上 下
71 / 119
第1章 王都編

第71話 鍛えて欲しいぞ!

しおりを挟む
 3人に討伐証明部位の切り出しを指示した。

 先程のことを抗議していたが、本当に俺と分断された時の事を考えなければならないから、その時に備えての訓練だと告げた。血の臭いに魔物が引き寄せられるからと、討伐証明部位と魔石の抜き取りを師事したのだ。

 ソシアは初めての事に気絶し掛かったが、後ろから手を握り一緒に行ってからは落ち着いたのか1人でできていた。

 いきなり、それも強引に行ったが、なるべく早く1人前とはいかなくとも、自衛や補助をする位にはなってもらう必要がある。

 今の彼女はヒールも切り傷までで、今回俺が負ったような深手には対処できない。

 そのくせ大聖女の固有ギフトの死者蘇生と欠損修復が行ける。
 魔力がまだ少ないから1人が限界だが、ソシアの命が最優先だ。

 俺は相手と刺し違えてもよい。
 彼女にはもしも自分1人しか生き残れなかった場合の蘇生順番を伝えた。
 俺は悪いが最初だ。
 魔力タンクとして機能するからだ。

 また、いきなり魔物の討伐にしたのは、危機意識を持って貰う為だ。

 口でいくら言っても意味を成さない。
 経験のみ響くからだ。
 マリニアは解体は先日オークで散々やらせたからか、スニシスに教えながらやっていた。
 歳は1つしか違わないからか妙に馬が合うようだ。

 性格の違いだろうか?
 ただ、マリニアはソシアと殆ど話をしない。
 スニシスは生い立ちを話さないが、奴隷にされていた共通点からかソシアを何かと気に掛けていた。

 取り敢えず当面は魔物は小出しで依頼をこなした事にし、冒険者ランクを上げて行こう。

 但し、ソシアの体力の無さは閉口レベルだったから、明日からは体力作りを行おう。

 多少鍛えたとはいえ、マリニアはモデル体型だ。その胸も・・・
 ランニングをしてもタプンタプンしないんだ。スニシスがタプンタプンしていて羨ましそうに見ているのを俺は知っている。

 2人の中間がソシアだ。
 大中小・・・

 帰りはソシアには限界まで歩かせる。
 これも体力作りの一環だ。

 魔物の死体を収納してから撤収したが、やたらとオークに襲われたな。
 しかもおっ立てていたからアイツラは俺の背中に隠れる始末。

 先が思いやられる。
 男に対して免疫が少な過ぎるんだよな。
 これは風呂を一緒に入り、背中を流させよう。
 勿論俺は目隠しをするが、冒険者たるもの異性の裸を見ても平然としていなければならない。
 だからだ。

 街道に出るまではソシアに無理をさせて歩くようにさせた。
 ゴールが分かればなんとか奮い立たせられるものなんだよな。

 その後おんぶして町の近くまで歩く事にした。

「私重くないですか?」

「軽過ぎるぞ。沢山食って体力を付けるんだ。今は病的に細い。もう少し健康的な膨らみがあると、魅力が増すぞ。おいマリニアにスニシス、お前らもだぞ。間違ってもダイエットなんてするなよ。もっと肉を食べて鍛えろ。今の細さを目指していた訳じゃないんだろ?」

「ランスタッドってソシアさん位細い女性が好みじゃなかったの?」

「ふくよかなのは苦手だ。だから俺はお前らがそうなったら悲しいが、適度に引き締まった体は素晴らしいぞ!動きにキレが出るし、タフにもなる。痩せ過ぎも苦手だな。壊れそうで見ていられないのさ。恋人にする好みじゃなく、眺めるだけの対象なら今の細さかな」

「分かったよ。ランスタッドの好みの体格になるように頑張るよ!」

「マリニア?方向性を間違えるなよ?俺の好みはどうでも良いが、まあ、俺の好みはきたえ過ぎず適度に腹筋がある感じだな。女性らしい柔らかさとのバランスが・・・つまりだ、痩せて細いのと、鍛えてすらっとしているのは別物だ。俺は適度にしまった体に魅力を感じる!冒険者はそういうものだと以前言っていたろ?今更隠しても仕方がないからな」

「そうだったね・・・」

 ソシアがマリニアに何の話か聞きたがっていた。俺がマリニアを男だと思って女の好みを洗いざらい話していたから今更だ。

 背中に感じるソシアの感触は良かったが、やはり骨ばっているなと感じた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ドロップキング 〜 平均的な才能の冒険者ですが、ドロップアイテムが異常です。 〜

出汁の素
ファンタジー
 アレックスは、地方の騎士爵家の五男。食い扶持を得る為に13歳で冒険者学校に通い始めた、極々一般的な冒険者。  これと言った特技はなく、冒険者としては平凡な才能しか持たない戦士として、冒険者学校3か月の授業を終え、最低ランクHランクの認定を受け、実地研修としての初ダンジョンアタックを冒険者学校の同級生で組んだパーティーでで挑んだ。  そんなアレックスが、初めてモンスターを倒した時に手に入れたドロップアイテムが異常だった。  のちにドロップキングと呼ばれる冒険者と、仲間達の成長ストーリーここに開幕する。  第一章は、1カ月以内に2人で1000体のモンスターを倒せば一気にEランクに昇格出来る冒険者学校の最終試験ダンジョンアタック研修から、クラン設立までのお話。  第二章は、設立したクラン アクア。その本部となる街アクアを中心としたお話。  第三章は、クラン アクアのオーナーアリアの婚約破棄から始まる、ドタバタなお話。  第四章は、帝都での混乱から派生した戦いのお話(ざまぁ要素を含む)。  1章20話(除く閑話)予定です。 ------------------------------------------------------------- 書いて出し状態で、1話2,000字~3,000字程度予定ですが、大きくぶれがあります。 全部書きあがってから、情景描写、戦闘描写、心理描写等を増やしていく予定です。 下手な文章で申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。

いじめられて死のうとしていた俺が大魔導士の力を継承し、異世界と日本を行き来する

タジリユウ
ファンタジー
 学校でのいじめを苦に自殺を図ろうとする高校生の立原正義。だが、偶然に助かり部屋の天井に異世界への扉が開いた。どうせ死んだ命だからと得体の知れない扉へ飛び込むと、そこは異世界で大魔導士が生前使っていた家だった。  大魔導士からの手紙を読むと勝手に継承魔法が発動し、多大な苦痛と引き換えに大魔導士の魔法、スキル、レベルを全て継承した。元の世界と異世界を自由に行き来できるようになり、大魔導士の力を継承した正義は異世界と日本をどちらもその圧倒的な力で無双する。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

おおぅ、神よ……ここからってマジですか?

夢限
ファンタジー
 俺こと高良雄星は39歳の一見すると普通の日本人だったが、実際は違った。  人見知りやトラウマなどが原因で、友人も恋人もいない、孤独だった。  そんな俺は、突如病に倒れ死亡。  次に気が付いたときそこには神様がいた。  どうやら、異世界転生ができるらしい。  よーし、今度こそまっとうに生きてやるぞー。  ……なんて、思っていた時が、ありました。  なんで、奴隷スタートなんだよ。  最底辺過ぎる。  そんな俺の新たな人生が始まったわけだが、問題があった。  それは、新たな俺には名前がない。  そこで、知っている人に聞きに行ったり、復讐したり。  それから、旅に出て生涯の友と出会い、恩を返したりと。  まぁ、いろいろやってみようと思う。  これは、そんな俺の新たな人生の物語だ。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。 異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。 そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。 異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。 龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。 現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定

処理中です...