天才学級

福竜キノコ

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第5話 突きつけられる現実

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     4月18日(月)     15:44

8組の生徒たちは勉強に全力で取り組んでいた。得意なところを教え合い、苦手なところを助け合い、明日に迫るテストに対し、しっかり対策していた。

しかし、二人の生徒の姿がなかった。

一人は不良生徒の杉本だった。彼は二日目以降まともに授業に出席していなかった。
そして、もう一人は美月もよく知らなかった。初日にいなかったときは風邪か何かだと思っていたが、二週間もこないとなると不登校なのだろう。名簿には羽ノ下さやか(はのしたさやか)と書いてあった。

     15:45
キーン   コーン   カーン   コーン
「本日の授業はこれまで!」
「ありがとうございました!」

「明日から頑張ろうな!」
「1組に勝とうね!」

生徒たちは闘志にあふれていた。勝てば実質、一番のエリートクラスになれるのだから当然だろう。しかし、美月は心配だった。

「あの生徒会長の目的は何だろう・・・いや、絶対に勝つから大丈夫!」
それでも不安は残っていた。

そして・・・
4月19日(火)     第1回学力テスト初日
「テストに教師の私は手を出せない・・・頼むわよ、生徒たち!」

生徒たちはテストと闘っている。
テストとは、「生徒の学力を決めるすべて」といっても過言ではない。

そして、8組は・・・

「何で不正解なんだよ!」
「と、解けない・・・」
苦しみに苦しんでいた。

問題の難易度の高さはさすが日本一のエリート高校とあって、下手すれば海外のスーパー大学(例として挙げるならハーバードとか)の入学が可能なレベルである。
そして、8組はその難易度の高さのあまり、完全に体力のみが奪われている。

「ハァハァ・・・お、おい見ろ。1組が」
向こう側に1組の生徒たちが見えた。
「アハハハハ。」「こんなの余裕だよ。」
生徒たちは実力の差、エリートたちとの差に絶望した。こうして、苦痛の三日間は終わり、ほとんどの生徒には納得できない思いが残った。

8組に勝たなければならないと思った生徒会長は他の7クラスに勉強会を行った。エリートたちはさすがに今回はクズに負けられないと思い、しっかりと勉強をしたのだ。
よって、最終的にはエリートたちは上位、クズたちは下位の順位となった。

そして、このテストである事件が起こった。それは、テスト前日に学校に届いた一通のメールがもとだった。
その内容はなんと、今回行われたテストの答案だった。
「なんだ?」「何かの嫌がらせか?」
「まさか、テスト問題が流出したのか?」
そして、その送り主は8組の不登校児羽ノ下さやかだった。採点したところなんと10教科956点、学年順位は1組にも肩を並べられる11位だった。

「羽ノ下さんはよくわからないけど、みんな次は羽ノ下さんくらいとれるように頑張りなさい!」
「次こそリベンジだ!」
「次は絶対に勝とう!」

こうして1組VS8組      初戦は完敗
次回羽ノ下について明らかに

第6話に続く


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