上 下
18 / 130
第1章

第18話 優男君=フランカ

しおりを挟む
 (ステータス?ライフ?)カードについて教えられた。念じれば体に入り、出したいと思えば体の外に出す事が出来る。普段は体に入れておくのが普通で、死ぬと額から出てくるという。

 カードを生成したり書き換えをする魔道具があり、理屈は分からないが製造方法と使い方は幅広く知られており、作るのは難しくはない。但し、誰がいつ頃発明したかは今では不明だ。その為100年以上前も今も同じ仕組みの魔道具を使い、壊れたら同じのを作り直す。理屈が分からない為、改良できないそうだ。

    そしてカードを貰った順で解散である。カードを受け取ったミリアが俺に必死に訴えてきた。

「友安様、さっきの方を仲間に引き入れられませんか!?私の予知が仲間にするように訴えているのです」

「うん。因みにミリアのギフトって外れた事はあるのか?」

 イリアがドヤ顔になった。

「いえ、私が知る限り無いわよ。心配しなくても私達の心は貴方のもので揺るぎないわよ。それにミリアの話では私のって、何を言わせるのよ。早く仲間にして来ないとあの人どっかに行っちゃうわよ」

 何故かイリアが真っ赤である。「私の」の続きが気になるがそうも言ってはいられない。
 先程の優男君は確かに強かった。少なく共B級の冒険者でもあるあの講師よりも強い。あの講師は他の受講者をまるで子供を相手にしているかのようにあしらっていて、それ相応の実力があるのだ。ミリアの話がなくても仲間にしたいと思うだけの実力があり、そして歳も近そうだ。俺より顔が良いのだけがしゃくだよな!とぶつぶつと友安が呻いていた。

 何はともあれ探さないとな!と思いギルドのロビーを探すも、彼は見当たらない。
 少し焦り、外に出て辺りを見渡すも彼は見当たらなかった。
 受付でどこの誰なのか?宿などを教えて貰おうと思っていると、彼がトイレから出てきて、ロビーに向かったのが見えた。カードを受け取ると即いなくなったのは、どうやらトイレに行くのを我慢していたようで、駆け込んでいたようだった。

 こちらから話し掛けようと思っていたが、どうやって声を掛けたものか少し迷っていると、向こうから慌てた様子で友安の方に来たかと思うと、いきなり土下座をして来た。

「友安様、私を弟子にして下さい!」

 「分かった」

 「無理なお願いとは・・・あれっ?今分かったとおっしゃいましたか?」

「うん。そう言ったけど?」

「あ、ありがとうございます!ありがとうございます!これで変異に間に合いそうです」

「お前も変異に立ち向かうのか?」

「はい。半年後と言われている変異に立ち向かう筈の勇者様にお仕えすべく、実力を付けている最中なのです。里で神託を受け、何とか18歳になる迄に伴侶を見付ける必要が有り、その為の旅でもあります」

「そうか。弟子入りは無理だが、俺の仲間になって欲しいな!さっきの獣人娘2人と、今日出会った奴だけど、エルフ(の美女)とその育ての親であるドワーフのおっさんも仲間になるんだ。宜しくね。俺の名は講師が言っていたから知っているだろうが、友安だ。で、こっちの先に模擬戦をした方が姉のイリアで、こっちが妹のミリアだ。2人共訳あって奴隷になってはいるが、俺の女だから手を出すなよ」

「申し遅れました。私はフランカと申します!宜しくお願いします。友安様は既に2人の女性に愛されているのですか!流石です!」

 何が流石なの?と友安は首を傾げていたが、そうして新たな仲間が出来て何とかパーティーの体裁を取れそうだった。
 友安がふと思い描いたパーティーを組んで戦う時の分担は、概ねこのような感じだ。
 前衛 友安、イリア、ゼツエイ、フランカ
 中衛 ミリア、場合によっては友安
 後衛 ミザリア、場合によってはミリア

 中衛は俺のほうが良いのかな!?ミリアとイリアは俺が魔法を使う時の護衛かな?ドワーフのおっさんはいかにもって感じの戦士だよな。ミザリアさんは見た感じから魔法メインだよな?等々友安はぶつぶつと言いながら考えていた。

 パーティーを組む場合は、5~8名が推奨人数といわれており、漸く推奨人数になったし、実力も十分そうだ。頑張るぞ!と友安は1人で気合を入れていたのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。

祈りの力でレベルカンストした件!〜無能判定されたアーチャーは無双する〜

KeyBow
ファンタジー
主人公は高校の3年生。深蛇 武瑠(ふかだ たける)。以降タケル 男子21人、女子19人の進学校ではない普通科。大半は短大か地方の私立大学に進む。部活はアーチェリー部でキャプテン。平凡などこにでもいて、十把一絡げにされるような外観的に目立たない存在。それでも部活ではキャプテンをしていて、この土日に開催された県総体では見事に個人優勝した。また、2年生の後輩の坂倉 悠里菜も優勝している。 タケルに彼女はいない。想い人はいるが、彼氏がいると思い、その想いを伝えられない。(兄とのショッピングで仲良くしているのを彼氏と勘違い) そんな中でも、変化があった。教育実習生の女性がスタイル抜群で美人。愛嬌も良く、男子が浮き足立つのとは裏腹に女子からの人気も高かった。タケルも歳上じゃなかったら恋をしたかもと思う。6限目が終わり、ホームルームが少しなが引いた。終わると担任のおっさん(40歳らしい)が顧問をしている部の生徒から質問を受け、教育実習生のミヤちゃん(竹下実弥子)は女子と雑談。タケルは荷物をまとめ、部活にと思っていた、後輩の二年生の坂倉 悠里菜(ゆっちゃん、リナ)が言伝で来た。担任が会議で遅れるからストレッチと走り込みをと言っていたと。この子はタケルに気があるが、タケルは気が付いていない。ゆっちゃんのクラスの担任がアーチェリー部の担任だ。ゆっちゃんと弓を持って(普段は学校においているが大会明けで家に持って帰っていた)。弓を背中に回して教室を出ようとしたら…扉がスライドしない。反対側は開いていたのでそっちに行くが見えない何かに阻まれて進めない。反発から尻餅をつく。ゆっちゃんは波紋のようなのが見え唖然とし、タケルの手を取る。その音からみっちゃんも扉を見て驚く。すると急に光に包まれ、気絶した。目を覚ますと多くの人がいる広間にいた。皆すぐに目覚めたが、丁度三人帰ったので40人がそこにいた。誰かが何だここと叫び、ゆっちゃんは震えながらタケルにしがみつく。王女と国王が出てきてありきたりな異世界召喚をしたむね話し出す。強大な魔物に立ち向かうべく勇者の(いせかいから40人しか呼べない)力をと。口々に避難が飛ぶが帰ることは出来ないと。能力測定をする。タケルは平凡な数値。もちろんチート級のもおり、一喜一憂。ゆっちゃんは弓の上級スキル持ちで、ステータスも上位。タケルは屑スキル持ちとされクラスのものからバカにされる。ウイッシュ!一日一回限定で運が良ければ願いを聞き入られる。意味不明だった。ステータス測定後、能力別に(伝えられず)面談をするからと扉の先に案内されたが、タケルが好きな女子(天川)シズクと他男子二人だけ別の扉を入ると、閉められ扉が消え失せた。四人がいないので担任が質問すると、能力が低いので召喚を取り消したと。しかし、帰る事が出来ないと言っただろ?となるが、ため息混じりに40人しか召喚出

S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
 主人公ライルはブリケード王国の第一王子である。  しかし、ある日―― 「ライル。お前を我がブリケード王家から追放する!」  父であるバリオス・ブリケード国王から、そう宣言されてしまう。 「お、俺のスキルが真の力を発揮すれば、きっとこの国の役に立てます」  ライルは必死にそうすがりつく。 「はっ! ライルが本当に授かったスキルは、【トカゲ化】か何かだろ? いくら隠したいからって、【竜化】だなんて嘘をつくなんてよ」  弟である第二王子のガルドから、そう突き放されてしまう。  失意のまま辺境に逃げたライルは、かつて親しくしていた少女ルーシーに匿われる。 「苦労したんだな。とりあえずは、この村でゆっくりしてくれよ」  ライルの辺境での慎ましくも幸せな生活が始まる。  だが、それを脅かす者たちが近づきつつあった……。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

処理中です...