取り、お互いに装備について確認をし、問題ないので午後の部となった。
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