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忌まわしき過去
学校どころではない
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父の死後、オレは学校帰りにバイトをする生活を送った。
中学の頃から貯めていた金は、毎月の光熱費や学費、食費等に充てていたが、みるみるうちに目減りしていく。
バイトをしても金が足りない。
次第に学校を休みがちになり、その分バイトして1円でも多く稼がなければならない。
飯も満足に食えない。
母の所に戻ろうかとも考えたが、また近親相姦繰り返す日々を送るなんて、無理だ。
それに、父が残してくれたマンションで仏壇に手を合わせるのがオレの務めだ。
今更戻るなんて、バカなマネはしたくない。
一学期も終わりにさしかかろうとしていたある日の事だった。
下校時に担任の鴨志田から呼び止められ、誰もいない教室で机を挟んで向かい合い、出席日数の事を言われた。
「古賀くん、お父さんの事で大変ショックなのは解るわ。でも、これ以上休むと2年に進級できないのよ。だからもう少し学校に来るように出来ないかな…何か困ったことがあったら先生相談に乗るから」
オレはそんな話よりも、白いブラウスのボタンが今にもはち切れそうな巨乳を凝視していた。
父の家に移ってから女の裸を見ていなかったせいもあり、下半身が疼いてきた。
そんな視線に気づかず、毎日学校に来いと言っている。
「確かに父の事はショックです。でも今はそんなことが原因じゃないんです。実はオレ、一人で暮らしているんです。だから働かないと食っていけないんです。学校に行ってる場合なんかじゃないんですよ」
鴨志田は腕を組み、困ったなぁと呟き、考え込んだ。
ただでさて大きな胸が腕を組むことによって余計に大きく寄せてるように見える。
このオッパイを鷲掴みにしてやろうか、そんな良からぬ事が頭をよぎった。
「他に身内の方はいないの?確かお兄さんがいたわよね?お兄さんには頼めないのかしら?」
冗談じゃない、父の遺産しか頭の中に無いヤツの世話になるつもりはない!
「兄はまだ大学生で自分の生活でいっぱいいっぱいなんです。頼れるならとっくに頼ってます」
鴨志田は困り果てた表情をしたが、何かを思い出したかの様に話した。
「そうだ、奨学金の制度があるからそれに申請したらどう?少なくとも学費の心配はなくなるわ」
そういう問題じゃない。オレは少し呆れたように鴨志田に話した。
「先生って一人暮らしですか?」
「えっ?」
「いや、だから一人暮らしですか?って聞いているんです」
鴨志田はやや困惑した表情を浮かべ、下を向きながら頷いた。
「じゃあ、分かりますよね?一人暮らしだと色々とお金がかかることを。光熱費に学費に食費。そんな金を毎月払わなきゃならないんですよ?だから働くしかないないんです。学校を犠牲にしてでも生きてく為に働かなきゃならないんです」
ここまで言われて、鴨志田は反論できない。
この巨乳教師に何を言ってもムダだ、オレ帰ろうとした。
「待って古賀くん!もう少し、もう少し話し合いましょう!必ず方法はあるはずだから、ねっ、一緒に考えましょう!」
バカじゃないのか…
解決法なんて無い。担任を受け持つ教師が生徒を退学させない為に苦し紛れに言っただけだろう。
オレは踵を返し、鴨志田に諭すように話した。
「じゃあ先生、先生がオレの面倒を見てくれますか?オレに援助してくれますか?それが出来るオレはバイトを辞めて真面目に学校に通いますよ。でも出来ないでしょ?」
無言だ。
教師ってのは、所詮そんなもんだ。
聖職だとか言われているが、そこまで出来る先生がいるワケが無い。
オレは学校を出てバイト先へ向かった。
店内でポテトを揚げ、スライスしたトマトや他の具材をバンズを挟み、合間にゴミの分別処理等、色々とやらなきゃならない事がいっぱいある。
今日もクタクタでようやく終わった。
時刻は22:00を回った。
こんな夜道に制服を着て歩いてるのはオレぐらいだ。
目の前に牛丼屋がある。腹が減った。
しかし、今はそんな物に金を払う余裕すら無い。
早く家に帰って飯の支度をしないと。支度と言っても、米に玉子とお新香しかない。
貯金はもうすぐで底を尽く。
残金がゼロになったらどうしようか、と考えた。
普通の家庭ならば、朝昼晩と食べる事が出来る。
だがオレは、こんなに働いてもまともに三食を食えない。
何なんだ、一体?
悪い事をしたワケじゃないのに、何でこうも、不幸が降り掛かるんだ?
自分の運命を呪った。
重い足取りでようやくマンションの前まで着いた。
エントランスの自動ドアの前で女性の姿が見えた。
俯いて、顔が見えない。
怪しいヤツか…オレは恐る恐る近づいた。
すると、その女性は顔を上げた。
「あ、お帰り古賀くん!さっきから待ってたのよ。良かったら一緒にご飯食べない?」
鴨志田がオレの帰りを待っていた。
両手には食料をかなり買い込んだ袋を下げて…
中学の頃から貯めていた金は、毎月の光熱費や学費、食費等に充てていたが、みるみるうちに目減りしていく。
バイトをしても金が足りない。
次第に学校を休みがちになり、その分バイトして1円でも多く稼がなければならない。
飯も満足に食えない。
母の所に戻ろうかとも考えたが、また近親相姦繰り返す日々を送るなんて、無理だ。
それに、父が残してくれたマンションで仏壇に手を合わせるのがオレの務めだ。
今更戻るなんて、バカなマネはしたくない。
一学期も終わりにさしかかろうとしていたある日の事だった。
下校時に担任の鴨志田から呼び止められ、誰もいない教室で机を挟んで向かい合い、出席日数の事を言われた。
「古賀くん、お父さんの事で大変ショックなのは解るわ。でも、これ以上休むと2年に進級できないのよ。だからもう少し学校に来るように出来ないかな…何か困ったことがあったら先生相談に乗るから」
オレはそんな話よりも、白いブラウスのボタンが今にもはち切れそうな巨乳を凝視していた。
父の家に移ってから女の裸を見ていなかったせいもあり、下半身が疼いてきた。
そんな視線に気づかず、毎日学校に来いと言っている。
「確かに父の事はショックです。でも今はそんなことが原因じゃないんです。実はオレ、一人で暮らしているんです。だから働かないと食っていけないんです。学校に行ってる場合なんかじゃないんですよ」
鴨志田は腕を組み、困ったなぁと呟き、考え込んだ。
ただでさて大きな胸が腕を組むことによって余計に大きく寄せてるように見える。
このオッパイを鷲掴みにしてやろうか、そんな良からぬ事が頭をよぎった。
「他に身内の方はいないの?確かお兄さんがいたわよね?お兄さんには頼めないのかしら?」
冗談じゃない、父の遺産しか頭の中に無いヤツの世話になるつもりはない!
「兄はまだ大学生で自分の生活でいっぱいいっぱいなんです。頼れるならとっくに頼ってます」
鴨志田は困り果てた表情をしたが、何かを思い出したかの様に話した。
「そうだ、奨学金の制度があるからそれに申請したらどう?少なくとも学費の心配はなくなるわ」
そういう問題じゃない。オレは少し呆れたように鴨志田に話した。
「先生って一人暮らしですか?」
「えっ?」
「いや、だから一人暮らしですか?って聞いているんです」
鴨志田はやや困惑した表情を浮かべ、下を向きながら頷いた。
「じゃあ、分かりますよね?一人暮らしだと色々とお金がかかることを。光熱費に学費に食費。そんな金を毎月払わなきゃならないんですよ?だから働くしかないないんです。学校を犠牲にしてでも生きてく為に働かなきゃならないんです」
ここまで言われて、鴨志田は反論できない。
この巨乳教師に何を言ってもムダだ、オレ帰ろうとした。
「待って古賀くん!もう少し、もう少し話し合いましょう!必ず方法はあるはずだから、ねっ、一緒に考えましょう!」
バカじゃないのか…
解決法なんて無い。担任を受け持つ教師が生徒を退学させない為に苦し紛れに言っただけだろう。
オレは踵を返し、鴨志田に諭すように話した。
「じゃあ先生、先生がオレの面倒を見てくれますか?オレに援助してくれますか?それが出来るオレはバイトを辞めて真面目に学校に通いますよ。でも出来ないでしょ?」
無言だ。
教師ってのは、所詮そんなもんだ。
聖職だとか言われているが、そこまで出来る先生がいるワケが無い。
オレは学校を出てバイト先へ向かった。
店内でポテトを揚げ、スライスしたトマトや他の具材をバンズを挟み、合間にゴミの分別処理等、色々とやらなきゃならない事がいっぱいある。
今日もクタクタでようやく終わった。
時刻は22:00を回った。
こんな夜道に制服を着て歩いてるのはオレぐらいだ。
目の前に牛丼屋がある。腹が減った。
しかし、今はそんな物に金を払う余裕すら無い。
早く家に帰って飯の支度をしないと。支度と言っても、米に玉子とお新香しかない。
貯金はもうすぐで底を尽く。
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だがオレは、こんなに働いてもまともに三食を食えない。
何なんだ、一体?
悪い事をしたワケじゃないのに、何でこうも、不幸が降り掛かるんだ?
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重い足取りでようやくマンションの前まで着いた。
エントランスの自動ドアの前で女性の姿が見えた。
俯いて、顔が見えない。
怪しいヤツか…オレは恐る恐る近づいた。
すると、その女性は顔を上げた。
「あ、お帰り古賀くん!さっきから待ってたのよ。良かったら一緒にご飯食べない?」
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