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幼少編
転生しました
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というわけで、貴方は死にました」
「……え?」
突然の死亡宣告に俺は『え?』としか言えなかった。
果てしなく広がる夜空の天井にこの部屋を照らす星々の明かり。部屋というにはあまりにも広く、果てのないそれは一つの世界だ。
だというのに、質素なベッドや箪笥などの最低限の家具が置かれている。どこにでも売っていそうな安物ばかりだ。
そして目の前にいるのは神を名乗る美女。少なくとも本人はそう言ってる。神様が言うには、間違って僕を死なせてしまったらしいが、死んだという実感がいまいち自分には無い。
確か母さんに買い物を頼まれた帰り道、突然降り出した雨に僕は家路を急いでいた。瞬間に襲ってきた眩い光と轟音。
「ミスって貴方に隕石を落としてしまいました。本当に申し訳ない」
「隕石が直撃ってなかなかねえよ。というか空から石とか……それって天罰?」
隕石って見ようには神様の裁きみたいな面があるよね。
あと、事故とは天から降ってきた物にあたって死んだってことは……どう見たって天罰じゃん。
「それで、なんでここに僕を連れて来たんです?」
「ここは神界じゃ。人間が来ることは本当は出来ん。君は特別にワシが呼んだんじゃよ。……えーと、来人(らいと)くん?」
まだ名乗ってないのに、俺の名前を当てやがった。これは益々のじゃロリが神様だって証明している。
このままいけばもしかして……。
「で、これから僕はどうなるんでしょうか? 天国か地獄、どちらかに?」
「いやいや、君はワシの落ち度から死んでしまったのじゃから、すぐ生き返らせることができる。ただ、この世界ではない、君たちでいう神様転生じゃ」
「……」」
やっぱり異世界転生だ。これから俺はテンプレ通り転生することになるのだ。
こうなる展開だって薄々気づいてたんだよね~。この流れならチートもらって異世界で俺tueeしてハーレム作って……めんどくさそう。
「あのすいません、俺ハーレムには興味ないんッスよ」
「ええ!?」
女神はまるで信じられないといった顔で俺を見た。……そんなに驚くことか?
「だってハーレムって女とずっと一緒にいるってことでしょ?しかも何人も同時に。そんなの肩が凝って仕方ないじゃないッスか」
ハーレムというのはラノベやアニメで見るから楽しいのだ。俺も主人公に自己投影するが、主人公に成り代わりたいと思ったことは一度もない。
だって面倒そうじゃん。ずっと女に行動を制限されて、しかも複数人に寄って集られて。実際にそんな奴いたら羨ましいとか妬ましいとか思うかもしれないけど、自分がそういう立場になったら……ねぇ?
「え?じゃあどんなのがいいいの?」
「俺は信頼出来るパートナーが……何があっても裏切らない使い魔が欲しい」
「えーと……それって魔物使いになりたいってこと?」
「そう!」
やっぱ男なら女よりダチだろ! 女の尻ばっか追っかけてる奴は男じゃねえ。発情期の下半身脳だ。
「ふ~ん、じゃあそういうスキル与えてあげるわ」
「よっしゃ!」
俺は堪らずガッツポーズをした。
俺が思い浮かべる最強の相方はドラゴン。
強く、美しく、そして気高い最高の相棒。そんなパートナーと共に異世界を回りたい。
雄々しい背中に乗って剣や槍を振るうドラゴンナイト。共に世界を旅して、強敵と戦い、人々を守る。そんな存在に俺はなりたい。
龍の使い魔なら何でもいいが、出来るなら炎のドラゴン、加えて東洋の龍がいい。
舞い上がる龍と共に飛び上がり、ドラゴンの吐く炎に包まれながら敵に突撃したい。そうしたい!
「それじゃ次は具体的な注文ね。ドラゴン自体はあげることできないけど、才能や能力とかいった貴方に作用するものはあげられるわよ」
「じゃあドラゴンの言葉が分かるようにテレパシー能力が欲しい。あと、どううごけばいいかアドバイス出来る能力を」
「わかったわ。じゃあ精神系の能力とエンチャント系や回復の魔術の才能をあげるわ」
なるほど。どれもドラゴンをサポートするために必要な能力だ。
「よっっしゃ!これで俺もドラゴンナイトだ!」
「よし、じゃあ行ってくるがいい」
神様が微笑んだ次の瞬間、僕の意識はフッと途絶えた。
ここは冒険者の中でもトップクラスが御用達の酒場。いつもならば荒れくれものたちによって大騒ぎしているはずなのだが、今回ばかりは皆静かにしていた。
原因はたった一人の男。……いや、その男の周囲にいる女性たちのせいだ。
黒髪の男。顔つきは整ってはいるが飛びぬけているわけではなく、中の上といったもの。身体も中肉中背の、どこにでもいそうな少年だ。
しかし目は違っていた。まるで暗闇の中に紛れる黒猫のような妖しく光る眼。赤く光るその瞳には魔性が宿っていた。
その眼のせいか、その少年の纏っている空気も独特のものであった。
そんな彼に寄るのは二人の美女。赤い髪の美女と黒い髪の美女は豊満な身体を彼に押し付け、際どい服装で谷間を強調していた。
「ねえライト~。最近付き合い」
「うるさいリア。俺は女遊びをするために冒険者になったわけではない」
「そうよ、じゃあ私と……どう?」
「佳乃、お前もだ。俺はそんなことをするためにここに来たんじゃない」
少年は二人の美女のお誘いを一蹴。勘定を置いて出て行ってしまった。
それを遠目で眺める野次馬の男たち。彼らはさっきまで陽気に酒を飲んで出来上がっていたというのに、あの少年の存在を察知してからはすっかり酔いも興奮も覚めてしまった。
「あ、あいつが最近噂になってる魔物使いか?」
「らしいぜ。この間もマンティコアとスフィンクスを一人で成功させたらしいぜ」
「マジかよ。あれって確か10人もA級冒険者を潰しちまったクエストだろ?それ成功させるとか何者だよアイツ?」
「つーかさっきアイツが袖にした女ってさ、上級冒険者のリア・クリムゾンと黒姫佳乃じゃねえか?」
「え!?マジか!?」
男たちは少年に降られた美女たちに目を向ける。
リア・クリムゾン。露出が極端に多いアラビア風の踊り子のような恰好をしている赤い髪の美女。
有名な貴族出身の冒険者であり、彼女の名前を知らないものはいないというほどの有名人である。
所詮はボンボンだと思ったら大間違い。その実力は本物であり、得意の炎の魔術でどんな敵も消し炭へと変えてしまう。
黒姫佳乃。際どい着物を着崩した恰好をしている黒い髪の美女。
彼女もまた名家出身のお嬢様であり、他国から来たというのに既にこの国で彼女を知らぬ者はいないほどの地位を自力で築いている。
リア同様に彼女も優れた魔術師であり、彼女発する黒い稲妻によって幾多の敵を屠ってきた。
彼女たちは冒険者としての成績は素晴らしいが性格に難があり、そのせいで男が寄り付かない。
しかしあの少年の前ではどうだ。まるで娼婦のように媚び、忠犬のように従順と化す。
一体何をすればあんなになる?あのじゃじゃ馬たちを、あまりにも苛烈な性格のせいでお嬢様でありながら貰い手がいなかったあの凶暴な女たちをどうすればあそこまで従えることが出来る?
あんなガキに出来て俺たちに出来ないわけがない。俺たちもその方法さえ知ることが出来たら……!
「ハンッ!そいつァ野暮だぜお前たち」
「ま、マスター!?」
グラスを磨いているバーテンダーらしき男がそういう。
「あの男はただのガキだと思っちゃいけねえ。なにせアイツだから出来るモンだからな」
「そんな! 俺たち何年もやってきてるってのに、あんなぽっと出のガキに良いようにされちゃ堪んねえぜ!!」
男たちは叫ぶ。当然であろう、やはり新人にいい顔されるのは気持ちの良いものではない。自分たちよりも冒険者として成功し、いい女を囲っているようなら尚更である。」
「分かってねえなお前ら。男ってのはな、二種類あるんだ。女神に好かれ、口説き落とせる男とそうでない男。大半の男は女神に翻弄されるがあの男は」
「ハーレムマスター。ライト=ローウィンベルト。美女美少女の魔物を引き連れた最高の調教師だ。あいつにゃ理屈は存在しねえ。無条件で女を堕落させんのさ」
「(ああ、なんで俺は魔物使い、しかも美女美少女ばっかになっちまったんだろうな?)」
少年はかつての夢……ドラゴンナイトになって戦う夢を懐かしみながら夜の街を歩いていた。
「……え?」
突然の死亡宣告に俺は『え?』としか言えなかった。
果てしなく広がる夜空の天井にこの部屋を照らす星々の明かり。部屋というにはあまりにも広く、果てのないそれは一つの世界だ。
だというのに、質素なベッドや箪笥などの最低限の家具が置かれている。どこにでも売っていそうな安物ばかりだ。
そして目の前にいるのは神を名乗る美女。少なくとも本人はそう言ってる。神様が言うには、間違って僕を死なせてしまったらしいが、死んだという実感がいまいち自分には無い。
確か母さんに買い物を頼まれた帰り道、突然降り出した雨に僕は家路を急いでいた。瞬間に襲ってきた眩い光と轟音。
「ミスって貴方に隕石を落としてしまいました。本当に申し訳ない」
「隕石が直撃ってなかなかねえよ。というか空から石とか……それって天罰?」
隕石って見ようには神様の裁きみたいな面があるよね。
あと、事故とは天から降ってきた物にあたって死んだってことは……どう見たって天罰じゃん。
「それで、なんでここに僕を連れて来たんです?」
「ここは神界じゃ。人間が来ることは本当は出来ん。君は特別にワシが呼んだんじゃよ。……えーと、来人(らいと)くん?」
まだ名乗ってないのに、俺の名前を当てやがった。これは益々のじゃロリが神様だって証明している。
このままいけばもしかして……。
「で、これから僕はどうなるんでしょうか? 天国か地獄、どちらかに?」
「いやいや、君はワシの落ち度から死んでしまったのじゃから、すぐ生き返らせることができる。ただ、この世界ではない、君たちでいう神様転生じゃ」
「……」」
やっぱり異世界転生だ。これから俺はテンプレ通り転生することになるのだ。
こうなる展開だって薄々気づいてたんだよね~。この流れならチートもらって異世界で俺tueeしてハーレム作って……めんどくさそう。
「あのすいません、俺ハーレムには興味ないんッスよ」
「ええ!?」
女神はまるで信じられないといった顔で俺を見た。……そんなに驚くことか?
「だってハーレムって女とずっと一緒にいるってことでしょ?しかも何人も同時に。そんなの肩が凝って仕方ないじゃないッスか」
ハーレムというのはラノベやアニメで見るから楽しいのだ。俺も主人公に自己投影するが、主人公に成り代わりたいと思ったことは一度もない。
だって面倒そうじゃん。ずっと女に行動を制限されて、しかも複数人に寄って集られて。実際にそんな奴いたら羨ましいとか妬ましいとか思うかもしれないけど、自分がそういう立場になったら……ねぇ?
「え?じゃあどんなのがいいいの?」
「俺は信頼出来るパートナーが……何があっても裏切らない使い魔が欲しい」
「えーと……それって魔物使いになりたいってこと?」
「そう!」
やっぱ男なら女よりダチだろ! 女の尻ばっか追っかけてる奴は男じゃねえ。発情期の下半身脳だ。
「ふ~ん、じゃあそういうスキル与えてあげるわ」
「よっしゃ!」
俺は堪らずガッツポーズをした。
俺が思い浮かべる最強の相方はドラゴン。
強く、美しく、そして気高い最高の相棒。そんなパートナーと共に異世界を回りたい。
雄々しい背中に乗って剣や槍を振るうドラゴンナイト。共に世界を旅して、強敵と戦い、人々を守る。そんな存在に俺はなりたい。
龍の使い魔なら何でもいいが、出来るなら炎のドラゴン、加えて東洋の龍がいい。
舞い上がる龍と共に飛び上がり、ドラゴンの吐く炎に包まれながら敵に突撃したい。そうしたい!
「それじゃ次は具体的な注文ね。ドラゴン自体はあげることできないけど、才能や能力とかいった貴方に作用するものはあげられるわよ」
「じゃあドラゴンの言葉が分かるようにテレパシー能力が欲しい。あと、どううごけばいいかアドバイス出来る能力を」
「わかったわ。じゃあ精神系の能力とエンチャント系や回復の魔術の才能をあげるわ」
なるほど。どれもドラゴンをサポートするために必要な能力だ。
「よっっしゃ!これで俺もドラゴンナイトだ!」
「よし、じゃあ行ってくるがいい」
神様が微笑んだ次の瞬間、僕の意識はフッと途絶えた。
ここは冒険者の中でもトップクラスが御用達の酒場。いつもならば荒れくれものたちによって大騒ぎしているはずなのだが、今回ばかりは皆静かにしていた。
原因はたった一人の男。……いや、その男の周囲にいる女性たちのせいだ。
黒髪の男。顔つきは整ってはいるが飛びぬけているわけではなく、中の上といったもの。身体も中肉中背の、どこにでもいそうな少年だ。
しかし目は違っていた。まるで暗闇の中に紛れる黒猫のような妖しく光る眼。赤く光るその瞳には魔性が宿っていた。
その眼のせいか、その少年の纏っている空気も独特のものであった。
そんな彼に寄るのは二人の美女。赤い髪の美女と黒い髪の美女は豊満な身体を彼に押し付け、際どい服装で谷間を強調していた。
「ねえライト~。最近付き合い」
「うるさいリア。俺は女遊びをするために冒険者になったわけではない」
「そうよ、じゃあ私と……どう?」
「佳乃、お前もだ。俺はそんなことをするためにここに来たんじゃない」
少年は二人の美女のお誘いを一蹴。勘定を置いて出て行ってしまった。
それを遠目で眺める野次馬の男たち。彼らはさっきまで陽気に酒を飲んで出来上がっていたというのに、あの少年の存在を察知してからはすっかり酔いも興奮も覚めてしまった。
「あ、あいつが最近噂になってる魔物使いか?」
「らしいぜ。この間もマンティコアとスフィンクスを一人で成功させたらしいぜ」
「マジかよ。あれって確か10人もA級冒険者を潰しちまったクエストだろ?それ成功させるとか何者だよアイツ?」
「つーかさっきアイツが袖にした女ってさ、上級冒険者のリア・クリムゾンと黒姫佳乃じゃねえか?」
「え!?マジか!?」
男たちは少年に降られた美女たちに目を向ける。
リア・クリムゾン。露出が極端に多いアラビア風の踊り子のような恰好をしている赤い髪の美女。
有名な貴族出身の冒険者であり、彼女の名前を知らないものはいないというほどの有名人である。
所詮はボンボンだと思ったら大間違い。その実力は本物であり、得意の炎の魔術でどんな敵も消し炭へと変えてしまう。
黒姫佳乃。際どい着物を着崩した恰好をしている黒い髪の美女。
彼女もまた名家出身のお嬢様であり、他国から来たというのに既にこの国で彼女を知らぬ者はいないほどの地位を自力で築いている。
リア同様に彼女も優れた魔術師であり、彼女発する黒い稲妻によって幾多の敵を屠ってきた。
彼女たちは冒険者としての成績は素晴らしいが性格に難があり、そのせいで男が寄り付かない。
しかしあの少年の前ではどうだ。まるで娼婦のように媚び、忠犬のように従順と化す。
一体何をすればあんなになる?あのじゃじゃ馬たちを、あまりにも苛烈な性格のせいでお嬢様でありながら貰い手がいなかったあの凶暴な女たちをどうすればあそこまで従えることが出来る?
あんなガキに出来て俺たちに出来ないわけがない。俺たちもその方法さえ知ることが出来たら……!
「ハンッ!そいつァ野暮だぜお前たち」
「ま、マスター!?」
グラスを磨いているバーテンダーらしき男がそういう。
「あの男はただのガキだと思っちゃいけねえ。なにせアイツだから出来るモンだからな」
「そんな! 俺たち何年もやってきてるってのに、あんなぽっと出のガキに良いようにされちゃ堪んねえぜ!!」
男たちは叫ぶ。当然であろう、やはり新人にいい顔されるのは気持ちの良いものではない。自分たちよりも冒険者として成功し、いい女を囲っているようなら尚更である。」
「分かってねえなお前ら。男ってのはな、二種類あるんだ。女神に好かれ、口説き落とせる男とそうでない男。大半の男は女神に翻弄されるがあの男は」
「ハーレムマスター。ライト=ローウィンベルト。美女美少女の魔物を引き連れた最高の調教師だ。あいつにゃ理屈は存在しねえ。無条件で女を堕落させんのさ」
「(ああ、なんで俺は魔物使い、しかも美女美少女ばっかになっちまったんだろうな?)」
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