15 / 21
幼少編
武器の練習です
しおりを挟む
村のはずれにある森の中。俺はそこで弓矢の稽古をしていた。
木を的にして矢を射る。短い子供用の弓を引き、矢尻のない弓を的に向けて放つ。まだ本物を持つことを許されてない以上、こうしてこの弓で練習するしかないのだ。
この弓は父さんに作ってもらったものだ。
小さい俺はまだ弓を持てない。なのでこうして玩具の弓矢、その中でも頑丈なものを作ってもらったのだ。
玩具といっても普通の子供には使えないほど固い。そうするよう俺が注文したのだ。この間兄さんが俺の弓を引こうとして驚いたのを覚えている。
魔力強化の影響で頑強になったこの肉体は、大人の弓でも行けるほどのパワーを持っている。サイズの問題さえ解決すればいつでも使えるはずだ。
適当な木を的に設定。ナイフで的を書き、弓の練習をした。
的に矢を向ける。距離は大体30mほど。弓道の試合の近的は28m程だというから、今の俺にはこれぐらいがいいか。……素の俺には。
俺の放った矢は見事に当たった。といっても真ん中ではなく少しズレてだか。
やはり固いとは言え玩具の弓ならこの程度だろう。なので次は魔法を使うことにした。
「……強化」
目に魔力を集中させる。すると視力が格段に上がり、50m先の的が近場え見るほど見えるようになった。
しかし遠すぎて当たらない。弓の飛ばす力が弱いからだ。
故に俺は弓を強化することにした。
「強化」
弓に魔力を込めることで飛ばす力を上げる。すると矢の飛距離が格段に上がり、的に当たるようになった。
「強化」
今度は矢に魔力を込める。矢尻がないはずの矢が的を貫通した。
「……よし」
魔力による強化が成功し、それを使いこなしたことで俺はガッツポーズを取る。
弓矢の訓練は一ヶ月ほど前からしていたが、今では大分使えるようになった。
最初はもうひどかった。矢は何度もあらぬ方向に飛んでしまうし、腕はブレブレで安定しなかった。それに弓はちょっとした角度の違いで当たる場所が変わってしまうので何度も的から外れてしまった。これを克服するのにかなりの集中力と慣れが必要で、使い物になるまで相当長い時間を有した。
そして現在。度重ねる鍛錬によってやっと当たるようになった。
母さんの監視の目をすり抜け、姉さんたちの邪魔を回避し、教師による勉強の強要から抜けた時間を使ってやっと完成したのだ。
大変だった。辛かった。あいつら本当にしつこいもん。
魔力による強化はずっと前からやってきたので問題なかった。
弓矢の前はナイフにやった。
ナイフに魔力を通すことで切れ味を上げる。これによって拾い物のナイフでも業物へと変えた。
魔力強化の同時利用も同様だ。
目に魔力を集中させて視力を上げ、腕力に魔力を集中させて投げる力を上げ、ナイフに魔力を込めて威力を上げる。このようにして俺は魔力強化による投げナイフの練習をした。
それがナイフから弓矢に変わっただけだ。大した違いはない。
「……あともう少しやるか」
それからも俺は弓の練習をする。
何事も積み重ねだ。こうして身体に覚えさせ、技術を自身の糧へと変える。そうやって強さを手に入れるのだ。
全てはドラゴンナイトになるため。そのためには剣を振るうだけではダメなのだ。
剣も槍も弓もナイフも鞭も。全てを使いこなしてこそ最強のドラゴンナイトになれるのだ。
俺はなってみせる。最強のドラゴンナイトに!
木を的にして矢を射る。短い子供用の弓を引き、矢尻のない弓を的に向けて放つ。まだ本物を持つことを許されてない以上、こうしてこの弓で練習するしかないのだ。
この弓は父さんに作ってもらったものだ。
小さい俺はまだ弓を持てない。なのでこうして玩具の弓矢、その中でも頑丈なものを作ってもらったのだ。
玩具といっても普通の子供には使えないほど固い。そうするよう俺が注文したのだ。この間兄さんが俺の弓を引こうとして驚いたのを覚えている。
魔力強化の影響で頑強になったこの肉体は、大人の弓でも行けるほどのパワーを持っている。サイズの問題さえ解決すればいつでも使えるはずだ。
適当な木を的に設定。ナイフで的を書き、弓の練習をした。
的に矢を向ける。距離は大体30mほど。弓道の試合の近的は28m程だというから、今の俺にはこれぐらいがいいか。……素の俺には。
俺の放った矢は見事に当たった。といっても真ん中ではなく少しズレてだか。
やはり固いとは言え玩具の弓ならこの程度だろう。なので次は魔法を使うことにした。
「……強化」
目に魔力を集中させる。すると視力が格段に上がり、50m先の的が近場え見るほど見えるようになった。
しかし遠すぎて当たらない。弓の飛ばす力が弱いからだ。
故に俺は弓を強化することにした。
「強化」
弓に魔力を込めることで飛ばす力を上げる。すると矢の飛距離が格段に上がり、的に当たるようになった。
「強化」
今度は矢に魔力を込める。矢尻がないはずの矢が的を貫通した。
「……よし」
魔力による強化が成功し、それを使いこなしたことで俺はガッツポーズを取る。
弓矢の訓練は一ヶ月ほど前からしていたが、今では大分使えるようになった。
最初はもうひどかった。矢は何度もあらぬ方向に飛んでしまうし、腕はブレブレで安定しなかった。それに弓はちょっとした角度の違いで当たる場所が変わってしまうので何度も的から外れてしまった。これを克服するのにかなりの集中力と慣れが必要で、使い物になるまで相当長い時間を有した。
そして現在。度重ねる鍛錬によってやっと当たるようになった。
母さんの監視の目をすり抜け、姉さんたちの邪魔を回避し、教師による勉強の強要から抜けた時間を使ってやっと完成したのだ。
大変だった。辛かった。あいつら本当にしつこいもん。
魔力による強化はずっと前からやってきたので問題なかった。
弓矢の前はナイフにやった。
ナイフに魔力を通すことで切れ味を上げる。これによって拾い物のナイフでも業物へと変えた。
魔力強化の同時利用も同様だ。
目に魔力を集中させて視力を上げ、腕力に魔力を集中させて投げる力を上げ、ナイフに魔力を込めて威力を上げる。このようにして俺は魔力強化による投げナイフの練習をした。
それがナイフから弓矢に変わっただけだ。大した違いはない。
「……あともう少しやるか」
それからも俺は弓の練習をする。
何事も積み重ねだ。こうして身体に覚えさせ、技術を自身の糧へと変える。そうやって強さを手に入れるのだ。
全てはドラゴンナイトになるため。そのためには剣を振るうだけではダメなのだ。
剣も槍も弓もナイフも鞭も。全てを使いこなしてこそ最強のドラゴンナイトになれるのだ。
俺はなってみせる。最強のドラゴンナイトに!
1
お気に入りに追加
60
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる