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狼少女編
大きくなりました
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あれから6年。俺は11歳となった。
いや~、外人の発育ってすごいね。今の俺は160cm以上に成長したよ。前世じゃ大人になっても165cmしかなかったけど、この年でここまで成長するなんてな。
「ちょっとどきなさいよデカブツ」
「無駄にでかくなったよね~」
……うん、俺がデカイわけじゃない。姉たちが小さすぎるんだ。だってステイン兄さんは14歳でもう160cmは超えたって聴いてるもん。今じゃ190cm以上もある筋肉ムッキムッキの巨漢だもん。
それに比べて姉さん達が小さいんだよ。なんでもう19になるのに俺より小さいの?ロりなの?
「フン!」
「うぎゃっ!?」
ステラ姉さんがいきなり俺の弁慶を蹴ってきた。
「何すんだ姉貴!?」
「なんか失礼なこと考えてたでしょ!?」
なんでわかるんだよ!?あんたも読心使えるのか!?
「それで、何の用です」
「うん、チャリッシュのことなんだけど…‥」
チャリッシュ。6年前我が家に来た獣人少女である。
今はメイドとしてウチで働いており、母さん達にも使用人達にも可愛がられている。
最初は無表情だったが根気よく付き合うことで心を開いてくれた。今では普通に笑い、普通に怒り、普通に生きている。
「チャリッシュに服を買ってあげたから一度見てきなさい。逃げたら承知しないんだからね!」
「はいはい……」
俺は姉たちに連れ去られて屋敷内へと入った。
「チャリッシュ入るわよ~」
「ちょっとステラ、ノックぐらいしなさいよ」
「いいじゃないアウラ。チャリッシュとは姉妹同然なのよ」
「……それ私の部屋も無断で入るってことね」
ステラ姉さんの傍若無人な言葉に半目で軽く睨むアウラ姉さん。
「あ、ステラ様にアウラ様にライト様。おはようございます」
チャリッシュは慌てることなく挨拶する。
腰まで届く銀髪と同じ色をした犬耳。満月のような金色の瞳に雪のように白く、そして繊細な肌。文句なしの美人だ。
「いやさ~、新調した新しい服をライトにも見せてやろうって話よ」
「そうですか。まあ、別にいいけど」
その場で一回転するチェリッシュ。
彼女はメイド服を着ていた。といっても一般的なメイド服ではなく、秋葉で見るような露出の多いミニスカメイドだ。
大方ステラ姉さんと母さんの趣味だろう。母さんはこういうの得意だからオリジナルの服を作って姉さんたちに着せ替えするのだ。……俺と兄さんもどれあけヒドイ目に遭わされたことか。
「それで、どう?」
「……どうって何だよ?」
「言わなくたって分かってるくせに~」
ステラ姉さんとアウラ姉さんがニヤニヤしながら俺に詰め寄る。……この姉貴どもは。
「そんなの言わなくても分かってるだろ。………滅茶苦茶綺麗だよ、チェリッシュ」
俺は思ったことを正直に言った。
途端、三人の表情は一変した。姉さん達はニヤニヤした顔からポカンと、チャリッシュは無表情からみるみる顔を赤くして目を丸くした。
「ちょ…ちょちょちょ! 何使用人を口説いてるのよ!? お姉ちゃんはそんなスケコマシに育てた覚えはありません!」
「ら、ライトってそんな歯の浮くようなセリフを何の抵抗もなく言えるんですね。なんか幻滅…‥」
「なんでだよ!? 俺はただ思ったことを言っただけだぞ! こういったものはホントのことを言わなくちゃ通じないだろ!」
こういうのは曖昧にしても通じない。だから思ったことをストレートに言わなくては伝わらないのだ。
「そういう問題じゃないんだよね。ほらチャリッシュの方見てよ」
「何言ってんだアウラ姉……なにしてんだチャリッシュ?」
アウラ姉の指さす先に目を向ける。そこには毛布にくるまってるチャリッシュがいた。
「う…‥うぅぅ~~~!」
頭を座布団で隠して尻尾をピョコピョコ動かしている。マジでなにやってんだ、腹でも壊したのか?
「ほらチャリッシュもこうなってるじゃん! 謝りなよ!」
「そうよ謝って! お姉ちゃんを裏切ったこと謝って!!」
「なんでだよ!?」
ホントなんなんだよ、理不尽だよ。
いや~、外人の発育ってすごいね。今の俺は160cm以上に成長したよ。前世じゃ大人になっても165cmしかなかったけど、この年でここまで成長するなんてな。
「ちょっとどきなさいよデカブツ」
「無駄にでかくなったよね~」
……うん、俺がデカイわけじゃない。姉たちが小さすぎるんだ。だってステイン兄さんは14歳でもう160cmは超えたって聴いてるもん。今じゃ190cm以上もある筋肉ムッキムッキの巨漢だもん。
それに比べて姉さん達が小さいんだよ。なんでもう19になるのに俺より小さいの?ロりなの?
「フン!」
「うぎゃっ!?」
ステラ姉さんがいきなり俺の弁慶を蹴ってきた。
「何すんだ姉貴!?」
「なんか失礼なこと考えてたでしょ!?」
なんでわかるんだよ!?あんたも読心使えるのか!?
「それで、何の用です」
「うん、チャリッシュのことなんだけど…‥」
チャリッシュ。6年前我が家に来た獣人少女である。
今はメイドとしてウチで働いており、母さん達にも使用人達にも可愛がられている。
最初は無表情だったが根気よく付き合うことで心を開いてくれた。今では普通に笑い、普通に怒り、普通に生きている。
「チャリッシュに服を買ってあげたから一度見てきなさい。逃げたら承知しないんだからね!」
「はいはい……」
俺は姉たちに連れ去られて屋敷内へと入った。
「チャリッシュ入るわよ~」
「ちょっとステラ、ノックぐらいしなさいよ」
「いいじゃないアウラ。チャリッシュとは姉妹同然なのよ」
「……それ私の部屋も無断で入るってことね」
ステラ姉さんの傍若無人な言葉に半目で軽く睨むアウラ姉さん。
「あ、ステラ様にアウラ様にライト様。おはようございます」
チャリッシュは慌てることなく挨拶する。
腰まで届く銀髪と同じ色をした犬耳。満月のような金色の瞳に雪のように白く、そして繊細な肌。文句なしの美人だ。
「いやさ~、新調した新しい服をライトにも見せてやろうって話よ」
「そうですか。まあ、別にいいけど」
その場で一回転するチェリッシュ。
彼女はメイド服を着ていた。といっても一般的なメイド服ではなく、秋葉で見るような露出の多いミニスカメイドだ。
大方ステラ姉さんと母さんの趣味だろう。母さんはこういうの得意だからオリジナルの服を作って姉さんたちに着せ替えするのだ。……俺と兄さんもどれあけヒドイ目に遭わされたことか。
「それで、どう?」
「……どうって何だよ?」
「言わなくたって分かってるくせに~」
ステラ姉さんとアウラ姉さんがニヤニヤしながら俺に詰め寄る。……この姉貴どもは。
「そんなの言わなくても分かってるだろ。………滅茶苦茶綺麗だよ、チェリッシュ」
俺は思ったことを正直に言った。
途端、三人の表情は一変した。姉さん達はニヤニヤした顔からポカンと、チャリッシュは無表情からみるみる顔を赤くして目を丸くした。
「ちょ…ちょちょちょ! 何使用人を口説いてるのよ!? お姉ちゃんはそんなスケコマシに育てた覚えはありません!」
「ら、ライトってそんな歯の浮くようなセリフを何の抵抗もなく言えるんですね。なんか幻滅…‥」
「なんでだよ!? 俺はただ思ったことを言っただけだぞ! こういったものはホントのことを言わなくちゃ通じないだろ!」
こういうのは曖昧にしても通じない。だから思ったことをストレートに言わなくては伝わらないのだ。
「そういう問題じゃないんだよね。ほらチャリッシュの方見てよ」
「何言ってんだアウラ姉……なにしてんだチャリッシュ?」
アウラ姉の指さす先に目を向ける。そこには毛布にくるまってるチャリッシュがいた。
「う…‥うぅぅ~~~!」
頭を座布団で隠して尻尾をピョコピョコ動かしている。マジでなにやってんだ、腹でも壊したのか?
「ほらチャリッシュもこうなってるじゃん! 謝りなよ!」
「そうよ謝って! お姉ちゃんを裏切ったこと謝って!!」
「なんでだよ!?」
ホントなんなんだよ、理不尽だよ。
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