Strong Baseball 主砲の一振り 続編5

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他チームの戦力 2

優勝候補筆頭が99ersならば、対抗馬となるのが東北の雄マーリンズだろう。


昨年ネプチューンリーグの順位は、


1 スカイウォーカーズ
2 99ers                            1.5
3 キングダム                  5.5
4 マーリンズ                  7.0
5 レボリューションズ 12.5
6 レッズ                           18.5




シーズン途中まではスカイウォーカーズ、99ersと優勝争いを繰り広げていたが、エース天海昴の不調によりチームは連敗街道まっしぐら。


天海はオールスター前に二軍落ちとなり、その後一軍に上がること無くシーズンを終えた。


先発完投に拘る天海は、毎年200以上のイニングを投げていたせいで疲労が蓄積され、身体が悲鳴を上げていた。


このままでは選手生命にも及ぶと判断したテリー監督は、オーバーホールを兼ねて無期限の二軍落ちにする。

エースが欠けたマーリンズはあっという間に優勝争いから脱落、4位でシーズンを終えた。


天海は休養中に、フィジカルトレーナー、メンタルトレーナー（セラピスト）、マッサージ師、栄養士、調理師とメジャーリーガー並にスタッフを自費で雇い、ケアを行う日々を送った。


その甲斐あって、天海の身体は徐々に調子を取り戻し、肉体年齢は21才という若さを取り戻す。


今年は去年の屈辱を晴らすべく、キャンプ前の自主トレは例年以上にハードなトレーニングを行った。


昨年の成績は7勝6敗、防御率はワーストの4.96。


バレットと呼ばれる165km／hのストレートが甦り、変化球のキレも復活。


天海が復活となれば、生え抜きのエース中澤も刺激を受ける。


昨年は14勝7敗、防御率2.94と唯一の二桁勝利を挙げ、孤軍奮闘する。


左腕から繰り出す153km／hのストレートと、現役ナンバーワンの使い手と呼ばれる落差の大きいフォークで今年もバッターを力でねじ伏せる。



天海、中澤と左右のエースに続く第3の先発は誰か。


昨年までは9勝を挙げていたゴンザレスがローテーション3番手だったが、今年からメジャーに復帰したせいで枠が空いた状態。


テリー監督は成長著しい伏見を3番手に抜擢すると予想する。


伏見は最速151km／hのストレートに、スライダー、カットボール、チェンジアップを得意とする。


去年前半で6勝をマークしたが、その後は思うように勝てず、オールスター明けには二軍落ちしてしまう。


今年は課題の制球力がアップし、去年以上の成績が期待される。


その他には、ベテランの楠田、トライアウトでドルフィンズから入団した7年目の左腕赤穂やサイドスローの技巧派松本といった面々が4番手、5番手の枠を競う。


その中でも今年最も注目したいのは、昨年ドラフト1位でマーリンズに入団した夏目 尚之（なつめなおゆき）


日米大学野球選手権大会で並みいる強打者揃いのアメリカを、【消えた】と称されるスライダーで12奪三振の好投をして一躍脚光を浴びた。


ストレートの最速は144km／hと決して速くないが、腕の振りがスライダーと同じで空振りが取れる。


まだ発展途上だが、天海、中澤といった一流ピッチャーを手本にすれば能力は更にアップするだろう。

中継ぎ陣は近藤、関本、岡田といった中堅どころがゴロを打たせるピッチングで終盤を守りきる。


最終回は6年連続30セーブをマークする仁科が今年も守護神としてマウンドを締めくくる。




続いて野手の方だが、16球団で1,2を争う程の破壊力を誇る打線は今年も健在。


その猛打を誇るマーリンズの一番注目する選手は、昨年首位打者に輝いた白石拓海。


誰もが日本球界最高のショートストップと呼び、その野球センスで攻守にわたりマーリンズを支える若き天才。


2番という打順で打率.357  31本塁打  99打点  34盗塁でトリプルスリーをマーク。


ベストナイン、ゴールドグラブ賞の同時受賞と、次世代を担う5ツールプレイヤー。


今年6年目となる25才はまだまだ伸びしろがあり、三冠王に一番近い存在でもある。


その白石の前を打つのが、昨年の盗塁王でマーリンズのチームリーダー高野 步（たかのあゆむ）


本来ならば4番に座ってもおかしくない程のパンチ力を誇り、長打率はチームの主砲羽田よりも高い。


5年連続3割とはならなかったが、26本塁打 68打点  53盗塁で2度目の盗塁王を獲得。


今年も切り込み隊長としてマーリンズ打線を牽引する。



1番高野、2番白石に続くのは、昨年打点王に輝いた仙道人来。


一昨年、村上との交換トレードでレボリューションズから移籍。


3番仙道、4番羽田と高校以来のクリーンナップを組み、マーリンズの中軸を担う。


昨年は打率.318  27本塁打  126打点で打点王を獲得。


バッティングのみならず、守備でも広い範囲と強肩で投手陣を助ける。




そして4番は東北が生んだMr.マーリンズの羽田聖。


【The Slugger】というだけあって、7年連続30本塁打をマーク。


去年リーグ2位の44本塁打を放っただけに、今年も長打を期待される。



守備にも定評があり、5年連続でゴールドグラブ賞、その反面走塁面がお世辞にも上手いとは言えない。


5番は一昨年の新人王の張が左の大砲として脇を固める。


正捕手川上のインサイドワークに二塁の名手、藤原の存在感。



最後は新加入のマイケル・ライアンが持ち前の長打で打線に厚みが加わる。


投手力と守備力、攻撃力とバランスのとれたマーリンズは手強い存在だ。