34 / 97
第2章
ノエルの服
しおりを挟む
その日の夜、太一は今後について嫌な予感がしていた。その為、シャロンと話し合った。
「ひょっとすると明日、明後日位に、この街を逃げるようにして出て行かなければならなくなる可能性が高い。その為、今日のうちにフローラ様に別れを告げておいた方が良いと思うんだ。思い過ごしなら良いけど、後悔はして欲しく無いんだ」
シャロンも何となく分かっていたので太一に
「うん。わかっているの。だからフローラ様にちゃんとお別れをしてくるね。分かってはいるのだけど、寂しくなるわ」
そんな感じにシャロンはフローラへの想いを太一に伝え、フローラの部屋に入っていった。
一度戻って来て、嬉しいような、恥ずかしいような、寂しいような複雑な表情をしながら、今日はフローラと一緒に寝ると言っていた。
彼女も分かっていたのだろう、おそらく一緒の時を過ごすのは今日が最後になるのであろうと。そして太一の部屋にはエリカが来ていた。
エリカは身長160cm位で、やはりエルフ特有なのかすらっとしている。
寝巻きの為にボディーラインがはっきり出ていて、胸はシャロンより1カップ位大きいように思えた。エリカは太一の所に面倒事を持ち込んだ事のお詫びをしていた。
「申し訳ない。私の為に2人を危険に巻き込んでしまって。私にはそんな資格が」
と言い始めたが、太一はその腕を掴み、そっと抱きしめて
「エリカらしくないじゃないか。君はそんなしおらしい事を言う人じゃないだろう?ありがたく思いなさい、私と一緒に旅ができるのよ!位の事を言う人だと思っているんだけどね。それよりも本当にいいのか?見ての通り俺は女を犯した罪をでっち上げられて城から追われている身だぞ。それが本当で今から俺が君を犯すかも分からないんだぞ」
太一にそのつもりはないが、エリカをベッドに押し倒した
エリカは胸の前で手を組み目を瞑り動かなかった。太一はまさかのエリカの行動に固まってしまった。受け入れられてしまったのか、はったりだとバレたのか?多分後者だろうと思うしかなかった。
そしてエリカは不敵な笑みを浮かべ
「ふふふ、大丈夫よ。太一様はそんな人ではないでしょ。それに今も手を出さないじゃない。って今のもハッタリじゃないの。それとね、シャロンちゃんから聞いているのだけれども、貴方はこの部屋で寝てしまったシャロンちゃんの寝込みを襲わずにいたんでしょ?そんな紳士が城の女性達を犯すなんて、そんな事をする筈がないでしょ。それに貴方は善良な人間よ。私には分かるの」
「しかしどうして俺なんだ?他にも強い冒険者は沢山いるだろう?君を好いている取り巻き達とか」
「そうね。現時点での強さだけで言えば貴方より上の者はこの町には何人もいるわね。でもね、彼らは私の顔や体しか見ないのよ。美人の受付嬢を落とした男、その看板が欲しいだけなの。単に欲望の赴くままに私を犯したり抱きたいだけで、私という人の中身を見てくれて理解してくれているのはお父様以外では貴方だけなのよ。勿論貴方の受付をした時に、貴方が並々ならぬ者だという事が何となく分かり、興味を持ったわ。でもねシャロンちゃんと貴方を初めて見た時に、貴方がロイと偽名を伝えてきたけど、 私には太一という名前が分かっていたの。ステータスにまで偽装を施しているこの人はどういう人なのだろう?それで貴方に特別な興味を持ったの。そしてあのオーブ、あのような壊れ方をしたのを見たのは初めてなの。おそらくギルドで私の取り巻き達にまた絡まれると思うけども、貴方ならうまく切り抜けられると思うの。私の事をちゃんと守りなさいね私の勇者様。いえ、守ってくださいませ!」
太一はふと思い出し、お揃いのデザインの戦闘服というか、冒険者用の服を出してエリカに渡す。
一種のワンピースのようだ。
ミニスカ仕様ではなく、踝辺りまである、そういったロングスカートな感じだ。
「俺の仲間になったんだ。折角だからこれを貰ってくれないか?これは最初に血を垂らした者の体に合ったサイズに自動調整してくれる服だ。俺とシャロンが着ている物とお揃いのデザインなんだ。矢を弾くし、防御力は抜群だと思うんだよ。それに何よりも君に似合うと思うんだ!俺にとって大切な女性に着て貰えたら嬉しいな」
エリカは嬉しそうに受け取り、その場で服を脱ぎ出した。慌てて太一は背を向けるが、恥ずかし気もなくエリカは下着姿になった。
「あのー、太一様?何を恥ずかしがっているんですか?出来ればこの服を私が着るのを手伝ってくれませんか?生地が厚くて一人では着られそうにないの。慣れたら一人で着れるかもだけど、今は無理ね」
と言われるが、下着姿のエリカにドキドキしていた。わざと胸を強調しバンザイをしているエリカに着せていく。その豊かな胸をついガン見してしまったのだが、それはご愛敬である。
そして躊躇無くナイフで指先を少し切り、服に血を1滴垂らした。するとサイズが変わって行く。服の状態を確かめているエリカは大いに驚いていた。
そうやってエリカはくるっと一回転して太一にお披露目し、去り際に
「隙き有り 」!
と言い放ち、太一の頬にキスをして部屋を去っていった。太一はポカーンとしていた。
明日は早い為、エリカはこれから眠るのだが太一はこの世界について少し勉強をする事にしていたのであった。
「ひょっとすると明日、明後日位に、この街を逃げるようにして出て行かなければならなくなる可能性が高い。その為、今日のうちにフローラ様に別れを告げておいた方が良いと思うんだ。思い過ごしなら良いけど、後悔はして欲しく無いんだ」
シャロンも何となく分かっていたので太一に
「うん。わかっているの。だからフローラ様にちゃんとお別れをしてくるね。分かってはいるのだけど、寂しくなるわ」
そんな感じにシャロンはフローラへの想いを太一に伝え、フローラの部屋に入っていった。
一度戻って来て、嬉しいような、恥ずかしいような、寂しいような複雑な表情をしながら、今日はフローラと一緒に寝ると言っていた。
彼女も分かっていたのだろう、おそらく一緒の時を過ごすのは今日が最後になるのであろうと。そして太一の部屋にはエリカが来ていた。
エリカは身長160cm位で、やはりエルフ特有なのかすらっとしている。
寝巻きの為にボディーラインがはっきり出ていて、胸はシャロンより1カップ位大きいように思えた。エリカは太一の所に面倒事を持ち込んだ事のお詫びをしていた。
「申し訳ない。私の為に2人を危険に巻き込んでしまって。私にはそんな資格が」
と言い始めたが、太一はその腕を掴み、そっと抱きしめて
「エリカらしくないじゃないか。君はそんなしおらしい事を言う人じゃないだろう?ありがたく思いなさい、私と一緒に旅ができるのよ!位の事を言う人だと思っているんだけどね。それよりも本当にいいのか?見ての通り俺は女を犯した罪をでっち上げられて城から追われている身だぞ。それが本当で今から俺が君を犯すかも分からないんだぞ」
太一にそのつもりはないが、エリカをベッドに押し倒した
エリカは胸の前で手を組み目を瞑り動かなかった。太一はまさかのエリカの行動に固まってしまった。受け入れられてしまったのか、はったりだとバレたのか?多分後者だろうと思うしかなかった。
そしてエリカは不敵な笑みを浮かべ
「ふふふ、大丈夫よ。太一様はそんな人ではないでしょ。それに今も手を出さないじゃない。って今のもハッタリじゃないの。それとね、シャロンちゃんから聞いているのだけれども、貴方はこの部屋で寝てしまったシャロンちゃんの寝込みを襲わずにいたんでしょ?そんな紳士が城の女性達を犯すなんて、そんな事をする筈がないでしょ。それに貴方は善良な人間よ。私には分かるの」
「しかしどうして俺なんだ?他にも強い冒険者は沢山いるだろう?君を好いている取り巻き達とか」
「そうね。現時点での強さだけで言えば貴方より上の者はこの町には何人もいるわね。でもね、彼らは私の顔や体しか見ないのよ。美人の受付嬢を落とした男、その看板が欲しいだけなの。単に欲望の赴くままに私を犯したり抱きたいだけで、私という人の中身を見てくれて理解してくれているのはお父様以外では貴方だけなのよ。勿論貴方の受付をした時に、貴方が並々ならぬ者だという事が何となく分かり、興味を持ったわ。でもねシャロンちゃんと貴方を初めて見た時に、貴方がロイと偽名を伝えてきたけど、 私には太一という名前が分かっていたの。ステータスにまで偽装を施しているこの人はどういう人なのだろう?それで貴方に特別な興味を持ったの。そしてあのオーブ、あのような壊れ方をしたのを見たのは初めてなの。おそらくギルドで私の取り巻き達にまた絡まれると思うけども、貴方ならうまく切り抜けられると思うの。私の事をちゃんと守りなさいね私の勇者様。いえ、守ってくださいませ!」
太一はふと思い出し、お揃いのデザインの戦闘服というか、冒険者用の服を出してエリカに渡す。
一種のワンピースのようだ。
ミニスカ仕様ではなく、踝辺りまである、そういったロングスカートな感じだ。
「俺の仲間になったんだ。折角だからこれを貰ってくれないか?これは最初に血を垂らした者の体に合ったサイズに自動調整してくれる服だ。俺とシャロンが着ている物とお揃いのデザインなんだ。矢を弾くし、防御力は抜群だと思うんだよ。それに何よりも君に似合うと思うんだ!俺にとって大切な女性に着て貰えたら嬉しいな」
エリカは嬉しそうに受け取り、その場で服を脱ぎ出した。慌てて太一は背を向けるが、恥ずかし気もなくエリカは下着姿になった。
「あのー、太一様?何を恥ずかしがっているんですか?出来ればこの服を私が着るのを手伝ってくれませんか?生地が厚くて一人では着られそうにないの。慣れたら一人で着れるかもだけど、今は無理ね」
と言われるが、下着姿のエリカにドキドキしていた。わざと胸を強調しバンザイをしているエリカに着せていく。その豊かな胸をついガン見してしまったのだが、それはご愛敬である。
そして躊躇無くナイフで指先を少し切り、服に血を1滴垂らした。するとサイズが変わって行く。服の状態を確かめているエリカは大いに驚いていた。
そうやってエリカはくるっと一回転して太一にお披露目し、去り際に
「隙き有り 」!
と言い放ち、太一の頬にキスをして部屋を去っていった。太一はポカーンとしていた。
明日は早い為、エリカはこれから眠るのだが太一はこの世界について少し勉強をする事にしていたのであった。
0
お気に入りに追加
196
あなたにおすすめの小説
コブ付き女サヨナラと婚約破棄された占い聖女ですが、唐突に現れた一途王子に溺愛されて結果オーライです!
松ノ木るな
恋愛
ある城下町で、聖女リィナは占い師を生業としながら、捨て子だった娘ルゥと穏やかに暮らしていた。
ある時、傲慢な国の第ニ王子に、聖女の物珍しさから妻になれと召し上げられ、その半年後、子持ちを理由に婚約破棄、王宮から追放される。
追放? いや、解放だ。やったー! といった頃。
自室で見知らぬ男がルゥと積み木遊びをしている……。
変質者!? 泥棒!? でもよく見ると、その男、とっても上質な衣裳に身を包む、とってもステキな青年だったのです。そんな男性が口をひらけば「結婚しよう!」??
……私はあなたが分かりません!
お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
異世界で【無職】に転生した俺はニートな人生を謳歌する。
ミカン♬
ファンタジー
前世ニートだった俺は事故で若死にし、異世界に転生。なぜか女神様から【レアスキル】を貰っていて、今世は人生を謳歌する予定だったのに、どんどんと厄介ごとに巻き込まれていく。俺の転生には謎がある? アサシンの執事にダンジョンに閉じ込められ、殺されそうになったけどコアと出会ってダンジョンマスターとなり、日本から禁忌の異世界召喚を受けた高校生たちを救う為に、属性ニートで怠惰な主人公が頑張るお話です。
そうだ!やっぱり異世界行こう!![農家の俺は異世界で暮らします]
モルモット
ファンタジー
家庭で尻に敷かれた生活をしていた主人公は離婚話までされてウツになっていました。でも異世界に転移して人生を見つめなおし、動物を仲間し、ブドウを栽培し、村を作って最終的には海の見える草原に素敵な教会を建てます。
主人公名前はトシユキ
少し気が弱かった彼は なーんにもできない人間です。(ほんとは、成果がでないだけです)
人生がうまくいかないのに さらに離婚話をされてしまい、
ちょっと ウツっぽくなっていたところで、事故にまであってしまいます・・・。
しかし 事故にあった先は 天国じゃなく神界! 異世界へ行きます。
スキル・アイテム解説
・「魔石召喚」・・魔石にアイテムを使うことで死者を蘇生します。蘇生すると術者はステータスをもらうことができる。(強くなる)
・「エナジー」・・魔物の使う技。魔力をオーラに変えて肉体を強化したり、使い方は多種多様。
・「魔石」 ・・魔力でできた石。魔物や生物の体に自然にできるもの。
・「魔法」 ・・火・水・風・土が基本ですが 物質的な性質があります。(道具的な魔法)
ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力!魔石を使っての魔法&スキル付与!この力で最強を目指す〜
KeyBow
ファンタジー
世界初のフルダイブ型のVRMMOゲームにダイブしたはずが、リアルの異世界に飛ばされた。
いきなり戦闘になるハードモードを選んでおり、襲われている商隊を助ける事に。
その世界はタワーがあり、そこは迷宮となっている。
富や名誉等を得る為に多くの冒険者がタワーに挑み散っていく。
そんなタワーに挑む主人公は、記憶を対価にチート能力をチョイスしていた。
その中の強化と鑑定がヤバかった。
鑑定で一部の魔石にはスキルや魔法を付与出来ると気が付くも、この世界の人は誰も知らないし、出来る者がいないが、俺にはそれが出来る!
強化でパラメータを上げ、多くのスキルを得る事によりこの世界での生きる道筋と、俺TUEEEを目指す。
タワーで裏切りに遭い、奴隷しか信じられなくなるのだが・・・
夫が離縁に応じてくれません
cyaru
恋愛
玉突き式で婚約をすることになったアーシャ(妻)とオランド(夫)
玉突き式と言うのは1人の令嬢に多くの子息が傾倒した挙句、婚約破棄となる組が続出。貴族の結婚なんて恋愛感情は後からついてくるものだからいいだろうと瑕疵のない側の子息や令嬢に家格の見合うものを当てがった結果である。
アーシャとオランドの結婚もその中の1組に過ぎなかった。
結婚式の時からずっと仏頂面でにこりともしないオランド。
誓いのキスすらヴェールをあげてキスをした風でアーシャに触れようともしない。
15年以上婚約をしていた元婚約者を愛してるんだろうな~と慮るアーシャ。
初夜オランドは言った。「君を妻とすることに気持ちが全然整理できていない」
気持ちが落ち着くのは何時になるか判らないが、それまで書面上の夫婦として振舞って欲しいと図々しいお願いをするオランドにアーシャは切り出した。
この結婚は不可避だったが離縁してはいけないとは言われていない。
「オランド様、離縁してください」
「無理だ。今日は初夜なんだ。出来るはずがない」
アーシャはあの手この手でオランドに離縁をしてもらおうとするのだが何故かオランドは離縁に応じてくれない。
離縁したいアーシャ。応じないオランドの攻防戦が始まった。
★↑例の如く恐ろしく省略してますがコメディのようなものです。
★読んでいる方は解っているけれど、キャラは知らない事実があります。
★9月21日投稿開始、完結は9月23日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
下剋上を始めます。これは私の復讐のお話
ハルイロ
恋愛
「ごめんね。きみとこのままではいられない。」そう言われて私は大好きな婚約者に捨てられた。
アルト子爵家の一人娘のリルメリアはその天才的な魔法の才能で幼少期から魔道具の開発に携わってきた。
彼女は優しい両親の下、様々な出会いを経て幸せな学生時代を過ごす。
しかし、行方不明だった元王女の子が見つかり、今までの生活は一変。
愛する婚約者は彼女から離れ、お姫様を選んだ。
「それなら私も貴方はいらない。」
リルメリアは圧倒的な才能と財力を駆使してこの世界の頂点「聖女」になることを決意する。
「待っていなさい。私が復讐を完遂するその日まで。」
頑張り屋の天才少女が濃いキャラ達に囲まれながら、ただひたすら上を目指すお話。
*他視点あり
二部構成です。
一部は幼少期編でほのぼのと進みます
二部は復讐編、本編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる