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インターカンファレンス(交流戦)
ホームランを捨てた男
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【スカイウォーカーズ選手の交代をお知らせします。ショート筧に代わりましてJIN。
2番ショートJIN。背番号0】
筧のダメージは大きく、榊は大事をとってベンチに下げた。
「来たぜ、青幇!
さぁ、オマエら遠慮無しにぶっ込め!」
【…は、はい】
多分、やりたくないんだと思う。
JINはグラブを手にし、ショートの定位置へ向かう。
「おい」
山本はベース上でJINに声を掛けた。
「あぁ?」
JINもガンを飛ばして山本を見る。
「昨日のお返ししてやるぜ」
おまけに中指を立てて挑発する。
「ふ~ん、せいぜい頑張んな」
JINは親指を下に向ける。
「ふざけやがって…野球出来ねえ身体にしてやるからな!」
怒りに我を忘れたのか、背後から鬼束が山本をタッチした。
「アウト!」
「えっ!!」
何と、ベースから足を離れていたスキに鬼束がタッチをした。
「ギャハハハハハハ!バッカでぇ~」
「クッソぉぉぉぉ、やられた!」
何ともマヌケな結末だ。
「オイオイ、ヤンキースってのは相変わらずアホばかりだな」
ベンチでは榊が呆れた顔をしている。
「あんな事で熱くなるなんて…」
櫻井も同じ表情をしている。
その後、膠着した状態が続き、回は8回の表へ。
この回は先頭の結城が二番手ピッチャー左の冬木のストレートを上手くレフト線へ運び、ツーベースヒットで出塁。
【2番ショートJIN、背番号0】
JINがこの試合初の打席に入る。
パッと見は長身で堂々とした構えからして、スラッガーという雰囲気を身に纏っているが、長打力はあまり無く、試合前でのフリーバッティングでも柵越えをする場面はほぼ無い。
本人曰く、
「自分にとって、ホームランはランニングホームランの事であって、スタンドに放り込むホームランは多分この先も打つことは無い」
とまで言い切っている。
力が無いワケでは無い。
自分にホームランは似合わないと言い、仮に打ったとしても、それは宝くじを当てる事よりも珍しい事と言い張る。
それよりも、ラインドライブが掛かり、外野手の頭を越える打球で快足を飛ばして二塁打、三塁打、はたまたランニングホームランという安打を記録するのが性に合ってるという考えだ。
そのJINは左打席でバットを目いっぱい長く持ち、右半身を捻じる様な構えで立つ。
「中ちゃんよぉ、アイツのあの構えを矯正しなかったのかよ」
あれでは打てない…
榊は首を傾げる。
「何言ってんだよ、アイツはあの構えでいいんだよ」
去年まで二軍監督をしていた中田はさも当然と言った顔をしている。
「イヤイヤ、あれじゃ打てねえだろ」
「いいから見てろっつーの!」
中田は余裕の表情だ。
ヤンキースのピッチャー冬木は初球ストレート、二球目をカーブであっという間にツーストライクとなる。
JINはまだ一度もバットを振ってない。
その三球目、今度は外角へ逃げるスライダー。
これをJINは長いリーチを生かし、上手く左へおっつけた。
打球はライナーでレフト線ギリギリに入った。
ボールは転々とファールゾーンへ転がる。
レフトを守る途中出場の川田がボールを追いかけている間、二塁ランナー結城は悠々とホームへ。
打ったJINも凄まじい速さで二塁を蹴って三塁へ。
川田がボールを捕って三塁へ送球。
クロスプレーになりそうだが、JINの足が一瞬速かった。
「セーフ!」
JINのタイムリースリーベースヒットで更に1点追加。
スコアは0対4
その後は打者一巡の猛攻で、終わってみれば12得点を挙げたスカイウォーカーズの圧勝でヤンキースを一蹴。
東山は完封で今季5勝目をマーク。
森高の9号ソロ、唐澤の8号ツーラン、財前は早くも12度目の猛打賞とヤンキースをサンドバッグ状態にした。
「クソッタレ、あんなチームに連敗するとは!
貴様ら、罰として地下闘技場で地獄の精神修行だっ!!」
【え~っ!!】
地獄の精神修行とは、身体を極限まで鍛え直し、最後に十人組手という、ハチャメチャなスパーリングを行う、もはや野球とは無関係の特別メニュー。
これを行った選手の8割りが翌日の試合を欠場するという、チームにとっても何のメリットも無い特訓だ。
スカイウォーカーズはドルフィンズ、ヤンキースとアポロリーグの名門を撃破。
次は本拠地武蔵野ポールパークに戻って、現在アポロリーグの首位を独走する北九州ドジャースとの連戦が始まる。
北九州ドジャースと言えば、かつて結城が在籍したチームでもあり、監督はかつて静岡ピストルズのエースだった小倉慶次。
という事で、続く。
2番ショートJIN。背番号0】
筧のダメージは大きく、榊は大事をとってベンチに下げた。
「来たぜ、青幇!
さぁ、オマエら遠慮無しにぶっ込め!」
【…は、はい】
多分、やりたくないんだと思う。
JINはグラブを手にし、ショートの定位置へ向かう。
「おい」
山本はベース上でJINに声を掛けた。
「あぁ?」
JINもガンを飛ばして山本を見る。
「昨日のお返ししてやるぜ」
おまけに中指を立てて挑発する。
「ふ~ん、せいぜい頑張んな」
JINは親指を下に向ける。
「ふざけやがって…野球出来ねえ身体にしてやるからな!」
怒りに我を忘れたのか、背後から鬼束が山本をタッチした。
「アウト!」
「えっ!!」
何と、ベースから足を離れていたスキに鬼束がタッチをした。
「ギャハハハハハハ!バッカでぇ~」
「クッソぉぉぉぉ、やられた!」
何ともマヌケな結末だ。
「オイオイ、ヤンキースってのは相変わらずアホばかりだな」
ベンチでは榊が呆れた顔をしている。
「あんな事で熱くなるなんて…」
櫻井も同じ表情をしている。
その後、膠着した状態が続き、回は8回の表へ。
この回は先頭の結城が二番手ピッチャー左の冬木のストレートを上手くレフト線へ運び、ツーベースヒットで出塁。
【2番ショートJIN、背番号0】
JINがこの試合初の打席に入る。
パッと見は長身で堂々とした構えからして、スラッガーという雰囲気を身に纏っているが、長打力はあまり無く、試合前でのフリーバッティングでも柵越えをする場面はほぼ無い。
本人曰く、
「自分にとって、ホームランはランニングホームランの事であって、スタンドに放り込むホームランは多分この先も打つことは無い」
とまで言い切っている。
力が無いワケでは無い。
自分にホームランは似合わないと言い、仮に打ったとしても、それは宝くじを当てる事よりも珍しい事と言い張る。
それよりも、ラインドライブが掛かり、外野手の頭を越える打球で快足を飛ばして二塁打、三塁打、はたまたランニングホームランという安打を記録するのが性に合ってるという考えだ。
そのJINは左打席でバットを目いっぱい長く持ち、右半身を捻じる様な構えで立つ。
「中ちゃんよぉ、アイツのあの構えを矯正しなかったのかよ」
あれでは打てない…
榊は首を傾げる。
「何言ってんだよ、アイツはあの構えでいいんだよ」
去年まで二軍監督をしていた中田はさも当然と言った顔をしている。
「イヤイヤ、あれじゃ打てねえだろ」
「いいから見てろっつーの!」
中田は余裕の表情だ。
ヤンキースのピッチャー冬木は初球ストレート、二球目をカーブであっという間にツーストライクとなる。
JINはまだ一度もバットを振ってない。
その三球目、今度は外角へ逃げるスライダー。
これをJINは長いリーチを生かし、上手く左へおっつけた。
打球はライナーでレフト線ギリギリに入った。
ボールは転々とファールゾーンへ転がる。
レフトを守る途中出場の川田がボールを追いかけている間、二塁ランナー結城は悠々とホームへ。
打ったJINも凄まじい速さで二塁を蹴って三塁へ。
川田がボールを捕って三塁へ送球。
クロスプレーになりそうだが、JINの足が一瞬速かった。
「セーフ!」
JINのタイムリースリーベースヒットで更に1点追加。
スコアは0対4
その後は打者一巡の猛攻で、終わってみれば12得点を挙げたスカイウォーカーズの圧勝でヤンキースを一蹴。
東山は完封で今季5勝目をマーク。
森高の9号ソロ、唐澤の8号ツーラン、財前は早くも12度目の猛打賞とヤンキースをサンドバッグ状態にした。
「クソッタレ、あんなチームに連敗するとは!
貴様ら、罰として地下闘技場で地獄の精神修行だっ!!」
【え~っ!!】
地獄の精神修行とは、身体を極限まで鍛え直し、最後に十人組手という、ハチャメチャなスパーリングを行う、もはや野球とは無関係の特別メニュー。
これを行った選手の8割りが翌日の試合を欠場するという、チームにとっても何のメリットも無い特訓だ。
スカイウォーカーズはドルフィンズ、ヤンキースとアポロリーグの名門を撃破。
次は本拠地武蔵野ポールパークに戻って、現在アポロリーグの首位を独走する北九州ドジャースとの連戦が始まる。
北九州ドジャースと言えば、かつて結城が在籍したチームでもあり、監督はかつて静岡ピストルズのエースだった小倉慶次。
という事で、続く。
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