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第1章 王都編

第100話 サンタナ粗末なモノを御開帳す

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 サンタナの攻撃はまるで子供のそれだ。
 身の丈に合わないような背丈程もある大剣を振るっているが、軽々と扱っている。

 ガキーン!ガキーン!まるでショートソードを振るっているかのような剣速。

 ブンッ!
 その1振りを視認できる者は少ない。
 気が付いたら振り抜かれていたレベルだ。
 1振りで馬を両断できるようなそれである。

 しかし、目に見えない何かに阻まれて相対している者の体に届かない。

「くそ!くそ!くそがぁぁあ!」

 勿論俺の結界で防ぐ。

「サンタナ!もうよせ!ずらかろうぜ。流石にまずいぞ」

「っち!」

 サンタナのターゲットがソシアに向いた。

 俺は・・・ソシアを結界で囲みつつ・・・ほりゃあぁ!

 ずてん・・・

 サンタナがずっこけて顔面から地面にダイブしております。

 ブーツの紐を両足共切ってやったので、足がもつれて転けたんだよ。

 で、流石に俺が何かしたと気が付き、立ち上がると再び俺に剣先を向けてきましたが・・・

 キャーとか小せぇとか聞こえます。
 サンタナの周りには細切れになったズボンの残骸が転がっております。

 多分スースーするな?と違和感を感じただろうけど、ずり落ちた訳では無い。

 俺の結界にて細切れになったズボンは風で周りに落ちていった。

 クルシュさんに言われ、細かい制御の練習を毎朝していたんだけど、靴の紐だけを切ったり、服を切り裂いたりと最近漸く色々出来るようになったんだ。

 怪我をさせない範囲で懲らしめようとした時に役に立つと言われていた。

 他の使い方として剣を柄のところで切断すれば戦意を失くすだろう。
 引かなければ愛用の剣を心ごと折ってやろう!

 俺は一応剣を左手に持っている。
 結界を細かく制御する時はまだ右手を前に翳さないとできない。

 サンタナは笑われていた。

 怒りで顔を真っ赤にしながら剣を構え、俺にジリジリと近付いて来る。
 しかし、御開帳でしまりのない格好だ。
 俺は吹き出すのを我慢するのが精一杯だ。

「ふふふ!貴方が馬鹿にしたベッカードの方が大きいわね!いや、貴方のが小さいのかしら!?」

 クラシス姉がサンタナの股間を見ながら感想を述べた。

「あっ!確かにランスタッドのと比べると随分小さいね」

 マリニアも述べる。
 言っておくがマリニアとは体の関係になってはいない。子供達を風呂に入れる時にいつしか一緒に入るようになっていた。
 ヤーナ、ソシア、スニシスも一緒に入り背中を洗いあう。
 俺は知らなかったが、どうやら貴族の風呂は混浴が当たり前のようだ。
 胸や股間も見えているが一切隠すような事がなく、当たり前のようにしているのだ。

 だから目に入っても意識しないようにしているが、彼女達は俺の股間をまじまじと見ていたのか?

 勿論そんな事はない。
 ヤーナの入れ知恵で堂々と一緒に風呂に入ればそのうち誰かに手を出そうとするだろう。
 そうしたらなし崩し的に我慢出来なくなるから、一緒にお嫁さんになろう!そう言う計画だ。

 流石にサンタナも皆の痛い視線に気が付いたようだ。

 恐る恐る視線を下に向けると・・・

「なんじゃこりゃああああ!」

 周りがクスクスと笑うが、1人サンタナのみ怒り狂っていたが、ギルミーが何かを地面に投げ付けると大量の煙が出て、煙が消えた時には既に2人の姿は無かったのであった。
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