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シーズン真っ只中
もう一人の天才バッター
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【2番ショート白石。背番号5】
去年シーズン途中からショートのレギュラーを掴み取った白石が素振りをして右打席に入った。
昨シーズンは105試合に出場し、規定打席不足ながら、打率0.343 21本塁打 83打点 19盗塁の成績でベストナインとゴールドグラブ賞のダブル受賞を達成。
チームは5位と不調ながら、チームトップの打率0.334 7本塁打 27打点 9盗塁とひとり気を吐く。
(羽田だ、仙道だと注目が集まるが、ホントに怖いバッターはコイツだ)
2番という打順で状況に応じたバッティングでクリーンナップに繋ぐ役割に徹しているが、打撃面のみならず、守備走塁でもトップクラスという逸材。
「Hmm... he's a representative shortstop of Japan... I see, he's creating a top-notch atmosphere.(フフ、彼が日本を代表するショートストップか…確かに超一流の雰囲気を醸し出している)」
マクダウェルも白石の佇まいを見てトップクラスの選手だと感じ取る。
マクダウェルはマウンド上で、白石の打席は全て自分がリードするとジェスチャーを送った。
「ったく…またかよ」
マクダウェルは好打者を迎えると自らリードをしたくなるみたいだ。
(サインは自分が出すって事か…どんな球だろうと、オレは打つのみ!)
スタンダードな理想的なフォームで待ち構える。
ニヤリと笑い、初球を投げた。
インコース低めにノビのあるフォーシームが決まる。
「ストライク!」
のっけから142km/hのクロスファイヤーボールで攻めてくる。
「打ってもファールになる球だ」
白石はこれを余裕で見送る。
先ずはワンストライク。
ボールを受け取り、次のサインを出した。
(ハァ、それはマズイだろ!)
保坂が首を振る。
しかし、マクダウェルはサインを変えない。
(打たれるっつーの!)
再度首を振るが、マクダウェルはしつこくサインを出す。
(ったく…打たれても知らねぇぞ)
根負けした保坂がようやくミットを構える。
今度は速いモーションから2球目を投げた。
真ん中低めのストレート、しかしコースが甘い。
「貰った…」
白石は鋭いスイングでボールを捕らえた。
「うわっ、曲がった…」
ボールは手元で内側に変化した。
差し込まれた打球は三塁線に転がる。
「ファール!」
あっという間にツーストライクと追い込んだ。
ストレートと思われた球筋は小さくインコースに変化してバットの根っこに当たった。
「危ない危ない…あやうくサードゴロになるところだった」
マクダウェルのカットボールは【真っスラ】の様に変化して、バットの芯を外すには有効的な球だ。
2球続けてインコースは無いだろうという読みを逆手にとったピッチングでバッターを翻弄する。
(アウトコースに投げると思ったんだが、まさかインコースを突いてくるとは)
マクダウェルとの対決は配球を読み当てるよりも、来た球を捕らえるバッティングの方が効果的なのかもしれない。
次は1球外すか、それとも遊び球無しで3球勝負といくか。
(メジャーではツーストライクから1球外すなんて攻めは無い…
となると、次の球で勝負をするもりなのか)
3球勝負に違いないとヤマを張った。
マクダウェルがサインを出す。
保坂は大きく頷き、やや内寄りにミットを構えた。
(今動いた…しかもまたインコース?いや、そんなハズは無い。
いくら何でも、3球続けてインコースは無いだろう…という事は、インコース寄ったのはブラフか?)
フェイクだと判断し、アウトコース1本に絞った。
膝を高々と上げ、独特のモーションから3球目を投げた。
「やっぱり外だ!貰ったぜ!」
白石は踏み込んでバットを合わせた。
「何っ、…」
ボールは外ではなく、インコースへ曲がりながら落ちた。
バットが空を切る。
「ストライクアウト!」
「クソっ、まさか3球続けてインコースとは…」
ガックリと項垂れ、ベンチに下がった。
得意のチェンジアップがカーブの様に縦に割れた。
マクダウェルは握り方を変えただけでシンカーの様に利き腕側に落ちる変化と、反対側に落ちる変化と使い分ける事が出来る。
ツーアウトとなり、次のバッター仙道がスパイクの紐を結び直して左打席に向かう。
【3番ライト 仙道…背番号7】
一重の吊り上がった目が印象的の仙道がバットでコンコンとベースを叩き、足元を固めてからバットを垂直に持ち、マクダウェルに向けてから肩口で構える。
昨年終盤に村上とのトレードでレボリューションズから移籍し、203安打とリーグ最多安打を放つヒットメーカー。
3番仙道、4番羽田という打順は、高校時代に夏の甲子園を制覇した事もあって話題を呼んだ。
仙道は昨年ケガからの復活で、打率0.326 本塁打26 打点94、カムバック賞とベストナイン、ゴールドグラブ賞を獲得した。
「Well... he's a more troublesome batter than Shiraishi.(ったく…白石よりも厄介なバッターだな)」
マクダウェルの顔つきが変わった。
この打席が初対決となるのだが、マクダウェルは仙道を一番警戒している。
左対左だが、打たれそうな気配を感じ取った。
去年シーズン途中からショートのレギュラーを掴み取った白石が素振りをして右打席に入った。
昨シーズンは105試合に出場し、規定打席不足ながら、打率0.343 21本塁打 83打点 19盗塁の成績でベストナインとゴールドグラブ賞のダブル受賞を達成。
チームは5位と不調ながら、チームトップの打率0.334 7本塁打 27打点 9盗塁とひとり気を吐く。
(羽田だ、仙道だと注目が集まるが、ホントに怖いバッターはコイツだ)
2番という打順で状況に応じたバッティングでクリーンナップに繋ぐ役割に徹しているが、打撃面のみならず、守備走塁でもトップクラスという逸材。
「Hmm... he's a representative shortstop of Japan... I see, he's creating a top-notch atmosphere.(フフ、彼が日本を代表するショートストップか…確かに超一流の雰囲気を醸し出している)」
マクダウェルも白石の佇まいを見てトップクラスの選手だと感じ取る。
マクダウェルはマウンド上で、白石の打席は全て自分がリードするとジェスチャーを送った。
「ったく…またかよ」
マクダウェルは好打者を迎えると自らリードをしたくなるみたいだ。
(サインは自分が出すって事か…どんな球だろうと、オレは打つのみ!)
スタンダードな理想的なフォームで待ち構える。
ニヤリと笑い、初球を投げた。
インコース低めにノビのあるフォーシームが決まる。
「ストライク!」
のっけから142km/hのクロスファイヤーボールで攻めてくる。
「打ってもファールになる球だ」
白石はこれを余裕で見送る。
先ずはワンストライク。
ボールを受け取り、次のサインを出した。
(ハァ、それはマズイだろ!)
保坂が首を振る。
しかし、マクダウェルはサインを変えない。
(打たれるっつーの!)
再度首を振るが、マクダウェルはしつこくサインを出す。
(ったく…打たれても知らねぇぞ)
根負けした保坂がようやくミットを構える。
今度は速いモーションから2球目を投げた。
真ん中低めのストレート、しかしコースが甘い。
「貰った…」
白石は鋭いスイングでボールを捕らえた。
「うわっ、曲がった…」
ボールは手元で内側に変化した。
差し込まれた打球は三塁線に転がる。
「ファール!」
あっという間にツーストライクと追い込んだ。
ストレートと思われた球筋は小さくインコースに変化してバットの根っこに当たった。
「危ない危ない…あやうくサードゴロになるところだった」
マクダウェルのカットボールは【真っスラ】の様に変化して、バットの芯を外すには有効的な球だ。
2球続けてインコースは無いだろうという読みを逆手にとったピッチングでバッターを翻弄する。
(アウトコースに投げると思ったんだが、まさかインコースを突いてくるとは)
マクダウェルとの対決は配球を読み当てるよりも、来た球を捕らえるバッティングの方が効果的なのかもしれない。
次は1球外すか、それとも遊び球無しで3球勝負といくか。
(メジャーではツーストライクから1球外すなんて攻めは無い…
となると、次の球で勝負をするもりなのか)
3球勝負に違いないとヤマを張った。
マクダウェルがサインを出す。
保坂は大きく頷き、やや内寄りにミットを構えた。
(今動いた…しかもまたインコース?いや、そんなハズは無い。
いくら何でも、3球続けてインコースは無いだろう…という事は、インコース寄ったのはブラフか?)
フェイクだと判断し、アウトコース1本に絞った。
膝を高々と上げ、独特のモーションから3球目を投げた。
「やっぱり外だ!貰ったぜ!」
白石は踏み込んでバットを合わせた。
「何っ、…」
ボールは外ではなく、インコースへ曲がりながら落ちた。
バットが空を切る。
「ストライクアウト!」
「クソっ、まさか3球続けてインコースとは…」
ガックリと項垂れ、ベンチに下がった。
得意のチェンジアップがカーブの様に縦に割れた。
マクダウェルは握り方を変えただけでシンカーの様に利き腕側に落ちる変化と、反対側に落ちる変化と使い分ける事が出来る。
ツーアウトとなり、次のバッター仙道がスパイクの紐を結び直して左打席に向かう。
【3番ライト 仙道…背番号7】
一重の吊り上がった目が印象的の仙道がバットでコンコンとベースを叩き、足元を固めてからバットを垂直に持ち、マクダウェルに向けてから肩口で構える。
昨年終盤に村上とのトレードでレボリューションズから移籍し、203安打とリーグ最多安打を放つヒットメーカー。
3番仙道、4番羽田という打順は、高校時代に夏の甲子園を制覇した事もあって話題を呼んだ。
仙道は昨年ケガからの復活で、打率0.326 本塁打26 打点94、カムバック賞とベストナイン、ゴールドグラブ賞を獲得した。
「Well... he's a more troublesome batter than Shiraishi.(ったく…白石よりも厄介なバッターだな)」
マクダウェルの顔つきが変わった。
この打席が初対決となるのだが、マクダウェルは仙道を一番警戒している。
左対左だが、打たれそうな気配を感じ取った。
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