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レスリングマスター、そしてコマンドサンボ
リヴァプールへ行って強くなってこい
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カーウィンは現役時代を彷彿させるかのような構えでオレと向かい合った。
腰を落とし、やや前傾になり、脇を締め右手を前に差し出すスタイルはリビングに飾ってあったヨーロッパチャンピオン時代の写真と全く同じ構えだ。
オレはガードを固め、オーソドックスなボクサースタイルの構えで対峙した。
稀代のシューターと謳われたヨーロッパ最強の男は老いても一度スイッチが入ると一回りも二回りも大きく見える。
下手するとこのオーラに飲み込まれてしまいそうだ。
マットの中央で僅か1メートルも満たない距離でオレたちは構えたまま動かない。
いや、動けないのだ。下手に動くとあっという間にテイクダウンされ、関節を極められ、へし折られかねない。
カーウィンもオレの総合で培った打撃のスタイルの前で迂闊に動けない。
カーウィンのタックルが先か、オレのパンチが先か、動かずに目で牽制している。
この状態のまま、どのくらい経ったのだろう、何もしてないのに身体中から汗が吹き出していた。
カーウィンも同じで、構えたまま微動だにせず、額から汗が滲み出ていた。
オレはカーウィンの足元を注意深く見ていた。
いつ高速のタックルがくるのか、足の動きを観察した。
互いに動かないが、闘いは始まっている。
どういう展開でどういう体勢になっているか、頭の中でシミュレーションしている。
相手の先の先まで攻撃を読んでいるから下手な動きで勝負は一瞬にして決着をつくかもしれない。
「ナオト…」
カーウィンは構えたままオレに何かを言おうとしている。
オレは無言でガードを固めたままだ。
返事をしたらその隙をついて攻撃してくるだろうと思い、何も言わずにカーウィンの動きを伺った。
「お前のやりたいのはプロレスか?それともMMAか?どっちなんだ?」
険しい顔でオレに問う。
「…どちらでもない、オレが目指すのはリアルプロレスラーだ」
シーンと静まり返ったジムはオレとカーウィンの声、そして鼓動の音だけだ。
カーウィンは不適な笑みを浮かべ、ジリジリと距離を縮めた。
(くるぞ…気を付けるんだ)
オレは警戒しながら足を使い、フットワークで的を絞らせないようにした。
カーウィンが中央で構え、オレがその周囲をフットワークで回るという形になった。
「…お前の言うリアルプロレスラーとは何だ」
カーウィンは鋭い眼光でオレの動きを見ていた。
こんな状況が何分続いていたのだろうか…
長く感じる…まだ手を合わせてないのにもの凄い疲労感がオレの身体にのし掛かる。
「リアルプロレスラーとは…どんな相手でもどんなルールでも必ず勝つ。プロレスラーは強くなくてはならない、そう言ったのはあなただ」
フットワークを使っていた足を止め、オレは構えをややアップライトにし、ムエタイの選手のような構えで膝を上げ、タックルが来ると同時にローキックをカウンターで合わせ、カーウィンの顔面を破壊するつもりでいた。
「それがお前の言うリアルプロレスラーか。プロレスにはブックがある…お前はブックを破ってでも勝つつもりなのか?」
動揺作戦なのか分からないが、カーウィンは言葉でプレッシャーをかけてきた。
「オレはプロレスラーだ。ブックには従う。
単なるシュートレスラーにはなりたくない」
汗が目に入るが、瞬きすら出来ない程、オレはカーウィンの迫力に飲み込まれそうだった。
汗を拭った隙に仕掛けてくると思い、オレは汗で目が滲みていたが、瞬きすら出来ない程にカーウィンのプレッシャーに押し潰されそうだった。
「敗けブックを飲みながら強さを見せつける…聞こえはいいが、プロレスとはエンターテイメントだ。お前の言うリアルプロレスラーは強さだけを追及する単なるシュート自慢のレスラーだ。そんな理想だけでこの世界を生きていくつもりなのか?」
カーウィンの言う事も分からないワケではない。だが、オレはグレコローマンのレスリングでオリンピックに出て金メダルを取るよりも、強くなりたくてプロレスラーの道を選んだ
「あなたの言いたい事は分かる。だがオレはプロレスラーとは強さが前提としてのエンターテイメントだと思っている…
プロレスはどの格闘技よりも強く、逞しくなくてはならない。
だからこそオレはキャッチレスリングを学び、他の格闘技も吸収するつもりだ…強くないプロレスラーなんて迷惑なだけだ!」
この言葉にカーウィンは大声で笑った。
「ハハハハ!随分とデカい事を言うじゃないか…お前はキャッチレスリングに飽きたらず他の格闘技も学ぶつもりなのか?」
更に険しく、そして鋭い眼光目付きでカーウィンはオレの視線を捕らえて離さない。
「何がおかしい?プロレスラーってのは強くなきゃいけないんだ!今さらあんなマスク被ってヒールなんて出来ない!
あんな事をするためにここへ来たんじゃない!」
あんなふざけた、時代錯誤なヒールキャラなんてやってらんない!
あれこそプロレスだなんてバカげてる。
カーウィンは表情を元の好好爺にようになり、構えを解いた。
「フハハハハ!お前のようなバカが以前にも一人いたよ。
強さだけを追い求めてここを出ていった大バカがな」
以前にもいた?
プロレスラーなのだろうか…
オレも構えを解き、汗だくになった身体をタオルで拭いた。
「今リヴァプールでMMAのジムをやっている。
そこに行くがいい、私はもうお前に教える事は何も無い。
前にも言ったが、キャッチレスリングなんてマスター出来っこない。ただキャッチレスリングとはこういうものなんだ、という事さえ分かってくれればいいんだ」
カーウィンは階段を上って部屋に入って行った。
リヴァプールにあるMMAのジム…一体どんな人物なのだろう?
しばらくしてカーウィンが戻ってきた。
「ここに書いてあるジムに行くがいい。ナオト、リアルプロレスラーになってこい」
カーウィンの渡したメモには
【Kombat sambo MMA-Gym U.K.】と書かれてあった。
コンバットサンボ?
コマンドサンボの事か?
「ナオト、そこに行けばお前はもっと強くなる…行ってこい!」
カーウィンは笑顔でオレを送り出した。
荷物をまとめ数ヶ月過ごしたカーウィンのジムを去った。
「カーウィンさん、また来ます。くれぐれも身体には気をつけて…」
カーウィンはニッコリと笑って頷いた。
ロンドンからリヴァプール、そしてキャッチレスリングからコマンドサンボ…
中学の時に柔道を始めて高校ではグレコローマンのレスリング、卒業してプロレスラーになり、総合格闘技を学ぶ為にブラジリアン柔術を習い、イギリスに渡りキャッチレスリングを吸収して次はコマンドサンボか…
振り返れば格闘技漬けの人生だ。
オレは強くなりたい、ただそれだけの気持ちでここまでやってこれた。
中堅レスラーだったオレが今レスラー人生のターニングポイントを迎えているのかもしれない。
オレは幸運なヤツだ。
様々な格闘家と会い、貴重な経験をさせてもらった。
オレはカーウィンのジムの前で深々と頭を下げ、リヴァプールへ向かった。
腰を落とし、やや前傾になり、脇を締め右手を前に差し出すスタイルはリビングに飾ってあったヨーロッパチャンピオン時代の写真と全く同じ構えだ。
オレはガードを固め、オーソドックスなボクサースタイルの構えで対峙した。
稀代のシューターと謳われたヨーロッパ最強の男は老いても一度スイッチが入ると一回りも二回りも大きく見える。
下手するとこのオーラに飲み込まれてしまいそうだ。
マットの中央で僅か1メートルも満たない距離でオレたちは構えたまま動かない。
いや、動けないのだ。下手に動くとあっという間にテイクダウンされ、関節を極められ、へし折られかねない。
カーウィンもオレの総合で培った打撃のスタイルの前で迂闊に動けない。
カーウィンのタックルが先か、オレのパンチが先か、動かずに目で牽制している。
この状態のまま、どのくらい経ったのだろう、何もしてないのに身体中から汗が吹き出していた。
カーウィンも同じで、構えたまま微動だにせず、額から汗が滲み出ていた。
オレはカーウィンの足元を注意深く見ていた。
いつ高速のタックルがくるのか、足の動きを観察した。
互いに動かないが、闘いは始まっている。
どういう展開でどういう体勢になっているか、頭の中でシミュレーションしている。
相手の先の先まで攻撃を読んでいるから下手な動きで勝負は一瞬にして決着をつくかもしれない。
「ナオト…」
カーウィンは構えたままオレに何かを言おうとしている。
オレは無言でガードを固めたままだ。
返事をしたらその隙をついて攻撃してくるだろうと思い、何も言わずにカーウィンの動きを伺った。
「お前のやりたいのはプロレスか?それともMMAか?どっちなんだ?」
険しい顔でオレに問う。
「…どちらでもない、オレが目指すのはリアルプロレスラーだ」
シーンと静まり返ったジムはオレとカーウィンの声、そして鼓動の音だけだ。
カーウィンは不適な笑みを浮かべ、ジリジリと距離を縮めた。
(くるぞ…気を付けるんだ)
オレは警戒しながら足を使い、フットワークで的を絞らせないようにした。
カーウィンが中央で構え、オレがその周囲をフットワークで回るという形になった。
「…お前の言うリアルプロレスラーとは何だ」
カーウィンは鋭い眼光でオレの動きを見ていた。
こんな状況が何分続いていたのだろうか…
長く感じる…まだ手を合わせてないのにもの凄い疲労感がオレの身体にのし掛かる。
「リアルプロレスラーとは…どんな相手でもどんなルールでも必ず勝つ。プロレスラーは強くなくてはならない、そう言ったのはあなただ」
フットワークを使っていた足を止め、オレは構えをややアップライトにし、ムエタイの選手のような構えで膝を上げ、タックルが来ると同時にローキックをカウンターで合わせ、カーウィンの顔面を破壊するつもりでいた。
「それがお前の言うリアルプロレスラーか。プロレスにはブックがある…お前はブックを破ってでも勝つつもりなのか?」
動揺作戦なのか分からないが、カーウィンは言葉でプレッシャーをかけてきた。
「オレはプロレスラーだ。ブックには従う。
単なるシュートレスラーにはなりたくない」
汗が目に入るが、瞬きすら出来ない程、オレはカーウィンの迫力に飲み込まれそうだった。
汗を拭った隙に仕掛けてくると思い、オレは汗で目が滲みていたが、瞬きすら出来ない程にカーウィンのプレッシャーに押し潰されそうだった。
「敗けブックを飲みながら強さを見せつける…聞こえはいいが、プロレスとはエンターテイメントだ。お前の言うリアルプロレスラーは強さだけを追及する単なるシュート自慢のレスラーだ。そんな理想だけでこの世界を生きていくつもりなのか?」
カーウィンの言う事も分からないワケではない。だが、オレはグレコローマンのレスリングでオリンピックに出て金メダルを取るよりも、強くなりたくてプロレスラーの道を選んだ
「あなたの言いたい事は分かる。だがオレはプロレスラーとは強さが前提としてのエンターテイメントだと思っている…
プロレスはどの格闘技よりも強く、逞しくなくてはならない。
だからこそオレはキャッチレスリングを学び、他の格闘技も吸収するつもりだ…強くないプロレスラーなんて迷惑なだけだ!」
この言葉にカーウィンは大声で笑った。
「ハハハハ!随分とデカい事を言うじゃないか…お前はキャッチレスリングに飽きたらず他の格闘技も学ぶつもりなのか?」
更に険しく、そして鋭い眼光目付きでカーウィンはオレの視線を捕らえて離さない。
「何がおかしい?プロレスラーってのは強くなきゃいけないんだ!今さらあんなマスク被ってヒールなんて出来ない!
あんな事をするためにここへ来たんじゃない!」
あんなふざけた、時代錯誤なヒールキャラなんてやってらんない!
あれこそプロレスだなんてバカげてる。
カーウィンは表情を元の好好爺にようになり、構えを解いた。
「フハハハハ!お前のようなバカが以前にも一人いたよ。
強さだけを追い求めてここを出ていった大バカがな」
以前にもいた?
プロレスラーなのだろうか…
オレも構えを解き、汗だくになった身体をタオルで拭いた。
「今リヴァプールでMMAのジムをやっている。
そこに行くがいい、私はもうお前に教える事は何も無い。
前にも言ったが、キャッチレスリングなんてマスター出来っこない。ただキャッチレスリングとはこういうものなんだ、という事さえ分かってくれればいいんだ」
カーウィンは階段を上って部屋に入って行った。
リヴァプールにあるMMAのジム…一体どんな人物なのだろう?
しばらくしてカーウィンが戻ってきた。
「ここに書いてあるジムに行くがいい。ナオト、リアルプロレスラーになってこい」
カーウィンの渡したメモには
【Kombat sambo MMA-Gym U.K.】と書かれてあった。
コンバットサンボ?
コマンドサンボの事か?
「ナオト、そこに行けばお前はもっと強くなる…行ってこい!」
カーウィンは笑顔でオレを送り出した。
荷物をまとめ数ヶ月過ごしたカーウィンのジムを去った。
「カーウィンさん、また来ます。くれぐれも身体には気をつけて…」
カーウィンはニッコリと笑って頷いた。
ロンドンからリヴァプール、そしてキャッチレスリングからコマンドサンボ…
中学の時に柔道を始めて高校ではグレコローマンのレスリング、卒業してプロレスラーになり、総合格闘技を学ぶ為にブラジリアン柔術を習い、イギリスに渡りキャッチレスリングを吸収して次はコマンドサンボか…
振り返れば格闘技漬けの人生だ。
オレは強くなりたい、ただそれだけの気持ちでここまでやってこれた。
中堅レスラーだったオレが今レスラー人生のターニングポイントを迎えているのかもしれない。
オレは幸運なヤツだ。
様々な格闘家と会い、貴重な経験をさせてもらった。
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