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第1章

第32話 報告

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 それから2日間は何事もなく過ぎて行った。流石に馬車に慣れてきたのと、馬車は領主所有の高級な作りだったのもあり、乗り合い馬車とは違い快適に過ごす事が出来た。その為か、イリアとミリアの負担も少なかったようで、夕方位に無口になる程度でダウンする事も無くなった。

 俺の髪を染めた染料は長持ちしなくて、既に元の黒髪になっていた。

    国王の執務室に通され、領主を無視して王が俺に挨拶をしてきた。

「これはこれは、その黒目黒髪は召喚勇者殿では?一体如何なされたのでありますか?」

「依頼でオークの集落を潰しに行ったのですが、そこにオークキングがいて、何とか討伐しましたので、領主様の付き添いとして報告に参りました」

「な、なんと、あれは変異の予兆ですぞ。半年位先と噂されておりますが、半年処か3ヶ月位の猶予しかない事になりますぞ!?」

 ミザリアが質問した。

「やはり早まりますでしょうか?」

「うむ。前回の変異の事が書かれている古文書には、キングが現れてから3か月で変異が始まったと記録が残されておるからな。しかし召喚された国を離れたのは、修行の為にあるあの島で修行をする為ですかな?」

 ミリアが遠慮気味に答えた。
  
「私の予知からも、変異が発生するのはキング種が現れてから3ヶ月前後と予測されます」

「修行に最適な場所がこの国にある島とは聞き及んでおります。私は召喚された国の国王に暗殺され掛けましたが、なんとか逃げ出したのです。逃げた先として偶々この国に参りました。多分私の見た目で召喚者なのだとお分かりになられたのですね。てきましたらこの国にてご厄介になりたいのですが、宜しいでしょうか?」

「勇者殿、勿論いくらでも居ていただいても問題ありません。むしろ私が頭を下げてお願いしたい位です。国を上げて歓迎し、活動するのに必要な事に対し、可能な限り協力致します」

 国王によると、王都から4日程行った港町から日帰りで行ける距離の島に、魔物が多く発生する所があるという。

 変異に伴う魔物の活動期に入っており、その島はエリア分けされており、エリアにより魔物の強さが変わるらしい。その為、実力に見合ったエリアで修行が出来そうだ。

 但し、ギルドの許可が必要で、高ランクの魔物の出るエリアは許可が出た者しか入る事が出来ず、他の冒険者とかち合う事が他のエリアに比べて少ないという。早速許可証を発行して貰う為の推薦状を書いてもらった。

 この国の国王は、オークキングを倒す実力がある者を暗殺しようとした事に大層驚き、俺達を保護するというか、好きなだけいて欲しいと言われた。正直に変異に対しての勇者召喚をする召喚の儀式を執り行う権利がかなり後ろだと告げた。隣の国は周辺の国とトラブルが絶えず、召喚の順番もこの国より後の筈だったと。

    召喚は同時に3名しか出来ず、3名が存命な時に召喚を行っても誰も召喚出来ないという。
 少なく共この国王は変異に怯えていて、正直に色々話してくれた。島には修行の為に他国で召喚された勇者が来る可能性が高いのと、名目上はこの国の一部だが、自治を認めていて、一種の中立国だと。島に限りどの国の者も実質無確認、無許可で出入りが出来る。但し犯罪者のチェックは厳しいので、治安はかなり良いという。

 ミザリアが安堵したようで、俺にそっと国王は信用できると伝えてくれた。変異の後の身の振り方を考えなければならなかったが、まずはこの国にて厄介になると決めたのであった。

 その後討伐隊の話になり、家臣を集め急遽御前会議となった。そこに呼ばれ、キングの死体を出したが、やはり皆は驚ろいていた。しかも変異がこの国で発生する可能性がかなり高いのだと分かり、一部の者が心身恐々となり取り乱してしまい、大騒ぎとなった。長引きそうだったので、とてもではないが付き合ってはいられないので、俺達は途中の休憩時に引き上げた。

 ギルドには明日行くが、先ずは宿に向かう。王城での逗留を打診されたが、城は苦手と伝えて宿に泊まる旨を伝えた。

 王が部下に宿の手配をさせたが、中級宿は空いておらず、高級宿しか空いていなかったが、費用は今回は国王が出してくれる。多分高級宿を手配させる配慮をしたのだと分かり、素直に感謝をした。城を断った以上、これも断ると面目を潰すからだ。

 宿は2部屋に分かれたのだが、やはり男組と女組で分かれた。

 夕食は宿の食堂だが、高級宿の為ドワーフ殺しは無かった。流石にきつい酒は無かったので、ゼツエイの晩酌に少し付き合い、途中で引き上げて先に休む事にした。フランカと共に部屋に行ったが、俺はスキルを考察したいので、フランカに先に風呂に入って貰う事にした。

 フランカは以前風呂へ行く時に一緒に入らないかと誘ったが、頑なに一緒に入りたがらない。

 何かあるのだろうが、俺のいた国では裸の付き合いで背中を洗い合うとかで、交友を深める事が是とされていると話したが、それでも頑なに断られた経緯があり、理由は分からないが配慮している。

    人それぞれ何かあるだろうし、触れられたくない事もあるだろうと詮索をしない事にした。なのでフランカの方から話してくれるまでは特に尋ねまいと決めていた。大きな傷があったり、特定の箇所が小さく自信がないとか、幼少の頃に性的ないたずらをされていたのか!?そんな事をふと考えたが、首を振った。

 それはさておき、今は暫くしていなかったスキルの確認だ。剣術を幾つか取得しているので、スキルを重ねてレベルアップをしなきゃだった。

 そして驚いた事に隷属契約を取得していた。恐らくキングが持っていたのであろう。俺は思わずガッツポーズをしたのだった。

以下スキルのみ

 前回記録

 取得スキル
 四則計算
 回復魔法  レベル2
 格闘術   レベル2*
 神聖術
 棒術
 剣術    レベル3*
 槍術    レベル2
 弓術
 投擲術   レベル3
 スケコマシ レベル3
 異性遊戯  レベル3
 ナンパ   レベル3
 火魔法
 詠唱省略
 魔法抵抗
 気配察知
 鑑定
 馬術
 暗殺術
 ナイフ術
 両手剣
 隠密行動2*
 気配遮断2*
 鍵解除*
 罠探知*
 罠解除*
 拷問術    レベル3
 女性奉仕
 女体支配   レベル2
 性交術    レベル3
 精力制御

 保管庫
 四則計算  3*
 剣術  3*
 両手剣*
 隠密行動 2*
 気配遮断 2*
 弓術2*
 ナイフ2*
 投擲術 *
 馬術 2


 確認したスキル

 取得スキル
 四則計算
 詠唱省略
 回復魔法  レベル2
 火魔法  
 水魔法  *
 格闘術   レベル2
 神聖術
 ネンクロマンサー *
 棒術
 剣術    レベル3
 槍術    レベル2
 弓術
 投擲術   レベル3
 隷属契約 *
 
 魔法抵抗
 気配察知
 鑑定
 馬術 4*
 暗殺術
 ナイフ術
 両手剣
 棍棒  *
 弓術   *
 空間転移 *
 隠密行動2
 気配遮断2
 鍵解除
 罠探知
 罠解除
 拷問術   レベル3
 スケコマシ レベル3
 異性遊戯  レベル3
 ナンパ   レベル3
 女性奉仕
 女体支配   レベル2
 性交術    レベル3
 精力制御
 恫喝*

 保管庫
 四則計算  3
 剣術  6*
 両手剣 3*
 隠密行動 2
 気配遮断 2
 弓術3*
 ナイフ2
 投擲術
 棍棒  5*



 スキル合成後

 取得スキル
 四則計算
 詠唱省略
 回復魔法  レベル2
 火魔法
 水魔法
 格闘術   レベル2
 神聖術
 ネンクロマンサー 
 暗殺術
 棒術
 剣術    レベル4*
 両手剣   レベル3*
 槍術    レベル2
 ナイフ術  レベル2*
 棍棒    レベル3*
 弓術    レベル2*
 投擲術   レベル3

 隷属契約 
 魔法抵抗
 気配察知
 鑑定 
 馬術
 空間転移 
 隠密行動2
 気配遮断2
 鍵解除
 罠探知
 罠解除
 拷問術   レベル3
 スケコマシ レベル3
 異性遊戯  レベル3
 ナンパ   レベル3
 女性奉仕
 女体支配   レベル2
 性交術    レベル3
 精力制御
 恫喝

 保管庫
 四則計算  3
 剣術  2*
 両手剣 0
 隠密行動 2
 気配遮断 2
 弓術 2 *
 ナイフ術 *
 投擲術
 棍棒 2*
 弓術 
 馬術 4
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