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幼少編

鍛錬です!

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 翌日、俺は貴族としての勉強をしていた。

「じゃあ次はこの国の歴史ね」
「えー、もう終わりでいいじゃん。歴史と貴族のマナーとか面倒くさい」
「どうしたのよライト? 読み書きや計算は天才的なのに他の勉強は嫌がるわね」
「だって、俺は次男だから領地を継ぐわけでもないし、貴族のマナーとかいらないじゃん」

 歴史はまだわかる。けれど貴族のマナーとかどこで使うの? 俺次男だよ?

「こんなにも読み書き計算ができて優秀なんだから、きちんと学校に通ったら宮廷勤めも十分狙えるのよ?」
「やだよ、そんな堅っ苦しい職場」

 ったく、なんでみんなそんなに勉強させようとするんだ? 最低限のレベルはもうクリアしてるんだぞ。
 特に家庭教師のエリン。俺の授業を担当する時だけ兄さんたちと比べて容赦がない気がする。

「じゃあどうするのよ?」
「……冒険者になって世界中を旅したい」
「……えっ?」

 なんかこの日の授業は早く終わる事になった。
 お勉強が早めに終わり、母さんはお父さんと相談することらしくどこかに行ってしまった。

 俺としては嬉しい事なのだけど、暇になったな。よし、訓練するか。













「9998…9999…」

 とある山奥、俺は必死に剣と四肢を振るうことで戦いを意識していた。

「一万!」

 最後の仮想敵を倒した瞬間をイメージしたとこでシュミレーションは終了。体力が切れた俺はぐったりと倒れた。
 疲れた。もう指一本動かせない。まるで全身が鉛になったように重く、金縛りにあっているかのように動けない。

 まだそんなに暑くない季節だというのに汗まみれだ。
 学校指定のジャージは汗でびっしょり。脱いで絞ったら汗がにじみ出るのではないのか。
 下着なんて洪水状態だ。冷たい感触がべっとりと張り付いてかなり気持ち悪い。
 集中している間は何も感じなかったが、解けてみると自分がどんな状態でやっていたのか改めて知ることになる。

 倒れた地面から空を見上げる。既に日が沈み、月と星々が夜空を照らしていた。

「……腹、減ったな」

 か細く、乾いた声で言った。

 まずはこの険しい山道を走り上り、腕立て指立て拳立てと100×3セット、スクワットを千回、木にぶら下がって腹筋と背筋を交互に500回。これを準備運動前に仕上げる。
 それらを準備体操として終わらせた後、次にするのはロッククライミングとランニング。近くにあった10mほどの崖をよじ登り、そこを走って次の崖に登る。
 最後は岩や木相手に格闘技と武器の鍛錬。こうしてぶっ倒れるまでひたすらイメージトレーニング。これが俺の一日だ。

 というかこれだけで俺の休日が終わる。
 普段なら出来る量ではないのだが、授業が全部終わったので問題なく行えた。


 用意された弁当を腹の中に放り込んで体力を回復させる。
 味なんて知らない。メイド達にも味より量を優先させるように言ったのであまり美味しいものではなかった。

 飯を食い終わったので魔力を使って回復させる。体中に魔力を流し込み、傷ついた身体を修復させた。

 俺の強化魔法は応用力が高い。
 通常は身体能力を上げたり、剣などの武器にかけることでその威力や耐久力などを上げる。これが普通の使い方だ。
 だが俺の力はそれだけではない。傷にかけることで回復力を上げたり、疲労した身体にかけることで体力を回復させることが出来る。
  それだけではない。逆に強化させすぎて相手を破裂させたり、体内の毒を強化させることで自滅させたりも出来る。

 この力は。強化の力は思っていた以上に使える。もし使いこなすことが出来れば、この力のみで最強になれるのかもしれない。

「じゃあ次の特訓をするか」

 俺は武器を持ってより森の奥へと向かった。
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