奴隷勇者の転生物語

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第三章 リブート編

第76話 聖女からの説明

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 ジークはぼうっとしていた。

「ジーク様?大丈夫ですか?顔色があまり良くありませんわ。外に井戸がありますから、冷水でお顔を冷やされるとスッキリするかもですわね」

「そうですね。確かに少し熱いので、顔を洗ってきます」

「入り口を出て左です。申し訳有りませんが、部屋の外にいる者達に中に入るように伝えてください」

「分かりました」

 ジークは皆の様子がおかしかったが、そんなに顔色が悪いのかな?と感じた。

 聖女様が皆に中に入るようにと言っているのと、顔を洗ってくる事を伝えるとドア番の一人が付き添ってくれた。

 その間、聖女が事情を説明した。

「先程の事を説明しなければなりません。まず私の先祖は勇者大輝様を召喚した王女の妹の血筋で、私はその王女の生まれ変わりなのだと言われる程そっくりです。現存する肖像画を見るに、確かに似ております。ジーク様は勇者大輝様の転生体で間違いありません。そしてその容姿から私の事を王女だと誤認識しております。何が有ったかは見ての通りで、王女は大輝様を奴隷としており、性的な奉仕をさせていたと記されています。つまりペットとして飼っていたのです。その罪によりかの王女は名を奪われ、勇者大輝様を召喚した王女としか記録がありません。大輝様はああやって挨拶代わりに舐めさせられており、とても口に出せる事ではありませんが、かなり酷い事をさせられていたようです。彼の名誉の為に知るのは私とカレンで最後です。皆を外に出す前の事も他言無用でお願いします。」

 聖女は皆を見て、頷くのを待った。

「また、彼の呪縛を解く為に、私は彼にこの身を捧げねばなりません。先祖の犯した罪を償い、彼を勇者に戻す事が私の定めなのです。よって今日この場で聖女を引退いたします。聖女は純潔が条件ですが、私が演じる王女からの最後の命令を出します。今まで尽くしてきた事への褒美として私を抱く許可を与え、それを最後に奉仕も終わると魂に刻まねばなりません」

「そ、そんな!聖女様が?」

「そうしなければジーク様はいずれ心の均衡が崩れ、発狂します。これもかの王女の所為です。それと私はジーク様に嫁ぐだけですから。私は幼き頃よりジーク様の妻の一人になるべく育てられており、彼に嫁ぐ事が私の夢でした。予知夢で散々彼に優しくされており、惚れているのです。ただ、今までお顔が見えなかったのですが、私の理想の御方ですわ。この決定も私が心から望み、既成事実から妻にして貰おうという企みからであり、浅はかな女なのですよ」

「分かりました。そういう事にしておきます」 

 そうしていると、ジークが戻ってきたのであった。
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