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後半戦

テキトーな打順

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Glanzは初戦を落とした。


最後まで北乃を捕らえる事が出来ず、7奪三振の完封負けを喫した。


反対にスーパーフェニックスは6回に刀根のツーベースを皮切りに3連打の猛攻で2点を先制。


Glanzも終盤に粘りを見せたが、北乃のピッチングにねじ伏せられ終了。


2対0で敗れた。


「後半戦の初戦を完封負けするとは…」


「仕方ねえよ、相手の方が一枚上手だったんだよ」


「オイオイ、監督代行のお前がそんな事言っていいのかよ」


「代行なんかやりたくないっつ~の!采配はアンタに任せるよ」


試合後、財前と中田は例によって監督室で今後について話をしていた。


「冗談じゃねぇよ、オレが采配出来るワケ無いだろ」


「何言ってんだよ、二軍で監督やってたじゃん!」


「バカ言え、一軍と二軍じゃ采配も違ってくるだろ」


「おんなじ事だろうが」


話の内容は相変わらずのグダグダだ。


「はァ…こんな事なら、助監督なんて引き受けなきゃよかった」


「監督がバックれたしな…いや、バックれたワケじゃないんだが」


「シーズン途中で辞任したんだ、バックれたようなモンだろ」


「まさか、ヒロトが辞任するなんてなぁ」


櫻井には荷が重かったのだろう。


「あの人は監督というより、参謀的な役割が合ってたんだろ…ヘッドコーチの頃は良かったんだが」


「あの時の監督はアレ(榊)だったしな」


そのアレにもう一度監督の要請をしている事はまだ知らない。


「来年誰が監督やるんだろ」


「さぁな…他から呼ぶんじゃないのか」


「他って、外部からって事か?」


「まだ分かんないけど、多分そうなるんじゃないのかなぁ」


どうでもいい話を延々としていた。



翌日の第二戦は、スーパーフェニックスが4年目の小出、Glanzは現在7勝の片山が先発。



スーパーフェニックスのスタメン


1ライト 刀根 32
2セカンド 兼本 12
3ファースト 清武 8
4センター 姫野 3
5指名打者 フォスター 55
6キャッチャー 丸藤 2
7レフト 足達 1
8ショート 鷹村 7
9サード 横川 25


ピッチャー 小出 13


清武が3番、姫野が4番でより攻撃的な布陣で挑む。


先発小出は今シーズン4勝3敗。


防御率は3.52とまずまずの成績。


右のサイドスローから繰り出す変化の大きいスライダーとシンカーで芯を外すピッチングが持ち味。


Glanzのスタメン


1ライト 中山 2
2ショート 石川 8
3センター 唐澤 1
4サード 吉岡 33
5セカンド 森高 7
6ファースト 徳川 23
7キャッチャー 毒島 6
8指名打者 ジョーンズ 49
9レフト 武藤 5


ピッチャー 片山 19


打撃不振で二軍落ちしていたジョーンズが一軍復帰で即スタメン。


レフトは藤村に代わって武藤がスタメン出場。


「打順考えるのも面倒臭いよなぁ…」


財前はアクビをしながらボヤく。


「いっその事、左右のジグザグ打線にしたらどうだ?」

「オッ、いいねそれ!」

明日のスタメンはジグザグ打線にしようと決めた。



そして試合はスタート。


片山は初回を三者凡退に打ち取る。


1回の裏Glanzの攻撃。


先頭の中山が小出のカーブを上手くセンター前に弾き返し出塁。


2番石川の打席で二盗を成功。


石川はフォアボールを選び、ノーアウトランナー一塁、二塁とチャンスを広げる。


3番唐澤はツーナッシングから5球目のスライダーをレフト線に運ぶツーベースで二塁ランナー中山がホームイン。


初回で1点を先制。


尚もチャンスは続き、4番吉岡はセンターへの犠牲フライで三塁ランナー石川がホームイン。


5番森高は初球の高めのストレートを捕え、左中間スタンドへ第27号ツーランで4点目を挙げる。


ここでスーパーフェニックスベンチが動き、小出はアウト一つ取っただけで降板。


マウンドに上がったのは左のリリーフ真野。


真野は後続を打ち取り1回の裏が終了。


その後は両チーム無得点のまま5回の表へ。


スーパーフェニックスの攻撃は7番足達から。


Glanzの先発片山はここまで被安打2、4奪三振の好投。


しかし、2-1からのチェンジアップをレフトへ運ばれツーベースヒットを許す。


8番鷹村はインコース低めのストレートで見逃しの三振に仕留めると、9番横川をカーブでセカンドゴロに打ち取りツーアウト。


トップに返って刀根の打席で2-0からのアウトコース高めのストレートが内に入り、刀根は上手くバットを合わせレフトオーバーのタイムリーツーベースで1点を返す。


その後は両チーム得点が入らず、1対4でGlanzが二戦目を勝利。


片山は7回を投げ、被安打4、8奪三振、1失点で8勝目をマーク。


1勝1敗のイーブンに戻し、三戦目はスーパーフェニックスが左の宇田川、Glanzは約1ヶ月ぶりの先発となる真咲と両左腕の投げ合いでスタート。


スーパーフェニックスのスタメンに変更は無し。


対するGlanzのスタメンは


1センター唐澤 1
2ライト中山 2
3指名打者 ジョーンズ 49
4サード 吉岡 33
5ファースト徳川 23
6セカンド森高 7
7レフト武藤 5
8キャッチャー毒島 6
9ショート筧 24

ピッチャー真咲 32


中田のアドバイス通り、左右ジグザグ打線で迎え打つ。





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