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第1章 王都編

第79話 訓練

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 人の教育や配置、仕事については問題なく運用出来るようになっていた。
 性奴隷だった者達の傷は深いようで、焦らずじっくり慣れて貰わないとだ。

 ただ、館の規模と使用人の人数が合わない。
 バードトリックも中級として活動するし、稼ぎの一部を館の運用費として入れてくれる。
 有り難い。
 奴隷から開放した段階で自由だとしたのだが、同じ屋敷にいた元奴隷として多少の情が湧いているのだろう。
 執事長かメイド長から聞いたのだろう。

 この2人は名前で呼ばない事になった。
 貴族の使用人はメイドや執事は名前だが、執事長とメイド長は立場がある為に役職名で呼ぶのが慣例で、それを踏襲しているのだとか。
 セバスチャンとメアリーと名付けたいくらいだが、口に出そうになった。

 この2人は素人の俺にでも分かるが、かなり優秀だ。
 メイド長は末恐ろしい。まだ25歳前後に見えるが、まるで老齢なメイド長のようにテキパキと指示を出している。

 午前中はマリニア、スニシス、ソシアに訓練をつける。
 護身術を兼ねた近接戦闘だ。
 また、基礎体力作りをしたりする。
 子供達はかまってちゃんで、庭先での訓練を見ており、重り代わりに各自の足に座らせたりさせていた。

 俺がお願いすると嬉しそうに駆けてくる。
 大人の役に立てるのが嬉しいようだ。
 リリアーナ等はメイドから指導を受けて、メイド見習いをすると言い出した。

 本人の意志は尊重する。
 15歳になった時にどんなギフトを授かるか?それ次第だがメイドとして教育を受けるのは悪い話ではない。

 こんな話を聞いた事がある。
 有力貴族や王族の娘は、10歳になると家名を偽って他家のメイドに預けられ、1年ほど奉公に出すのだとか。

 話が脱線したが、みんな動き出した。

 マリニア達の訓練をバードトリックが受けてくれるようになった。
 暫く屋敷の警護ばかりさせられており、その影響から体力の低下が著しく俺と一緒に朝走るようになった。
 そんな中ふとマリニア達の訓練について聞いてみたんだ。

 勿論ただではない。
 俺の収納にある魔物の討伐部位を渡し、C級からB級の依頼を受けた事にするようにした。
 それもあり、毎朝夕にマリニア達とヤーナの所に行っている。
 彼らもお金を稼がなきゃなので渡りに船だった。

 俺はその間を利用して短期で稼ぐ事にした。
 以前サンタナ達のところにいる時に潜っていたダンジョンに行く事にしたのだ。

 当時サンタナはA急になり、途中まで攻略をしていたが、ある貴族と揉めた為に王都を離れた。
 俺は単独そのダンジョンの続きを探索する。
 地下型のダンジョンで、42階層まで攻略しており、50階層が最奥だと想定されていた。

 ダンジョンは階層の入り口横に転移陣があり、そこに立つと入り口へ行ける。
 勿論ダンジョン入り口にも転移陣があり、到達階層への転移が発動する。

 取り敢えず4日間入り浸る事にし、俺は1人、王都にある未攻略ダンジョンの1つに2年振りに足を踏み入れるのであった。
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