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シーズン真っ只中
トレード
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マクダウェルは4番の羽田をセンターフライに打ち取り、1回の表は終了した。
初回から1点というビハインドとなったスカイウォーカーズは反撃といきたいところだが、マーリンズ先発の星野が絶好調で4回までパーフェクトピッチングを続け、スカイウォーカーズ打線を封じる。
マクダウェルも初回の1点以外は危なげないピッチングでマーリンズ打線を抑える。
スカイウォーカーズの初ヒットは7回に石川がライト前に放ったものの、後続が倒れて0点に抑えられる。
結局、初回の1点が響き、スカイウォーカーズは完封負けを喫した。
2戦目、マーリンズの先発は1勝3敗と今一つ波に乗れない左のエース中澤。
スカイウォーカーズが中6日の中邑が先発でスタートした。
両チーム共にスタメンの変更は無し。
初戦を完封負けと星を落としたスカイウォーカーズは何としても不調の中澤を攻略したいところだが、この日も打線から快音は響かず。
反対にマーリンズは3回に2番白石がレフト線を破るツーベースで出塁すると、3番仙道が中邑のスライダーをタイミングドンピシャで、ライトスタンドへ第7号ツーランで先制する。
中澤は本調子ではないものの、要所要所を締めるピッチングで7回を4安打無失点の好投でマウンドを降り、8回は中継ぎエースの加藤、9回は守護神の仁科と繋ぎ、2試合連続の完封勝利で順位を一つ上げた。
「ヒロト、昨日と同じ完封負けだぞ…もう一度打順を見直した方がいいんじゃないのか?」
「…明日の試合が終わればレッズとの2連戦で、それが終われば交流戦…中田さん、戦力補強でトレードしてみようと思うんですが…」
櫻井はトレードを行うつもりらしい。
「トレードったって、コッチは誰を出すんだよ?誰かを出すほどの余裕は無いんだぞ」
中田はトレードに反対だ。
「…参ったな…この打線じゃ繋がりは悪いし、テコ入れするにも新しい戦力になる選手は見当たらない…」
櫻井は頭を抱えた。
4番の森高がブレーキでスタメンから外れたせいで、櫻井が考案した打順は全く機能していない。
そもそも櫻井が開幕前に構想した打順はまだ完全ではない。
櫻井が考えた今年のオーダーは
1ライト唐澤
2ショート石川
3ファースト結城
4セカンド森高
5サード鬼束
6キャッチャー保坂
7レフト庵野
8指名打者ジョーンズ
9センター財前
だが、これはまだ理想のオーダーではなく、あくまでも発展途上の段階だ。
櫻井が考える真のオーダーとは、
1ライト新戦力のルーキー
2ショート石川
3センター唐澤
4セカンド森高
5サード毒島
6ファーストジョーンズ(結城)
7指名打者鬼束
8レフト庵野(助っ人外国人)
9キャッチャー保坂(滝沢)
という打順が理想のオーダーだ。
その為には、キーマンの森高の成長が絶対条件で、櫻井としてはいくらスランプに陥っても森高に経験を積ませることが重要と考えた。
「なぁ、ヒロト…打順は去年のやつに戻したらどうなんだ?」
「アレは榊さんが考えた打順で、アレではいつまで経っても結城くんや鬼束くん頼りの打線になってしまう。
スカイウォーカーズの将来を考えたら、開幕時のオーダーが理想なんです」
櫻井の頭の中では結城や鬼束は代打、もしくは指名打者に置いて、石川、唐澤、森高の2,3,4という打順こそが最高のラインナップになる。
「明日の先発は天海だろ?いくら今年は調子が良くないと言うが、あの打線では天海を打ち崩すなんて不可能だろ。
それどこか、3試合連続完封負けになるじゃねぇか」
「もしくはファームから良い選手を上げるか…」
「無理です」
「あれもダメ、これもダメじゃどう戦えって言うんだよ」
理想が高すぎるのか、櫻井の考えは他のコーチ陣にも理解出来ない程だ。
「金銭で獲得出来る選手がいればいいんだが…そんな選手はいないだろうな」
「レギュラークラスの選手じゃなくてもいい、ファームで将来性のある選手が獲得出来ればいいんです」
「どんなタイプならいいんだよ?」
「長打よりも確実性のあるバッティング、そして打率よりも出塁率が高く、脚の速い外野手…いないかなぁ」
「という事は、唐澤に変わるトップバッターの外野手って事か…」
ホームランよりもヒットを量産し、選球眼が良く脚の速い典型的な1番打者が望ましいという。
「榊さんに頼んで、どのチームの選手がいいか何名かピックアップしてもらうしかないでしょうね」
「アイツは野手を見る目が全く無いぞ」
「スコアラーの人に見てもらうよう、榊さんから言ってもらいましょうよ」
そんな経緯で榊はスコアラーに各チームのファームで将来性のある選手を調べて欲しいと頼んだ。
ちなみに3戦目は先発天海の前に僅か2安打12奪三振と抑えられ、3連敗を喫した。
初回から1点というビハインドとなったスカイウォーカーズは反撃といきたいところだが、マーリンズ先発の星野が絶好調で4回までパーフェクトピッチングを続け、スカイウォーカーズ打線を封じる。
マクダウェルも初回の1点以外は危なげないピッチングでマーリンズ打線を抑える。
スカイウォーカーズの初ヒットは7回に石川がライト前に放ったものの、後続が倒れて0点に抑えられる。
結局、初回の1点が響き、スカイウォーカーズは完封負けを喫した。
2戦目、マーリンズの先発は1勝3敗と今一つ波に乗れない左のエース中澤。
スカイウォーカーズが中6日の中邑が先発でスタートした。
両チーム共にスタメンの変更は無し。
初戦を完封負けと星を落としたスカイウォーカーズは何としても不調の中澤を攻略したいところだが、この日も打線から快音は響かず。
反対にマーリンズは3回に2番白石がレフト線を破るツーベースで出塁すると、3番仙道が中邑のスライダーをタイミングドンピシャで、ライトスタンドへ第7号ツーランで先制する。
中澤は本調子ではないものの、要所要所を締めるピッチングで7回を4安打無失点の好投でマウンドを降り、8回は中継ぎエースの加藤、9回は守護神の仁科と繋ぎ、2試合連続の完封勝利で順位を一つ上げた。
「ヒロト、昨日と同じ完封負けだぞ…もう一度打順を見直した方がいいんじゃないのか?」
「…明日の試合が終わればレッズとの2連戦で、それが終われば交流戦…中田さん、戦力補強でトレードしてみようと思うんですが…」
櫻井はトレードを行うつもりらしい。
「トレードったって、コッチは誰を出すんだよ?誰かを出すほどの余裕は無いんだぞ」
中田はトレードに反対だ。
「…参ったな…この打線じゃ繋がりは悪いし、テコ入れするにも新しい戦力になる選手は見当たらない…」
櫻井は頭を抱えた。
4番の森高がブレーキでスタメンから外れたせいで、櫻井が考案した打順は全く機能していない。
そもそも櫻井が開幕前に構想した打順はまだ完全ではない。
櫻井が考えた今年のオーダーは
1ライト唐澤
2ショート石川
3ファースト結城
4セカンド森高
5サード鬼束
6キャッチャー保坂
7レフト庵野
8指名打者ジョーンズ
9センター財前
だが、これはまだ理想のオーダーではなく、あくまでも発展途上の段階だ。
櫻井が考える真のオーダーとは、
1ライト新戦力のルーキー
2ショート石川
3センター唐澤
4セカンド森高
5サード毒島
6ファーストジョーンズ(結城)
7指名打者鬼束
8レフト庵野(助っ人外国人)
9キャッチャー保坂(滝沢)
という打順が理想のオーダーだ。
その為には、キーマンの森高の成長が絶対条件で、櫻井としてはいくらスランプに陥っても森高に経験を積ませることが重要と考えた。
「なぁ、ヒロト…打順は去年のやつに戻したらどうなんだ?」
「アレは榊さんが考えた打順で、アレではいつまで経っても結城くんや鬼束くん頼りの打線になってしまう。
スカイウォーカーズの将来を考えたら、開幕時のオーダーが理想なんです」
櫻井の頭の中では結城や鬼束は代打、もしくは指名打者に置いて、石川、唐澤、森高の2,3,4という打順こそが最高のラインナップになる。
「明日の先発は天海だろ?いくら今年は調子が良くないと言うが、あの打線では天海を打ち崩すなんて不可能だろ。
それどこか、3試合連続完封負けになるじゃねぇか」
「もしくはファームから良い選手を上げるか…」
「無理です」
「あれもダメ、これもダメじゃどう戦えって言うんだよ」
理想が高すぎるのか、櫻井の考えは他のコーチ陣にも理解出来ない程だ。
「金銭で獲得出来る選手がいればいいんだが…そんな選手はいないだろうな」
「レギュラークラスの選手じゃなくてもいい、ファームで将来性のある選手が獲得出来ればいいんです」
「どんなタイプならいいんだよ?」
「長打よりも確実性のあるバッティング、そして打率よりも出塁率が高く、脚の速い外野手…いないかなぁ」
「という事は、唐澤に変わるトップバッターの外野手って事か…」
ホームランよりもヒットを量産し、選球眼が良く脚の速い典型的な1番打者が望ましいという。
「榊さんに頼んで、どのチームの選手がいいか何名かピックアップしてもらうしかないでしょうね」
「アイツは野手を見る目が全く無いぞ」
「スコアラーの人に見てもらうよう、榊さんから言ってもらいましょうよ」
そんな経緯で榊はスコアラーに各チームのファームで将来性のある選手を調べて欲しいと頼んだ。
ちなみに3戦目は先発天海の前に僅か2安打12奪三振と抑えられ、3連敗を喫した。
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