Baseball Freak 主砲の一振り 7

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後半戦

いつでも長打は打てる

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2回の裏、Glanzは徳川、麻生の2者連続ホームランで2点を先制。


この回は2点止まりだったが、Glanzの猛攻は続く。

3回の裏、8番乃木、9番比村の連続ヒットでランナー一塁 三塁と追加点のチャンス。

打順はトップに返って菅原。


単打でも点が入る場面。


右打席では抜群のミートセンスと選球眼で5打席のうち、4打席出塁とチームに貢献。


(コイツは見たところ非力だ。右には上手く打てるけど、引っ張った打球は少ない…)

川上が配球を組み立てる。


となると、インコース主体のピッチングとなる。


サインに頷き、初球を投げた。


インコース胸元を突く143 km/hのストレート。


菅原が思わず仰け反る。


「ボールワン!」


それ程厳しいコースではないが、夏目の球は対角線に投げてくるせいで、右バッターはぶつかると思い、仰け反ってしまう。



「次の球は打つと思いますち!」


ひろしが断言する。


「もし打てなかったらどうするよ?」


「私がうなぎをご馳走しますち!」


「ホントだなっ?特上のヤツを食わせろよ!」


「んだな(^ ^)」


「じゃあ…ヒット打ったら、とっつぁんは何食わせてくれるんだ?」


財前が口を挟む。


「オメーは関係ねぇだろ!」


「いやいや。ここはやっぱ、お互いに賭けないとさぁ」


「んじゃあ…お前、何食いたい?」


「私、焼肉食べたいですち!」


「あ、オレ寿司がいいな!」


「オメーは、何も賭けてねぇだろ!」


「オレも助監督と同じでヒットを打つに賭ける」


「何ぃ~っ?!」


「その代わり、負けたら好きなだけウナギ食わせてやるから、な?」


「ヨーシ、じゃあオマエら2人となれば、一番高いウナギ食わせろよな!」


「んだな(^ ^)」


「リョーカイっ!」


というワケで、財前を含めた三人で賭けが成立した。



川上は徹底したインコース攻めで菅原を打ち取るつもりだ。


2球目、これも対角線から投げてくるストレートを見送る。

「ストライクワンっ!」



タイミングが合わないのか、それとも打ちづらいのか。


窮屈な構えになってしまった。


(こりゃ、トコトンインコース攻めだな)


次の球もインコースだ。



夏目は大きく頷き、3球目を投げた。


2球目と同じ、インコース膝元へのストレートだ。


しかし、菅原は左足を引き、オープンスタンスの構えで振り抜いた。


「ヤバ…やられた!」


川上のミスリードだった。


振り抜いた打球は右方向へ高く上がった。


「何だよ、長打力は無いって言ってたのに、アレじゃ長打コースじゃんかよ!」


「長打力が無いワケではありませんち(^_^)



ひろしの言う通り、右ではミートに徹するバッティングをするせいで、単打が多いだけで、その気になれば柵越えはいとも簡単に出来る。


打球は右中間へグーンと伸びて、最深部のスタンドへ放り込まれた。



「入っちゃったよ…」


「んだな(^_^)」


菅原のプロ初本塁打が飛び出し、3点を追加。


「ヨォーシ、これで今夜はシースーだぜ!」

「私は焼肉ですち!」


「あぁ~!こうなりゃ、好きなモン腹いっぱい食わせてやらぁ!」


そして試合は6-2でGlanzが連勝した。



しかし、試合後に寄った店は食べ放題のチェーン店だった。
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