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アーカイブⅠ
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翌日。
箱根観光もそこそこに俺たちは東京に戻ってきた。
そして、今いるのは赤坂にあるDDD本部の目の前だ。
俺は市販のスーツ姿、紫苑はDDD支給の高そうなスーツを着ていた。
「じゃ、いこっか」
俺は静かにうなずき紫苑の後についていく。
DDD本部の入り口は厳重で外部の者が無断で入ってこれないように様々なセキュリティが稼働している。
が、今ここにいるのはDDD序列1位の紫苑だ。
警備員たちは彼女を呼び止めることなどしない。
そのまま紫苑は厳重な入り口を素通りしていく。
そう、顔パスというやつだ。
さて、じゃ、俺も後に続きますかね。
と、足を一歩踏み出した瞬間に、警備員の一人に肩を掴まれた。
「部外者の入館はお断りしています」
「いや、部外者じゃないから、紫苑の付き添いで来ただけだから!」
「お前が? は? そんなわけなかろう。お前のような幸薄そうなガキが紫苑様の付き人であるはずがない。つくならもっとましな嘘をつくべきだった」
「あ、あれ?????」
こっちの言い分はまるで無視。
挙句、俺を抱え上げ外に連れ出そうとする。
「なあ~! おいーー! 紫苑! 聞こえてんだろ! 助けろや」
「お前、マジ、後で覚えとけな」
「あはははははは! いいじゃんいいじゃん、通してもらったんだから」
「お前がもっと早く来て手助けしてくれたら、連れ去れれるようなことはなかったんだ!」
「あ~、そう言うこといちゃうんだ。ふ~ん、いいの? これ、必要でしょ?」
そう言って紫苑は一枚のカードを取り出した。
それはDDDにとっては命ともいえるIDカード。唯一自分がDDDであるということの証になる重要な代物だ。
あれが無くてはアーカイブの閲覧どころかDDD本部に入ることすらも不可能。
「あ~どうしようかな~これ」
大事なIDカードをペラペラと見せびらかしてくる。
「わーたわーた、もう文句言わねぇから」
「よろしい」
上機嫌になった紫苑はそのままアーカイブのある部屋まで連れて行ってくれた。
「アーカイブ。久しぶりに来たな」
そこは今までの部屋いや、施設内と構造そのものが大きく変わっていた。
そこままるで細く丸い棟の中のようになっていた。
円の淵部分には足場があるが、案の中央部分は完全に吹き抜けになっており、今いる最上段から見下ろしても真下がはっきりと見える。
高さはおよそ地下に150メートルほどだった気がする。
最上部には唯一円の中に続く渡橋がある。
そして、その中央にはバカでかいコンピュータが設置されている。
あれこそがここの頭脳部。アーカイブだ。
俺はいつも通りアーカイブの前まで行き、起動する。
「なぁ、今ここに他の奴らはいないよな?」
「うん、私がここ使うって言うとみんな使わなくなるから平気」
「だろうな」
DDD局員の中でトップクラスのアクセス権限を持つ紫苑。
だから、彼女がここで閲覧する内容によっては他の局員が見てはいけない機密情報があったりする。
それを回避するため、他の局員がアーカイブを使っているとき、権限の低い局員はアーカイブのある部屋には入ることが出来ないようになっている。
「じゃ、遠慮なく調べますか」
カタカタカタカタ。と軽快にキーボードを叩いていく。
「お、出たな」
ディスプレイに映し出されたのは、DDD本部襲撃事件の捜査報告書だ。
「まずはここから確認していこう」
この事件に関してはほとんど情報を知らないから、一から見ていこう。
侵入されたのは言わずもがな、赤坂にあるDDD本部、つまりここだ。
被害に関しては、警備員が三名死亡。局員の一名は左手切断の重症。
この局員ってのはクロエさんのことだろう。
他の警備員に関しては、あんまり情報が得られる者がないな。ヴェスパーと繋がっているわけでもなさそうだ。本当にただ巻き込まれただけといった感じだ。
この事件の目的は分からないが、アーカイブを閲覧したということだけは分かっている。
そこで何の情報を得て何をしようとしているかまではまだ分かっていないようだ。
そんで、これが、ヴェスパーが犯人であるとされる証拠。
画面に映し出されたのは被害者の腕時計。そして、その近くの地面には「♀」の血文字。
腕時計の時刻は午後6時を指していた。
アナログ型の腕時計だが、日付は事件当日を表示しており、前日の日付は見えていなかった。
午前6時であれば、日付表示の部分は前日の日付が少し見えるくらいになっているはず。だから、DDDはこの6時は午後であると判断したらしい。
そう、ここだ。
俺が最初にこの事件の話を聞いたとき、ここに引っかかりを覚えたんだ。
いや、時計の時刻が午後の6時であるという推理は間違っていないし、俺もそうだと思う。
だが、ダイイングメッセージの為に時計の時刻を戻したことに違和感があった。
アナログ型の腕時計の時刻を巻き戻すためには、りゅうず(側部にあるねじのようなもの)を回さなければならない。
死の間際にそんなことをする余裕があるのか?
俺はそう思った。
けど、実際に死に際なんか体験したことないし、もしかしたら本当にそのくらい動けたかもしれない。これはあくまで憶測にすぎない。
そして、もう一つ引っかかったことがある。
それは血文字の位置と腕時計を巻いている場所だ。
男性の右手には血が付いており、恐らくはその手についた血で「♀」の文字を書いたのだろう。同時に左手にも血がついていた。
そう、どっちの手でもメッセージを残せるこの状況を見れば、この被害者男性は間違いなく右利きだろう。
だが、腕時計をしていたのは右腕だった。
多くの場合、右利きの人は左腕に時計を巻く。右腕に巻くのは左利きの人だ。
つまりこの人は左利きのはずなのに右手でダイイングメッセージを残してことになる。
まぁ、今は右利きだろうが左利きだろうが腕時計を付けるのはどっちみたいのはあんまりないらしいけど。
だから、まだ、これだけじゃ証拠として不十分。
これまでの推理はクロエさんからもらった写真を1枚見ただけで導いたものに過ぎない。
だから、まだ俺の推理は穴だらけだった。
だけど、今ここに来て、俺の推理は現実となった。
まず、被害者男性は俺の思った通り左利きだった。
そして、もう一つ分かったことは、りゅうずに血がついていなかったことだ。
両手に血が付着しているのにりゅうずに血がついてないということはこの警備員自身が時計を巻き戻したわけではないということだ。
この時点で残されていたダイイングメッセージがフェイクであることがほぼ確定した。
が、ここで新たな疑問が生まれた。
これだけの情報があれば、ヴェスパーが犯人ではない可能性にDDDは気が付いているはず。
それなのに捜査資料にはほぼヴェスパーの仕業で間違いないと書かれていた。
「………………」
気にはなるが、考えるのは後にしよう。ここには情報を得に来たのだから。
箱根観光もそこそこに俺たちは東京に戻ってきた。
そして、今いるのは赤坂にあるDDD本部の目の前だ。
俺は市販のスーツ姿、紫苑はDDD支給の高そうなスーツを着ていた。
「じゃ、いこっか」
俺は静かにうなずき紫苑の後についていく。
DDD本部の入り口は厳重で外部の者が無断で入ってこれないように様々なセキュリティが稼働している。
が、今ここにいるのはDDD序列1位の紫苑だ。
警備員たちは彼女を呼び止めることなどしない。
そのまま紫苑は厳重な入り口を素通りしていく。
そう、顔パスというやつだ。
さて、じゃ、俺も後に続きますかね。
と、足を一歩踏み出した瞬間に、警備員の一人に肩を掴まれた。
「部外者の入館はお断りしています」
「いや、部外者じゃないから、紫苑の付き添いで来ただけだから!」
「お前が? は? そんなわけなかろう。お前のような幸薄そうなガキが紫苑様の付き人であるはずがない。つくならもっとましな嘘をつくべきだった」
「あ、あれ?????」
こっちの言い分はまるで無視。
挙句、俺を抱え上げ外に連れ出そうとする。
「なあ~! おいーー! 紫苑! 聞こえてんだろ! 助けろや」
「お前、マジ、後で覚えとけな」
「あはははははは! いいじゃんいいじゃん、通してもらったんだから」
「お前がもっと早く来て手助けしてくれたら、連れ去れれるようなことはなかったんだ!」
「あ~、そう言うこといちゃうんだ。ふ~ん、いいの? これ、必要でしょ?」
そう言って紫苑は一枚のカードを取り出した。
それはDDDにとっては命ともいえるIDカード。唯一自分がDDDであるということの証になる重要な代物だ。
あれが無くてはアーカイブの閲覧どころかDDD本部に入ることすらも不可能。
「あ~どうしようかな~これ」
大事なIDカードをペラペラと見せびらかしてくる。
「わーたわーた、もう文句言わねぇから」
「よろしい」
上機嫌になった紫苑はそのままアーカイブのある部屋まで連れて行ってくれた。
「アーカイブ。久しぶりに来たな」
そこは今までの部屋いや、施設内と構造そのものが大きく変わっていた。
そこままるで細く丸い棟の中のようになっていた。
円の淵部分には足場があるが、案の中央部分は完全に吹き抜けになっており、今いる最上段から見下ろしても真下がはっきりと見える。
高さはおよそ地下に150メートルほどだった気がする。
最上部には唯一円の中に続く渡橋がある。
そして、その中央にはバカでかいコンピュータが設置されている。
あれこそがここの頭脳部。アーカイブだ。
俺はいつも通りアーカイブの前まで行き、起動する。
「なぁ、今ここに他の奴らはいないよな?」
「うん、私がここ使うって言うとみんな使わなくなるから平気」
「だろうな」
DDD局員の中でトップクラスのアクセス権限を持つ紫苑。
だから、彼女がここで閲覧する内容によっては他の局員が見てはいけない機密情報があったりする。
それを回避するため、他の局員がアーカイブを使っているとき、権限の低い局員はアーカイブのある部屋には入ることが出来ないようになっている。
「じゃ、遠慮なく調べますか」
カタカタカタカタ。と軽快にキーボードを叩いていく。
「お、出たな」
ディスプレイに映し出されたのは、DDD本部襲撃事件の捜査報告書だ。
「まずはここから確認していこう」
この事件に関してはほとんど情報を知らないから、一から見ていこう。
侵入されたのは言わずもがな、赤坂にあるDDD本部、つまりここだ。
被害に関しては、警備員が三名死亡。局員の一名は左手切断の重症。
この局員ってのはクロエさんのことだろう。
他の警備員に関しては、あんまり情報が得られる者がないな。ヴェスパーと繋がっているわけでもなさそうだ。本当にただ巻き込まれただけといった感じだ。
この事件の目的は分からないが、アーカイブを閲覧したということだけは分かっている。
そこで何の情報を得て何をしようとしているかまではまだ分かっていないようだ。
そんで、これが、ヴェスパーが犯人であるとされる証拠。
画面に映し出されたのは被害者の腕時計。そして、その近くの地面には「♀」の血文字。
腕時計の時刻は午後6時を指していた。
アナログ型の腕時計だが、日付は事件当日を表示しており、前日の日付は見えていなかった。
午前6時であれば、日付表示の部分は前日の日付が少し見えるくらいになっているはず。だから、DDDはこの6時は午後であると判断したらしい。
そう、ここだ。
俺が最初にこの事件の話を聞いたとき、ここに引っかかりを覚えたんだ。
いや、時計の時刻が午後の6時であるという推理は間違っていないし、俺もそうだと思う。
だが、ダイイングメッセージの為に時計の時刻を戻したことに違和感があった。
アナログ型の腕時計の時刻を巻き戻すためには、りゅうず(側部にあるねじのようなもの)を回さなければならない。
死の間際にそんなことをする余裕があるのか?
俺はそう思った。
けど、実際に死に際なんか体験したことないし、もしかしたら本当にそのくらい動けたかもしれない。これはあくまで憶測にすぎない。
そして、もう一つ引っかかったことがある。
それは血文字の位置と腕時計を巻いている場所だ。
男性の右手には血が付いており、恐らくはその手についた血で「♀」の文字を書いたのだろう。同時に左手にも血がついていた。
そう、どっちの手でもメッセージを残せるこの状況を見れば、この被害者男性は間違いなく右利きだろう。
だが、腕時計をしていたのは右腕だった。
多くの場合、右利きの人は左腕に時計を巻く。右腕に巻くのは左利きの人だ。
つまりこの人は左利きのはずなのに右手でダイイングメッセージを残してことになる。
まぁ、今は右利きだろうが左利きだろうが腕時計を付けるのはどっちみたいのはあんまりないらしいけど。
だから、まだ、これだけじゃ証拠として不十分。
これまでの推理はクロエさんからもらった写真を1枚見ただけで導いたものに過ぎない。
だから、まだ俺の推理は穴だらけだった。
だけど、今ここに来て、俺の推理は現実となった。
まず、被害者男性は俺の思った通り左利きだった。
そして、もう一つ分かったことは、りゅうずに血がついていなかったことだ。
両手に血が付着しているのにりゅうずに血がついてないということはこの警備員自身が時計を巻き戻したわけではないということだ。
この時点で残されていたダイイングメッセージがフェイクであることがほぼ確定した。
が、ここで新たな疑問が生まれた。
これだけの情報があれば、ヴェスパーが犯人ではない可能性にDDDは気が付いているはず。
それなのに捜査資料にはほぼヴェスパーの仕業で間違いないと書かれていた。
「………………」
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