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序章 私刑人誕生編

第20話 日常

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 俺は朝早くマリニアに起こされた。
 もう少し優しく扱えないかなぁと思う。
 布団をビシバシ叩くんだぜ!

 眠い目を擦り、現状を把握する。
 薄明かるいな・・・朝か。
 起きるのが面倒くさい・・・

「起きるのが面倒だからもう少し寝かせてー」

 呆れ顔のマリニアだが、ため息をつくと俺の布団を剥ぎ取りに掛かりやがった・・・ドスン
 床に落ちたじゃないか!
 先輩冒険者を何だと思っているんだよ!

「あいててて。何するんだよ!」

「まだお酒が残っているんですか?もう朝ですよ!往生際が悪いランスタッドなんて情けないったらありゃしないよ!それに今日は魔物をやっつけに行くんでしょ!」  

 俺はそうだったなぁと思い出し、仕方なく起きる。
 昨夜は大変だったんだぞ!
 と言えもせず諦めて起きた。

「顔を洗ってくる」

 俺は廊下を進むが、柱に頭を打ち、床に置いてある物に躓いたりしながら流しに着いた。

 顔を洗い髭を剃るが、水が冷たいぞ・・・これだから安宿は・・・
 口に出しても言虚しくなるが、ついぼやく。
 そう言えば、どうでも良いがマリニアが髭を剃っている所は見た事が無いな。
 まだ髭が生えていないのか?羨ましいな。
 髭を剃るのって面倒なんだよな。

 顔を洗ってスッキリした所で部屋に戻ると、既にマリニアは着替えを済ませていたがいつもながら早いな。

 部屋に戻るとマリニアは俺の服やら装備をベッドに置いてくれている。

 マリニアは脱ぎ散らかした服を見るのを嫌がるので、専用のカゴに着ていた服を入れる事になった。
 俺はそ盧カゴにクリーンを掛ける。
 まあ、確かに他の人のパンツを穿きたくはないわな。
 きれいになった服をクローゼットに入れるのだが、俺のカゴも用意していて、俺のもクリーンを掛けた後クローゼットにしまうんだ。
 いや、しまってくれております。

 几帳面で綺麗好きなんだよな。
 いくらクリーンがあるからと言っても、同じ服を着っぱなしなのは駄目らしい。

 まあ、片付けをしてくれるから言う事を聞いているんだけどな。
 何か新婚の奥さんみたいだ。

 マリニアに出会う前はそんな事は面倒だから、ボロボロになるまで着続け、そうなったら予備の服に変えて新しいのを買うのを繰り返していたよ。
 マリニアと一緒に過ごすようになってから、明らかに生活の質が向上しているよな・・・うん。

 但し、武器や防具の手入れは別だ。
 こればかりは命に関わるから面倒だなぁと言ってはいられないので、真剣にやるんだ。

 部屋を戻ると軽装に着替え、朝のランニングに訓練と日常のそれだ。
 今朝は下町を避けた。
 毎度私刑をした所にランニングしていると流石に疑われる?からだ。

 走りながらマリニアの脚などに触れていく。

「なっ!何するの?」

「少し筋肉が着いてきたな。このまま体力が着けばもう少し長い時間か近接武器の訓練が出来そうだな。いい感じだぞ!」

「あっはい!ボク頑張るよ!」

 俺は時々マリニアの脚や腕等に触れて確認するが、確かに無駄な肉が落ちてきたが体質か、女のように細い。
 まだまだこれからか。

 俺はやはり後方支援がメインか?
 いや、結界と先読みは明らかに近接向きだ。
 結界は術者から離れた所にも発動出来るが、距離に比例して消費魔力が上がるから離れた所へ放つのは負担が大きく、数を出せない。
 暫くはマリニアを近接武器担当にし、後に後衛をさせるか?
 近接武器を使える後方支援者は強い。

 後方支援者がやられるのは殆どが敵に接近を許してしまい、近接戦闘で殺られる。
 だから不意に魔物が目の前に現れても戦えるようにしたい。

 だが、今日は魔法を試すから、俺が前だな。
 等と走りながら今後のプランを立てる。

 食後にギルドに行きマリニアがやれそうな依頼を探す。
 今回はDランクの依頼で、リザードマンの駆除だ。
 町から1時間程の街道に複数現れたそうだ。

 こんな普通の冒険者がする日常も良いな。

 少し気になる事がある。
 マリニアはしっかりしている!いや、し過ぎている。
 これではどちらが歳上か分からないという話もあるが、男にしては細か過ぎるのと下ネタを極端に嫌う。
 ギルドでも下世話な話が聞こえるとあからさまに嫌な顔をする。

 まあ、自信がないのか?
 詮索は無しだ。
 さてさて、討伐依頼をサクッとこなしますか!
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